外山滋比古のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
知識と思考は同じものではない。むしろ知識を増やしすぎることで、自由な思考が妨げられることもある。
本書では「球面思考」「触媒思考」など、知識や経験を組み合わせて新しい価値を生み出すための思考法が紹介されている。
特に興味深かったのが「触媒思考」。知識と経験に創造的な思考を加えることで、新しい価値を生み出すという考え方だ。
一方、日本語の曖昧さなどについては、特徴の説明だけでなく「では実際にどう行動すればよいのか」まで示してほしかった。『異文化理解力』(エリンメイヤー著)のカルチャーマップのように、文化の特徴を整理し、具体的な行動指針まで示されていれば、さらに面白かったと思う。
そして今、この本の問題提起はChat AI時代だからこそ重要なのではないか。
AIによって知識を得ることは容易になった。しかし、知識と経験を組み合わせ、新しい価値を生み出すのは誰なのか。
「考える」という行為の価値を改めて考えさせられる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
セレンディピティとは思いがけない発見のこと。まずタイトルがいい。乱読ということに思い当たる節があり、この本を手に取った。
例えば書店へ行っても自分の得意なジャンルの書棚ばかり訪れてしまうし、サブスクリプションサービスでも自分が好きそうな本ばかりレコメンドされてしまう。そうしてエコーチェンバーが加速し、悪い意味で知識や経験が尖り先細りしてしまう。それは読書にも言えることだ。
今月は実際、まったくもって専門外の『スガモプリズン』という作品を読み、自分の中の新たな扉を開くことができた。 乱読の一環として読めば、感化されすぎることもないし、そうならないスピード感で読み切ってしまうよさもある。すべてを記憶・理解しようと気負うのではなく、こうして心に残った部分だけを意図して残しておくという一連の作業さえしてしまえれば、「読書体験」自体にこだわる必要はないのだなと脱力できる。読書なんて、ただの娯楽だもの。