普通に面白かった。
クライマックスのみんながそれぞれの大切な人に時間をあげるところにそれぞれの「シシャ」のキャラクターがしっかり出てたのがよかった。直弥が小さい子を助けて…ってのもお人好しな感じがでてたし、心美がしっかり美幸さんにも時間をあげるところ、そして宮田さんと目が合う前に消えてしまうのも、上手くいかない感じで良い。
あと輪廻的(?)に、他の「シシャ」の気持ちがわからなかった少年が、玖美の子供に名前を付けてもらって気持ちが芽生えるのも終わり方としては綺麗かな?あんなに嫌な思いを人にさせておいてお前だけ幸せな未来を歩んでんじゃねぇとは思ったけど。話のまとめとしては綺麗かもだけど、読者を納得させたか?と言われると……。
少年の起こした大量殺人は
「自分を救うために大嫌いな人を殺す」
ものだったのに対して、テロの時のシシャたちの行動は
「大好きな人を救うために自分を殺す」
もので、その対比の描写は素敵だった。
あと、大量殺人は失敗するがテロは起きるのかという所。
テーマとして「運命変えたら他の人の運命まで変わる」ってのを書きたかったんだというのは伝わるし、大量殺人もテロもなきゃいけない描写だったんだろうけど、ちょっと無理やり感が否めない。勅使河原宝玉は結局これも適当だったってこと?あと結局「シシャ」は何者なの?直弥はわんちゃん生まれ変わり説が出てたけど他の人は?…とまぁ大事なところが微妙な書き方で惜しい。。
テクが自分が他の人の時間を奪っていたかもしれないと気づく場面も、テクが時間を与えていた人達は高齢の病人のみだから、奪っていた可能性もゼロではないけど限りなく低いよね。それをさも時間をあげた分だけ奪っていたかのように描く描写はどうなのかな。
中学生の頃初めて読んだ時はとっても感動したから、対象年齢もあるのかな?中学生にはちょうどいい本だと思う!
高校生以上だと物足りないって思う人が増えそう。
私は「シシャ」じゃないから、人に時間をあげられないけど、もしそんな力があったら果たして使えるのかな。
消えてしまったけれど、大好きな人達を助けられた3人はとても幸せだったんだろうな。
そんな人に出会えたらいいな、大切にしたいなと思った。