さくらももこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さくらももこさんのエッセイ4作目。
タイトルからしてとても良い。ひとりずもう。ももこさんの中学、高校、漫画家デビューまでを振り返った一冊。
彼女のエッセイのすごいところは、自分が思ったことをすなおにそのまま書いているように見えること。
本当は誰もが心のなかに存在するのに、こんなこと書くの良くないかなぁ、ちょっと恥ずかしいなぁと思うようなことを、1ミリも格好つけずに書いている。実際は格好つけているところもあるのかもしれないが、読者にそれを全く感じさせない。
私も文章を書くことは好きだけれど、こんなに自分の心をすっぴん状態でさらけ出すことはなかなか難しい。意識的にも無意識的にも、やっぱり格好つけてしまうし、話をいい方向に持っていってしまう。
4作目にして、そのすごさがとてもよく分かった。
「果たしてこんな私でも人生で一度ぐらいは恋人ができるのだろうか、という根本的な憂いも 抱き始めていた。」
「私は何もしない青春を送る者なのだ。今さらどうにかできるもんでもないし、こうやって十七歳の日々が単に過ぎてゆくだけなのだ。」
私も高校生のとき全く同じことを思っていた。漫画やドラマでは、高校生たちは恋も友情も部活もあらゆるイベントであふれているのに、現実ではなにも起こらない。
こうしてピチピチのJKとしての日々を、誰の目に留まることもなく消費していく。悲しいような、なにかとてつもなく勿体ないことをしているような気持ちだった。
家と学校の往復しかないリアルな高校生活は、残念ながらそんなものだ。けれど大学生、社会人と歳を重ねていくにつれ、どんどん外の世界へ足を伸ばしてゆけるようになる。そうするとさまざまな出会いも、おもしろい出来事もどんどん生まれてくる。高校生の私には、もうちょっと待ってな、あなたが望むような青春はこれからやってくるよと言いたい。
誰もが知るももこさんも、自分と同じような高校生活を送っていたと知って、ぐっと近い存在になった。
本作の後半で、ももこさんが漫画家になるまでの道のりが描かれるのも見どころだ。
呆れて笑っちゃうくらいのぐうたらJKだったのに、本気で漫画家を目指すようになってからとんでもない熱量で、寝る間も惜しんで描き続ける。ちびまる子ちゃんがさくらももこさんへと変貌していく。読んでいて眩しさしかなかった。
また時間を空けて読み返したい。 -
Posted by ブクログ
2026.02.27
実家に置いてあり、小さい頃から何度も何度も読んだ。朝井リョウさんのエッセイを読んだことをきっかけに(朝井リョウさんもエッセイ内でさくらももこのエッセイが好きだと言っていた)久しぶりに読みたい、、!と手に取った。
10年以上ぶりに読んだのに、読んだことあるのに、ところどころクスッと笑える。さすがだなあと思う。
畳のある部屋で夢中になって読んだ自分自身の「あのころ」も思い出されて、なんとも懐かしい想いに包まれて読み終えた。
自分の幼少期の思い出も相まって本作が好きなのもあるんだろうなとしみじみ感じる。
つぎは「さるのこしかけ」を読むつもりだ。 -
無料版購入済み
もうほんとおもしろい。この頃の味のある絵が大好きだった。関節無視した、でもちゃんと全身を描いていて。最新になるにつれミニサイズ化しただの可愛い絵柄になっちゃったのが残念。ももこのほのぼの劇場も大好きだった。ももこの冷静に大人を観察してるのがうなる。この頃の辛辣な感じが大好きだったなあ。
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Posted by ブクログ
柔らかくて優しい文体に、あまりの素直さまっすぐさ(たまに短絡的すぎてクスッとしながら)に、癒しと勇気を貰えた。
さくらももこさんの青春が、事細かに描かれてて当時の日記を読んでるかのような感覚になった。思い出して書いてるとは思えない、鮮やかさ、、!
自分の手元に置いて、たまに読み返したくなる本。
「なれるかなれないかは、一度やってみないとわならないではないか。やらなかったら確実になれないが、やってみたら、やらない場合よりもなれる確率はある」
「自分には少しムリかもとか合ってないかもと感じたら、微調整を考えてみることも大事」
自分に起こる出来事をよく観察して、面白がったり、考え込んだり、楽しんだり味わったりして生きよう -
Posted by ブクログ
三島由紀夫は産まれたときの記憶があるらしい(ホントかよ)が、さくらももこも負けていない。「二歳半ぐらい」からの記憶をたどった記憶力おばけの真骨頂、といった感じの本。
父ヒロシの事故のこと、友人をぶってしまったり、ランドセルに傷をつけてしまった日のこと。子供特有の逃げ場のないせつなさが、ドライなんだけど鮮やかな筆致で描かれている。
あとがきがまた素晴らしいので、まずはそこから読んでみるのがおすすめ。
「実は自分はすごくシンプルだったんだという事を、たまには思い出した方がいい時もある。
(中略)経験をし、その意味に気づき、理解し、理解の中から生まれた知恵を生かしてゆく事、これが大人になってゆくという事だろうと思ったのだ」
(あとがき)
複雑になりすぎた現代をゆるくやり過ごすための手がかりになるかも、と思うような、不思議な読後感があった。