外山滋比古のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【読む前】
本のより効率的な読み方が知れる?
【読んだあと】
既知を読むことを「アルファ読み」
未知を読むことを「ベータ読み」と名付けて、
ベータ読みの大切さと近年のベータ読み減少を憂いた作品でした。
質より量の読書が注目されている点には
「今年は〇〇冊読めた」と考えてしまう自分はぎくりとしました。
この本を読んで思い出したのが、とあるYouTubeであがった
「読書筋力」という考え方です。
読みやすいものは筋力が弱くても読める(理解できる)が
読みにくいものは筋力が強くないと読みにくい(理解しづらい、できない)という考え方です。
筋力を鍛えるには一気に高負荷を掛けるのも一つの道ですが
順々に負荷を上げるやり方もまた一つの道です。
個人的には最初から難しい本に挑戦した結果心折れ
「分かりにくい!駄作!」となってしまうよりは、
少しづつ負荷を上げていくやり方のほうが現実的にはいいと思います。
たまには少し難しそうな作品に挑戦する一きっかけとして
読んでよかった作品でした。 -
Posted by ブクログ
「思考の整理学」著者による日本語論。1973年の本の増補改訂版である。
日本語は外国語と比べて論理性に欠けると当時(今も?)指摘されることがあるが、これは異なる言語を欧米の論理のものさしで計っているからだ。日本語が非論理的なのではなく、外国語とは違う日本語ならではの論理があるというべきだ。…というのが本旨のよう。とはいえ、欧米(またはその言語)を見習うべきという主旨の主張も織り交ぜられている。
巻末に付け加えられた講演の内容が、本書の主張を要約していて分かりやすい。
英語のパラグラフリーディングが大事とはよく言われるが、当時からこのことは著者によって指摘されていたよう。日本語の古典に段落がないことは知っていたけど、近代まで日本語に段落がなかったというのは驚いた。そういうのを聞くと、言語によって論理が違うというのにも頷けてしまう。
外国語を訳すときに、単語を文の中に入れ替えるのと同じように、文を段落の中で入れ替えて訳すことも試みられるべきだ(なぜなら、段落の中の論理構造が言語間で異るから)という主張は面白かった。
英語をネイティブと同様に学ぶことが流行っているが、それでは外国語を外国語として学ぶことによる効用が失われる。という主張も。これについては今日には馴染まないかな…。第二外国語の学習が、この外国語を学ぶ効用に相当しそう。
メモ
日本語は英語などと比べて
・動詞構文
・人間中心で物が主語になりにくい(物と物の関係が論じられにくい)
・パラグラフを意識した文の理解がない
・聖書やハムレットに相当するような、みんなが暗誦できるほど知っている名文(書くときの土台になるもの)がない
当時の国際情勢なんかも感じられた。また、最近読んだ『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』にも通ずるところを感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2024/9/7 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2026/6/9〜6/11
1970年頃に書かれた日本語に関する著作をまとめたもの。書かれた時代ならでは、の内容もあったが、言語の本質的なところは変わっていないので、今でも十分読む価値がある。「日本語が論理的ではない」と言われることに対する反論や、パラグラフの概念が日本語にはなかった、という見方が面白かった。外山先生が書かれているように、西洋の言語の考え方をそのまま日本語に当てはめたから、論理的ではない、となった、という説明は納得できる部分もあるが、やっぱり日本語は情緒的な言葉でヨーロッパ系の言語よりは非論理的だと思うなぁ。 -
Posted by ブクログ
知的生活習慣
近頃やけに物忘れが激しい。若い頃は詰め込み型教育真っ只中だったので、歴史や古文漢文、理数系科目に関しても兎に角、ありったけの語句を頭に刻む為に、毎日キャンパスノート一冊分にボールペンで書き続ける様な生活を送った。英語科目や国語なんかは文章丸ごと覚えていたのを記憶する。今になってそうした若い頃の勉強方法(これを勉強というのかも甚だ疑問)を思い出す度、記憶力を鍛える事には繋がるが、自分の頭では何も考えていなかったのだと、貴重な時間を多く無駄にしたと後悔する。そう、あの頃は何でも覚えられた。水滸伝や三国志の登場人物、日本の戦国時代の武将の名前、競走馬の名前や系譜、海外のヘヴィメタルバンドのメンバーや使用機材(1000枚以上のCDアルバムは今でも棚から崩れ落ちんばかり積み重なっている)、書籍や作家の名前など、周囲と会話すれば、まず間違いなく自分の知っている領域へ話を持ち込む事が出来たし、それで得意満面、あたかも何でも知っている人の様に振る舞えた時代もあった。
最近はテレビで90年代の音楽が流れる度に、これって誰が歌っているんだっけ、サビ以外のメロディってこんなものだったけ、と確かに覚えていたはずの内容が、全く単語として出てこないばかりか、カラオケで何十回と歌ったはずの曲のメロディすらも、あたかも初めて聴いた曲の様に感じることがある。もっと酷いのは、毎日沢山の来訪者と仕事で顔を合わせるが、先週会った人、会議で何度も意見交換した人の名前すら、思い出すのに苦労して、一瞬言葉に詰まることさえある。自分の頭に自信がなくなってきたし、何か記憶力に対して対策しないと、このまま全てが失われていく様な恐怖を覚える。そんな事もあり、若い頃からさまざまな書籍でお世話になった外山滋比古氏の本書を手に取った。いや待てよ、この本だって過去に読み終わってるんじゃないか、など、読み始める前から不安でいっぱいなわけであるが、ページを捲れば、不安は徐々に解消していく。
歳を重ねること、生きている時間が長くなることは、それだけ外部からの刺激に晒される時間が長い。読書やインターネットなどから触れることのできる情報量、人と会って話す事で直接耳に入る情報も増えていく。だからそれら膨大な情報が全て頭に記録されると思う方が間違っているのである。脳の大きさも記憶できる量も、同じ人間同士なら大して変わらない。私の脳に古くからあった大量の記憶•記録も使う頻度の少ないものから、徐々に消去されなければ、新しい情報が記録できない(昨日会った仕事上の関係者の名前を忘れるのは、ある意味で相当失礼ではあるが…)。寝ている間の記憶の整理により、私の活動の中で然程重視していない事が、消去されているだけだ。例えば、これも良い事だとは思わないが、相手の名前を知らずとも、会議で自分の考えを伝え、相手の発言を聴いて議論はできる。考えと考えをぶつけ合って、より良い考えに纏めていくプロセスに人の名前は不要だ。そう考えると私が名前を覚えるのが昔から苦手で、先週会った人の名前を覚えていないのも合点がいく。それよりも日常的にケアしなければならない部下に対して、敢えて名前を何度も呼んで話しかけない方が私にとっては危機的だから、そっちは絶対に忘れられない。そうやって必要、優先度のより高い記憶に整理されていると考えれば良いだけだ。
最近はIT関連の英字3文字程度の略語も多く登場し、同じ3文字でも話の流れ上、どちらの意味を言っているのか会話の中では瞬間的に理解しなければならない。3文字を省略前の単語に戻して、かつ英語辞書で意味を調べるなどして、3文字を文章として覚えるようにしている。そうした必要な記憶さえ、必要なタイミングで出てくればよいのである。だからテレビから流れる懐かしいメロディを、歌えと強制されない限り、心地よい旋律として聴ければ何も問題はない。過去に読んだはずの本を改めて「初物」として読み直すのは、やや時間が勿体無い気がするが。
本書は外山滋比古氏が、頭の訓練や、それを支えるフィジカル、メンタルを健康的に維持するための事例集とでも言えば良いだろうか。同氏が過去にやってきた、今でも継続しているような、頭を鍛えて考える力を維持する為に続けている習慣を紹介している。それが同氏にとってなぜ良いと考えているか、その理由と合わせ、自分にもできそうな事ばかり並べられている。結局続かなかったが、若い頃は何年も日記をつけていて、日記帳が何冊も積み上がる喜びを得た事はあったし、頭を整理するのは朝もしくは午前中が、最も適した時間に感じられ、重要な会議は午前中に設定する。過去に記憶した知識は、大半は自分にとって「心地よい」趣味の世界の内容だから、楽しい事ならすぐに覚えられる。だから趣味を大切にする。
その様な誰もがすぐに手をつけられそうな行動や考え方を、暫く続けてみて必要に応じて習慣化するためのヒントが山盛りだ。頭が疲れたと感じる人、最近記憶力がどうもと言った人、未だ未だ会議で活発に議論したい人、商品開発や新規事業企画を考える人など、これからも生涯現役頭を維持したい人など、本書を手に取ってみては如何だろうか。 -
Posted by ブクログ
2024/06/01読破
一言 忘却すること。そして新しい知識を入れること。
感想 難しい言葉もありましたが、読者に読みやすいように配慮されていると感じました。非常に読みやすい6月の良いスタートを切れました。
下記は印象に残った点
p41
子供常に意味コンプレックスに苦しめられる読めても読めないことが極めて多い。それをおかしいとも思わない。文字を読むことができるが、意味がよくわからなくて読めない。
p137
エディターシップ
編集者は料理人と一緒である。第一次創造は創造を作ること、第二次創造は付加価値をつけること。
組織においては、第一次はプレイヤー第二次は監督
p213
忘却は寝ている間に行われる。よって、朝、活動すべし