外山滋比古のレビュー一覧
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本著は目に見えない「空気」という感覚での教育の重要性を説く良書である。空気を読む、空気の流れを読む等、私たちは多くの空気という目に見えない概念と存在を交差して見て感じ行動している。本著の言うとこの空気とは、品位や文化と説く。一見、同調圧力を含む内容かと思うが、読み深めてみるとその実は、集団の意思ではなく、個の意思や人間性を丁寧に育てて一人前の人間に育て上げるという答えに至る。
さて、本著の指す「空気の教育」とは誰がするものなのか。それは、親であり、育ての親であり、教育者であり、環境や風土、その地域に根付く文化が大きく影響すると説く。その通りである。日本内でも世界でも地理的な影響を受けることは証 -
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日本語という言語には創造性を刺激する役割があると教えてくれる良書である。本著は日本語の書き方を指南する本ではなく、日本語本来の想像力と感性と冗語性(細かく言わなくても通じる)の本質を教えてくれる本である。
住む場所による影響も大きいだろう。方言、風土、環境、コミュニティ、季節による影響、天候環境など、様々な要素が今日に至るまで日本語を豊かにしているだろう。合わせて、本著で述べている通りに「以心伝心」など言葉の力だけじゃない、仕草や所作、行動から得られる言語表現もあるということを知ることができる。
どうしたら、日本語を上手く表現できるのか。本著では文学的感性だけの学習ではなく、論理的思考を日本語 -
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本の感想を言うのは勇気がいる。見当違いな感想になっていないか? そもそも私はちゃんと読めているのだろうか?
正解さがし。
著者は、「正解」がわかる読みは、知っていることを再確認するだけのアルファー読みだという。 ”未知”を読むベーター読みを勧めている。わからない本は、読むのに時間がかかる。しかし、”未知”を含む本には、読み手の数だけ解釈がうまれる。必然、読者は創造的になる。
感想に正解なんてない、人と違うからいいんだ。頭ではわかっていたこと、本書を読んでストンと落ちた。
そういえば、、、尊敬する編集者さんが、あるトークイベントで言っていたことを思い出す。
ある本が「読みやすかった」と -
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今読んでいる、イシューから始めよと共通する概念があったと感じた。
・二次情報だけでなく、一次情報に触れよ
本の読み方に三つの種類が有ると記載されていた。
①既知の知識の再認識
②未知の知識の習得
③あたらしい世界に飛び込む
最近は、①に重視している気がする。②にも手を出してみたい。
③はピンと来なかったから、もう一度読みたい。
③ は、漢文の素読をさしていた。手探りに読み進めるもの、のことのようだ。確かに、学校で漢文に触れた際には(?)となった。これは数学で初めて二次関数に触れた時もそうかも。最近はこう言う経験をしていないなあ、と感じた。
今からだったら何がやれるか?
未知なもの
①料理 -
Posted by ブクログ
本著では、多くの知識を溜めて満足するよりも、多様な経験を重ね、頭の中に余裕を持たせて想像と創造性を発揮することが望ましいと示唆されている。
思考の指南書として良書である。
現代において、誰もがAIで知りたい情報を手軽に得られる時代に突入し、その成長は驚異的な速度で加速している。個人が膨大な知識や情報を得る環境でいられることは一つの恵まれた状態であるが、同時に不幸だとも言える。
知識はあくまで限定的な情報の塊に過ぎず、必ずしも正しいとも正解とも言えない。ならば、どうすか、人類史という歴史から現代と同様な悩みや困難から古典という情報(書籍が望ましい)から得て、自分の頭で考え、行動して体験という形で -
Posted by ブクログ
本が手に入らなかった昔と違い、今は本が溢れている
→良い本ばかりであるわけがないから、悪書が増えているはず
→それを舐めるように読むのはリスク大、風のように読んでも、大事なことは自然と頭に残り、断片と断片がセレンディピティを起こす
→そうしてたくさん読んで得た知識は、溜め込みすぎると病む
→睡眠による忘却能力で朝は頭が整理されるから朝は良いアイデアが生まれる
→朝に散歩しながら考えると、さらに効果大
まあ雑にあらすじを書くと、こんな内容。
でもこの本は、内容よりも、文体を楽しむ本だと思う。
というのも、この人の文体そのものが、乱読に最適なのだ。
短く整理された文章が、テンポよく並ぶ。複文が少