あらすじ
「貴族の命令は絶対!」――盲目の少年・伸也は、共に拉致された中学生たちと30人、この世の地獄に放り込まれた。「貴族」と「奴隷」に分けられ、劣悪な環境での強制労働。つきまとう死の恐怖。異常な環境で、少年たちの感覚は麻痺し、大切な友人までが壊れていく。伸也は誰より過酷な扱いを受けるも、優しさを失わなかったが、ついに……。
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貴族の想像
読み応えのある本だった。
最初は自分が奴隷の役になりきり可愛そう、辛い、憎いなどの感情で読んでいたが、
読み進めるにつれてその感情は薄れ、支配欲が優っていた。
山田先生の文力にまんまと乗せられました。
人間の本質的なところからホラーを覚える良い作品でした。
続きが気になる
スタンフォード監獄実験?の映画を観た際に、最終的に立場を逆転させたらどうなるんだろうと考えていたので、ラストを見てこの続きも読んでみたかったなあと思った。
Posted by ブクログ
誰でも心の中に闇を抱えていてそれを気づかれないように生きているのだろうなと思った。貴族と奴隷という役割を与えられただけで人の憎悪が掻き立てられるのは本当に怖いなと思った。ふと今のロシアとウクライナの戦争が思い浮かんだ。
Posted by ブクログ
短くて読みやすいけど、長くなっても良いから全部書いて欲しかった。個人的にはモヤモヤが残った。だけど、続きが気になる!でサクサク読めました。もし続編出たら買います。モヤモヤが残ったので星3で。
Posted by ブクログ
もう題名から怖さしか感じない。最初の30ページぐらいは平和でほのぼのとした内容なのに、後半へ進めば進むほど怖さが増していきました。本当に読む手が止まりませんでした。
Posted by ブクログ
目が見えない中学生の主人公は友達とともに連れ去られ、急に"貴族"と"奴隷"に別れたゲームを強制的にさせられる。
人権が無い世界で生きる貴族と奴隷。
ストーリーが進むに連れ、中学生の心、理性が失われていく。
目の見えない主人公を通した場面描写がリアリティで、より恐ろしさを増す。
この環境ではやっぱり皆こうなるのかな?
最後にはちゃんとトドメがあってため息が出る。
Posted by ブクログ
スタンフォード監獄実験を連想する様な話。
ある若者たちが突然、何者かに拉致され、
何者かによって、若者たちは無作為に貴族と奴隷のグループに分けられてしまう。
貴族役の人たちは屋敷に住むことができ、
食糧を十分に与えられ、かつ 奴隷役にたいし
何でも命令してもよいゲーム形式を何者かによって若者たちへ説明される。
ゲーム開始後、貴族役たちは、最初は
その様に振る舞えば良いと意識していたが
次第に振る舞いがエスカレートしていき、
人殺しまで発展する。
その光景を何者かは観察しており、
10日が経ったある日、役割を逆転させてみては
と若者たちに告げる。
Posted by ブクログ
目が見えない主人公の目線でストーリーが進んでいくため、ドキドキ感やスリル感が読者側にも、伝わりやすく面白いと思った。
「貴族」と「奴隷」の立場になった時、人はこうも変わるのか。と考えさせられる内容。
最後はいかにも山田悠介らしいです。
Posted by ブクログ
あとがきにもありましたが、「スタンフォード監獄実験」に似た話です。貴族役が横柄にふるまい、奴隷役を虐げる描写は読むのがつらい部分がありました。主人公の伸也は、目が見えないけど絵を描くのが好きで、盲目ながら絵を描く場面はリアリティがあって切なくなりました。