外山滋比古のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◾️本書を一言で表現
・AI時代を人間が生き残るための思考の型をモノにする一冊
◾️サマリー
・AI時代に生き残る術が学べる
・"考えること"についてがギュッと詰まった一冊
・エッセイ基調な文体が読みやすい
◾️想定読書
・クリエイティブな仕事に従事する人
・これから社会に出る大学生、大学院生
・そもそも考えるとは何か?を知りたい人
◾️所感
昨今、AI真っ只中である。
何でもかんでも、AI、AI…、人間がコンピュータに取って代わられる日がやってきそうで、私は戦々恐々としてしまう。
そんな時代に生きる我々人間が生き抜いていくために、自分の頭で考えることの重要性が学べる一冊である。
43年も前に書かれた本とは思えないくらい中身は陳腐化しておらず、ロングセラーになる理由が分かる。
本書で大切なところは数多く、コレ!と決めることは甚だ難しいが、敢えて言うならば、グライダー人間ではなく飛行機人間になることである。
若かりし頃は、自分の頭で考えることが大層苦手であった。30代に入り考えを悔い改めた。
日々の業務をAI任せにしてしまうことがあり、考えることをコンピューターに委ねてしまっている。効率化を追い求めるが故の弊害である。
まずは、紙とペン、そして自分の頭でしっかりと考えることの重要性が再認識できた。
◾️1番刺さった内容(私の解釈含む)
・自分の頭で考える飛行機型人間になること
→AI時代を生き残るための心構え
・考えは寝かすこと
→思い詰めてもアイデアは生まれない
◇つぶやき
判断、意思決定、アイデア創出の機会が増えた
ため、上記2点が特に重要に感じる。
◾️課題と今後の構え
・考えが煮詰まったとき、性急に解を求める癖がある。
・とにかく寝かす。つまりはいったん一つのことばかりを考えることをやめる。
・机上で考えが袋小路に陥りそうになったら、まずは一晩寝かせるようになった。
・心を落ち着かせて、問題に取り組む姿勢を、今後は会議の場、日々の業務効率化、業務戦略の検討に取り入れる。
・特に、その後の行方を左右する重要な判断などは機を逸しない範囲で、時間を置いて考えをまとめたのち、上司への相談とする。
・プライベートならば、市場動向を見極めた投資判断に活用する。
◾️心に残った箇所(本書抜粋)
この本では、グライダー兼飛行機のような人間となるには、どういうことを心掛ければよいかを考えたい。
グライダー専業では安心していられないのは、コンピューターという飛び抜けて優秀なグライダー能力のもち主があらわれたからである。自分で翔べない人間はコンピューターに仕事をうばわれる。
"見つめるナベは煮えない”
ということわざがある。早く煮えないか、早く煮えないか、とたえずナベのフタをとっていては、いつまでたっても煮えない。あまり注意しすぎては、かえって、結果がよろしくない。しばらくは放っておく時間が必要だということを教えたものである。
考えるときも同じことが言えそうだ。あまり考えつめては、問題の方がひっこんでしまう。 -
Posted by ブクログ
以前読んだ「大人のための読書の全技術/齋藤 孝」という本で、著者の齋藤孝氏は、”本は知識で読むもの”と述べていたが、本書で解説されているアルファー読みとベーター読みは、そのことを物語る内容だった。
既知の分野を増やしていくことが今後の読書スピードの向上につながっていくわけだが、その一方で本書の著者・外山滋比古氏は警鐘を鳴らしてもいる。
近年は難解な文章や表現が遠ざけられ、読みやすい本が増えた。読書の裾野を広げるのは大事なことかもしれないが、その結果、私達は頭を使わなくなってきている。多少の苦痛は伴うかもしれないが、知的発展のためにはベーター読みは欠かせない。時にはアルファー読みを省き、難解な素読的読書でのトレーニングが必要かもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく短いのだけれど、心に響く内容だった。
『年をとるにつれて、あなたという自分は小さくなり、愛情が増えます。(中略)親になったら、それは自分が小さくなる過程の正念場です。』という言葉に納得。子育てって、なんでこんなにも自分の時間ややりたいことを犠牲にしないといけないんだろうって思うことがあるけど、そうだからこそ子どもとの結びつきは強くなり愛情が育つんだろうなあと実感。
『もっとやさしいひとになること』確かに、人間がみんなこのことを目指せば戦争や強盗や貧困や色々なことが解決できるように思う。年を重ねること、人を愛すること、大切な人を失うこと、子どもを育てること、私たちの人生はすべて『もっとやさしいひとになる』ためにあると考えたら素敵だ。 -
Posted by ブクログ
これまで「忘却」を敵視してきた。試験に合格するためには、できる限り頭に詰め込んで詰め込んで、吐き出す。試験の前に忘れるなど、言語道断である。
大学受験前、あれほど知識を詰め込んだのに、どれだけのことを覚えているだろう。
コンピュータの発達により、自分の力でおぼえている必要がないことは増えた。はずである。なのにどうしても、忘却への敵視というか、恐怖心というものがつきまとう。忘却=できない人間と見られないか。
そのために本を読み、教科書をよみ、単語帳を読み、詰め込みまくる生活である。最近、思考停止を感じることが増え、危機感と恐怖感に苛まれていた。もしかしたら私は『知的メタボリックシンドローム』なのかもしれない。
これまで頭に入れることしか考えず、吐き出すことを真剣に考えてこなかった。吐き出すとはそのまま答えを答案に書くことではない。自分にとって必要ない部分は忘れ、その上で自分の思考を深め、言葉を紡ぐ。知識を入れすぎても、適切な消化吸収排泄の作業がなくては、無駄な脂肪ばかり溜まって動けなくなる。忘却の力を借りることで、メタボリックシンドロームの解消を図りたい。
最近、本を読んで感想を書けるようになった。むしろ残したくなったし、それによって頭が整理される感覚が出ていた。この本を読んで、その作業自体を肯定されている感覚を得た。頭の回転が速い人、へずっと憧れを持っていたが、それは知識を詰め込んだ人ではなく、適切に忘却と思考を繰り返しているからこその為せる技なのかもしれない。本を読んで、忘れて、考える。忘れることを恐れず、思考することを避けないことで、知識だけに縛られない、新しい世界にたどり着けるのかもしれない。