山田悠介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
各章であらゆる登場人物に視点が移り変わり、最終的に一つの結末に向かって時系列が一致する、という作品。
私は最初に訳が分からない展開でも、読み進めながら自分なりに整理していく過程が好きなので、この作品は私にとっては非常に面白かった。
何と言ってもテンポが良い。実際のバスジャック事件も、夜行バスなのではない限り犯行時間自体は長くても6-7時間程度だと思うので、人々が混乱し試行錯誤しているにも関わらず時間は非情にも過ぎていく、というようなリアリティを感じた。
犯行に及んだのはネットで知り合った仲間たち。著者はこのような所謂"社会のはずれもの"を主要キャラクターとして取り上げる -
Posted by ブクログ
ネタバレ加奈の転校先のクラスでは呪いの席の噂があった。
今までそこに座ることになった人間はひどい嫌がらせを受け、ノイローゼになったり、自殺する者もいたという。
その席に座ることになった加奈を襲う数々の嫌がらせ。
裏に潜むもうひとつの事件に加奈は担任の市村と挑むのだが…。
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デビュー作『リアル鬼ごっこ』が話題になった時からとても気になる作家さんのひとりで、文庫になった作品は購入して読んでいた。
ただ、素晴らしい!と読んだ後に感銘を受ける作家さんであるかというと、そういうことでもなく…。
相変わらず、ストーリー展開が都合良くいくなぁ、と思える箇所も。
説得力にもうひとつ欠ける気がする。
でも -
Posted by ブクログ
ネタバレ普通に面白かった。
クライマックスのみんながそれぞれの大切な人に時間をあげるところにそれぞれの「シシャ」のキャラクターがしっかり出てたのがよかった。直弥が小さい子を助けて…ってのもお人好しな感じがでてたし、心美がしっかり美幸さんにも時間をあげるところ、そして宮田さんと目が合う前に消えてしまうのも、上手くいかない感じで良い。
あと輪廻的(?)に、他の「シシャ」の気持ちがわからなかった少年が、玖美の子供に名前を付けてもらって気持ちが芽生えるのも終わり方としては綺麗かな?あんなに嫌な思いを人にさせておいてお前だけ幸せな未来を歩んでんじゃねぇとは思ったけど。話のまとめとしては綺麗かもだけど、読者を