外山滋比古のレビュー一覧
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気軽に読めたけど、面白い本でした。
人生は様々な角度から解釈することができる。
著者の逆転の発想はユニークで
いろんな見方が出来れば、人生は豊かになるかもしれない。
表題の「傷のあるリンゴ」は象徴的な話でした。
人間も完全無欠な人より
少し欠けたところのある人の方が人間らしさがあって好まれる。
でもその良さがわかるようになるには
本気で人間の価値を見ようとしなければ分からない。
そう考えたら、完璧で順風満帆なキャリアよりも
失敗を挟んだキャリアの方がどこか魅力がある気がします...
社会常識に縛られず
自分の頭で考えて生きることの大切さを忘れないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
先に96歳で亡くなられた著書の晩年の作品。これから定年を迎える世代にはとても共感できる内容で、逆に働き盛りな人から見ればがんばって働けば到達できる境地と、歳を重ねることに楽しみを覚えるかもしれない。
本の内容は、老後のお金のこと、老後の生き甲斐のことと大きく2つのテーマがある。
生き甲斐については、人に喜ばれるリスクを取らない仕事を自分の持つ趣味の中から身近な人達と論議しながら見出す事と説いており、自然と自分のこれまでの人生の棚卸しと、これからの可能性を検討しながら読み進められた。
お金のことについてはある意味最大の関心事であり、仕事とも密接に関係するが主に投資についての社会的貢献についても考えさせられた。自分も投資については失敗を重ねてきたが、自身が儲かった投資は社会にとっても有益なものであったと言えるのではないか、と考える。儲かるよう思考し挑むことはそういう意味で自分の価値を高めるものではないか、とも思う。
作者に劣らず長生きし、世の中の行く末を見続けて行きたいと思う。
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Posted by ブクログ
私がリーダーという立場になってから、決断と考えを提示する機会が増えた。瞬時に決断と考えをまとめることはとても難しく感じている。一方で、これらを円滑に行なっているリーダーがたくさんいる。どうしたら、説得力あり、かつ瞬時にこれらのことができるのでだろうか。
本書は思考に関する様々なことが書かれているが、思考力とはという核心たる文書は、さらっとしか出てこない。
「思考力とは、疑問を作り、論理的にそれに答えること」
余分な知識を入れるな、経験を大切にせよなどが章立てて書かれている。その中で時間の経過によって、意味が熟成されること、出発点での意味と対局な意味になっていくことが書かれている。まず、残るということは、色々な人が何度もあることについて同じ経験をしたり、考えたりしていることにほかならない。その流れの中で、ことわざのようになっていくということは、繰り返すということが重要であるということではなかろうか。
疑問や問題、課題を作成するヒントが、場面という具体例として書かれている。自分が置かれているリーダーという立場にも必ずや、私が抱えている課題に答える思考がありそうだ。 -
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名前は二番煎じだが、内容は新鮮。
彼の文体は、過去の作品を含め、慇懃無礼が特徴です。
丁寧に言葉を重ねながらも、旧態依然を否定する。
皆さんそう思いがちですね。ですが、実は良いこともありますよ。もしくは、悪い特徴もありますよ、という書きぶりです。
作中では、老いという言葉が、能力の減退や社会的無用性を必ずしも含みません。
多様なライフスタイルに気付ける時間が必要な経験。若いときには気づかない、二つ目の視点を自然と身につけられるステージだといえるでしょう。
老いへの失望感が、安堵感に移り変わるような、柔らかい気持ちになります。
今度の休みに、実家の両親へプレゼントしてみようか、なんて気持ちになりました。
※外山滋比古さん、この本執筆中91才。そのお年まで創作活動続ける姿勢に脱帽します。こんなおじいちゃんになりたい。 -
Posted by ブクログ
読もうと思った理由
著者の「思考の整理学」が最高に面白かったので続編のような感じがしたから
気づき
・日本の学術・研究は欧米の先進文化を追い、それに学
ぶことを眼目として独創についての関心がそれほど高
くなかった。模倣はうまい。すぐれた製品をつくるこ
とはできるが、基本の理論、技術をみずから創り出す
ことはあまり上手でない
・月光会が歴史的成果をいくつも残したのは、めいめい
が異なった世界にいながらお互いの意見を尊重する雅
量があったからだと思われる
・本を読むのは孤独な活動である。モノ言わぬ文字を勝
手に読み取り、頭に入れるのも、モノを倉庫に運びこ
むようなもの。知識はすべてひとのこしらえたもの、
集めたもので、当人のこしらえたものではない。学者
などといっても、倉庫番のようなもの。自分で考えた
こと、つくり出した、生み出したことはひとつもない
のが普通である
・ひとりではダメ、二人でもうまくいかないが、知的発
見は三人ならずっとうまく行くということを昔の人も
知っていた
・自分の頭の中にクラブをこしらえる。そのメンバーが
勝手なことをしゃべる。なにも差しさわりのない時間
は朝の目覚めの直後である
・良く学び、よく遊べは本を読んだら仲間と談笑、談
合、多くのことを忘れることであると解することが出
来る。覚えたら、忘れるといってもよいし、知識にし
ばられないで、新しい活動に向かえと言っているよう
でもある
なるほどということが多すぎて納得、納得です。頭の中のクラブというのは面白いです。 -
Posted by ブクログ
幼児教育は生まれた日から始まっており、幼稚園に入ってからでは遅すぎる。生まれた日から生活の中で起こる具体的な物事を聞かせる「母乳語」、そして頭の中で空想を行う手段としての言葉である「離乳語」が重要であると説明されている。
生きていく上で重要な知識は多岐にわたるが、共通して言えるのは、基本的にそれらは母国語で学ぶということであり、母国語を疎かにしてはなにも学ぶことはできない。また、母国語が拙いと感情表現も不器用になるので、人格形成にも影響を与える。
言葉について研究し尽くした筆者が語る、新たな教育論。多少時代錯誤するところはあるが、参考に出来るところも大いにある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少し前までは人生50年と言われ、還暦(60年)をクリアすると非常に喜ばしいこととされ、さらに70歳では「古稀稀なり」とそんなに長生きする人は稀だと言われていた。
ところが寿命が延びてくると、逆に老いた生活が長い為、健康に老いるということが必要な時代となってきた。
著者は、「頭脳が働かなくなると、体もおかしくなってくる」として、まずは頭脳の老化にストップをかけようということで、そういう世代をメインターゲットとして本書を書かれたようだ。
高齢化社会において、中高年は「生涯学習」と言われるように、最期まで自己学習をしていこうではないかと訴えられる。そのうえで、最新の情報が日々更新される「新聞」を最強のツールとして活用することで、コストもかけずに、知的自己開発を進めていけると提案される。この新聞を活用した生涯学習のことを「新聞大学」と呼ばれているのである。
もちろん、新聞の読み方の話なので、万人に役立つ話ではある。
それにしても、外山さんの本は、文章が精錬されているので、内容もさながら、文章を読むこと自体にも快感を覚える。
本書は、「見出し」とか「社説」とか「コラム」とか「書評」とか、新聞の各パーツについて取り上げられている他、「新聞は社会の木鐸である」とか、「新聞は複数読んだ方がよい」とか、その役割とか活用の方法とかについても述べられている。それぞれが28個のエッセイとなっている。
エッセイなので軽い感じですぐ読めるが、大切なエキスを絞り込んで美味しく仕上げた濃縮ジュースのようなイメージだ。
「新聞」を生涯学習のテキストとして採用するメリットをいくつか挙げられていた。
・まず、新鮮な情報の掲載されたテキストが毎日手元に届く。
・使い捨てなので、「切り貼り」など活用が自在
・文章のプロが書いている など
学習の姿勢としては、情報を鵜呑みにするな(→疑って読め、考えながら読め)ということで、ただの知識メタボにならないようにと警告している。
反面、知らないことが書かれたりする場合には、敬遠せずに挑むことで、新たな知識の習得や視野の拡大につながるとして、ベテラン記者や専門記者が書く「社説」や「経済面」での学習などを進めている。著者が、よく言われる「アルファ読み」から「ベータ読み」への移行である。
本選びに際して、署名付きの書評より署名なしの書評のほうが、出版社や著者とのしがらみのないよい書評であることが多いという話や、第一面の「サンヤツ広告」(そもそもあの一面の広告を「サンヤツ広告ということや、そこには必ず書籍の広告(8社分)が掲載されているということを初めて知った)を著者はしっかりと目を通されるということなどは、参考になった。
新聞や本などの上に表された文章は、記者や著者の発する言葉が「凍結」されたものであって、それを読む際に解凍してどのように味付けするかは読者だというような考えが示されていたが、この考え方は面白かった。新聞大学の学生として、どう味付けしていくかということだ。これは本の読者も同様だ。
学習の習慣化について、日記が習慣化すると、空白の頁の存在が気持ち悪くなるので、何かを書きたくなるというエピソードを通し、新聞大学の学習についても、それくらいの習慣化を目指そうよと提案されていた。何事にも通用する発想である。
とても面白く読めました。