外山滋比古のレビュー一覧
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「この本は客観的思考(アウトサイダー思考)と
主観的思考(インサイダー思考)の違いを述べながら、日本人に客観的思考の有用性について、理解してもらうためのエッセイ集である。」
読書指南本『本を読む本』を読んで以降、本はまずタイトル、目次からきちんと読む。なぜなら、著者が言いたいことは、そこに凝縮されているからだ。冒頭の言葉は、本書を開くと写真とともに最初に目に飛び込んでくる。それから16枚の写真とコトバ。『本を読む本』の翻訳者である著者が本書で言いたいことは、もう、ここに書き尽くされたと言ってもいいのだけれど、そのあとがまた、さすが!と思わせる一冊。字も大きく読み易い。『思考の整理学』未読の方にぜひ。 -
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今回取り上げる著者は、「思考の整理学」、「忘却の整理学」などの著書を出している。考えることについていろいろな側面から取り上げている。考えることがないと頭の中身がふやけてねじが緩んで取れてしまうからなあ。
触媒思考では、「知識と経験の化合が新しい価値を生む」として、経験を軽く見るのは良くないとしている。近代以前は経験を積むことが重要とされていたが、知識に重きを置いた社会になってしまった。著者は、知識と経験をつなぐ役割を思考力に求めている。
選択の判断力では、「人はなぜよく考えずに選択するのか?」として、選択力について取り上げている。選択と言えば、今月の前半に話題になっていたアメリカ大統領選挙が浮かんでくる。どちらの候補者も欠点がありどちらがよりましかとうレベルの選挙になってしまった。よく考えて選んだ人もいれば、事実とは違う情報がネットやメディアであふれていて、その情報に知らず知らずのうちにマインドコントロールされて投票した人もいるだろう。これから4年間でどういう結果になるか見えてくるかな。
ものを考えるという行為は、程度の差があっても何かしらあるものだ。今日のランチメニューから引っ越し、家や車を買うといったことまで。頭の中身と身体を鍛えて健康な状態にしておくのが一番だ。 -
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新書や実用書の読書の後、本書のような手練の文筆家の滋味豊かな文章を読むと、ホント心が和む。実用本は、データ・経験・事実の積み重ねで論理を展開し、確証に裏打ちされた筆致で断言していく。鼓舞され、前向きにはなるが、「まぁ、これは栄養があるから食べなさい!」と勧められ食べさされている感じがする。こういう食傷気味の時にもってこいの読書といえば、エンタメかエッセイの類い。
外山滋比古の随想の醍醐味は「思索の散歩」を愉しむことに尽きる。話の展開が時に跳躍、時に道草。でも蛇行はしない。“おもねり”や“説明”が一切なく、清々しい。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」と詠った室生犀星は、ふるさとというものを誤解した。観念の中にのみあるふるさとは誰だって訪れることはできない。行ってみれば幻滅があるのみであるのはわかりきっている。芭蕉にしても、想像と実在とを混同していたのであろう。名だたる歌枕の実地にふれたいと願って旅に出た。「奥の細道」は幻を追って、それにうっすら欺かれた作品である。歌枕は憶うべきで、訪れるべきでない。
<P5 青い山より>
という書き出しで始まり、著者は遠くからは青く見えた山もふもとに行ってみれば、雑然たる風景となるのが関の山だと。外国の古典が自国の現ら代文学よりも深く心ひかれるのは当然。遠くにありて思うことができる昔の山は、近くの山より青いのである、とまで言い切る小気味良さ。
読み終え「蝉脱(せんだつ)」という言葉を想起した。セミの抜け殻から転じて、「迷いから覚め、悟りの境地に達する」意味だけど、この迷いの無さ・闊達さにほれぼれとする。
著者は齢93のおじいちゃん。アタマはまだまだキレキレです。 -
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副題「発信型思考力を養う」とあって、まず「はじめに」が良いなと思う。
受けるのではなく、発する力。
いわゆる質問する力や創造する力を指している。
「他人の言うこと、考えといつも違っている、というのが望ましい。質問思考である。」
面白い視点は幾つもあって、縦書きと横書きの違いや、遠いからこその美、寺田寅彦の話などハッとさせられる。ううーむ。すごい。
冒頭の引用に繋がるのだが、外山氏は日本という土台に立ちながら外国の言葉や文化にちゃんと触れることが「他人といつも違っている」思考への糸口になるのだと言う。
異文化理解という言葉が多く見られる今の世の中にあって、目新しいことではないと思うかもしれない。
しかし、土台をどこに置くか、そこから何を見て、何を得るかを意識することは大変重要に思う。
単にコミュニケーションツールとして外国語習得を目指すのではなく、自身の思考力・発想力に繋げるために言語を習得?する。
こうしたことを実践してみると、どのようなものの見方に繋がるのか、知りたいと感じた。 -
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気になることば
23 忘却のはたらき
価値ある思考、借りものではない思考は、忘却の陰の力に負うところが大きい。
26 “遊び”の強調
All work and no play makes Jack a dull boy.
35 レム睡眠
Rapid Eye Movement
レム睡眠は、知識ゴミ、情報ゴミの分別をだれに教えられることなく、自力でやってのける。
55 連作障害
小中高一貫、あるいは中高一貫の教育の弊害
そこに身を置く子供たち次第ではあるが
78 田舎の学問より京の昼寝
忙しい人ほどヒマがある、本当に忙しい人はヒマを楽しむことができる。
94 毎日の計は朝にあり
毎朝、その日のうちにする仕事を書き出しなさい。書いたらそのうちでいちばん難しいことに第1位の順位をつける、以降2位3位と。そしてその順に従って仕事をしなさい
127 フールという賢者
現代がストレス社会になっている原因のひとつに、フール(道化:ストレス解消の手助けをしてくれる身近な者)がいなくなったことが考えられるのでは
152 経験は最高の教師である、しかし月謝が高い
楽しい経験より、苦しく、つらく、痛い経験のほうが人生価値が高い -
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ネタバレ習慣って大切だなぁと切実に思う。
きっちりしたルーティンを作って実践していくことで、生活は向上するし、張り合いも出る。
身体のためを思って、早起きや運動習慣を身に着けてきたけど、この本では知的生活の習慣を提案してくれている。
知識を溜めるだけでなく、モノを考える事で知識をしっかり使ってやること。日記や予定表をつくること。ちゃんと寝ること。散歩をすること…
一つ驚いたのは「忘れること」を知的習慣として提案している部分である。確かにそう、不要な事は忘れたらいいのだ。膨大な記憶は思考の柔軟さを損なうということ、なるほど知識を溜めこまないって部分にも通じるし、断捨離生活にも通じる。なんでも覚えてられるわけがないし、不要な事は忘れたらいいわけである。
もっと突き詰めていくと、必要ないことは覚えなくていい。不要な知識を最初から遮断する。こういうこと大事だなと思う。
習慣と言うのは人によって有効さが違うので、外山さんの提言について全て俺にあてはまるとは思わないけど(例えば外国語に親しみすぎるとアカンとか、寝床で思考するのが良いとか)、自分なりの知的生活習慣を身に着けようという提言については大いに賛成できた。
俺も今日から、どうでもいいこと、くだらんことはとっとと忘れるぞ、そもそも頭に入れないぞ! -
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『思考の整理学』を読んで、どうしても読みたくなった一冊である。
本を「読む」とはどういうことか、考える。
作者の意図を探り、本文に忠実に「読む」ことだけが正しい読みであるように思う時がある。
そこで、私のした解釈は、恐らく作者の意図ではないだろう。それは、空想であり、ただの嘘ではないかと感じていた。
しかし、筆者は読者によってもたらされる異本こそ、作品の価値を高め、普遍化させる仕組みなのだと述べている。
作品は、作者の手を離れた時点で、社会のものとなる。
古典と呼ばれる作品たちは、そうした社会的変化、価値観の摩擦の中で、魅力を失わなかった……いや、新たな魅力を見出されてきたものである。
その魅力を見出したのは、その時々の読者の手であり、それは作者自身も知らない後の時代のことなのである。
「作品の意味も読者は作者とは多少ともかならず違ったものとして読みとっているであろう。「正しい」意味は読者には伝わらない。とすれば、「正しい」意味とは作者の意図にとどまるものであって、いわば主観的存在である。ひとりの主観にとどまるものを正しいと判断することは、だれにもできない。もしできるとすれば、それは宗教である。」
解釈をすることに、必要以上の畏れを抱かなくても良いという安心と、それでも誤読の範囲を脱する整合性のある「読み」を心がけようという怖さがある。
古典だけでなく、海外文学、コピー、文学史などについても触れられている。 -
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知的な生活を送る為に、日々心がけたい、そして自然とやっておきたい習慣。
まずは頭に刺激を与えること。毎日日記をつけること。一方で、日記をつけても何かの役には立たないという。忘却するために書く。これが日記の意味であると。
次に、計画表。これも、自身を鼓舞するもの。何もない一日なんて、悲しいじゃないかと。
かなりご執心なのは、勉強会である。異業種交流界や、朝活的なものも流行ったが、やはりライバルやレベルの高い人との交流が財産だと感じるということだろう。この3つは、何かの形でやるべし。
2つ目のテーマは、からだをいたわること。横になったり、脚力を確りつけたり、カラダは資本であるという名言もある通り、なによりも大切に。意識しないとつい酷使してしまい、ガタが来る。どんなに忙しくとも、いたわる時間を確保すること。
最後は、心を豊かにすること。「生活を大事にする」良い言葉だなと思う。生活においては、勉強したり、仕事をしたり、食事をしたりする。こうした生活から、大切なことは生み出されている。勉強するのではなく、生活を楽しもう。このメッセージは、非常に有意義なものだ。つい、勉強することが目的になるけれど、実は生活をする、生活をより楽しくするために勉強するのだということを忘れがちなのである。