外山滋比古のレビュー一覧
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本書は、4つのテーマからなるエッセイである。
文庫版のあとがきにある、次のことばが、本書を物語っています。
「ライフワークという仕事のあることをめぐって考えたのが第1章、ついで、ただ知識をふやせばいいという知的能力だけでは不十分、自ら考える必要を念頭に大人の学びを考える第2章、さらに、われわれは島国に生きているのだということを再確認するための文章を集めた第3章、そして、最後は文化の根幹としての教育とことばについて考えた章。」
きになっていることは以下の通りです。
・(ことばをねかす)ねかす期間は、多忙な仕事時間だと思う。見過ぎ世過ぎの仕事に追われて、しばし、酒造りのことを忘れるのは、むし -
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このところしばらく外山滋比古さんの本が好き。別に小説家になりたいわけでもなければ、日常的に文章を書く機会なんかこうやって読書感想文を書くくらいのもの。だけれどこの本を見つけたとき、外山さんのように凛とした文章を書く人が普段どんなことに気を配っているのか知りたいなあと思って手に取り、興味深く読んだ。
印象に残ったのは、本文中で外山さん自身も述べられている通り、ひとつひとつの文章の短さ。小説なんかを読んでいると稀に見かける、形容詞や接続詞が多用されるあまり「次の読点はまだか〜」と待ち遠しくなってしまうような長い文章は、ひとつもない。スピーチにしろ、原稿にしろ、長いものより短いものを用意する方が -
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言葉の選び方、使い方、本の読み方、ものの考え方、捉え方、生き方。さまざまなテーマについて、外山滋比古氏の過去の著作から抜粋した短文で読者を導く。
ベストセラー『こうやって、考える』の第二弾とは知らずに書店で購入。やっぱりこういうのは第一弾から順に読んでいくべきだったかしら。『思考の整理学』は学生時代に買って以来何度か読んでいるけれど正直あまり内容を覚えていない。雑念と煩悩まみれの日常にどっぷり埋没して生きているわたしには少し崇高すぎるのかもしれない。そんな中、この本は比較的カジュアルで良かった。むやみにあらゆることを「記録」して忘れずにいようとすることで逆に頭の中が窮屈になって新しい出会い -
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ネタバレ多くのエッセイを挙げて、凝り固まった思考をもみほぐしてくれる、マッサージ本。面白いなと思ったこと。
・線で表現するのではなく、点で表現して読者
に線を引かせる。
→人は完成されたものを与えられるよりも、体験として作り上げて行くほうが良い。また、この点で表現するという事は、自らの体験に根ざした方にも通って線として繋がるので、人によって線の繋げ方が様々。それが、多くの読者の共感を呼ぶ。
・正しいことではなく、面白いことの方が記憶に残る。→面白い仕事をしよう。
・日本語は豆腐みたいなもの。
外国語はレンガみたいなもので、外国語の方が、論理を組み立てやすい。逆に、日本語の方が仔細なところま -
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1.第一段の「こうやって、考える」とセットで読もうと思い、やっと購入しました。読みたい理由は一緒です。
2.思考を柔らかくするには楽しむことが重要。喜ぶではなく、楽しむ。これは、力が入ってしまうことで思考が急に狭まってしまうからです。そのためには、前著で述べた「余裕を作る」以外にも思いつくための術があります。本書では著者自身が述べてきた「柔らかくするための術」をまとめた箴言集です。
3.こうしなければならないという気持ちが勝手に自分を縛り付けているのだと思います。私達は長年の教育で「しなさい」という押し付けを学んできました。その一方で「したい」ということを学んでません。「したい」という思い -
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表紙より、
「考えかた」の超入門書。
とのことなのですが、だいぶ構えて読んだ。
そしたら、あらまぁ。読みやすいのね。1ページにつき一つの見出しで、簡単に内容が書かれてる。
いきなりの001で、こころを打たれました。
発想のおもしろさは、化合物のおもしろさ。
これなんですよ。
どこをどうしたって模倣な気がして、オリジナルってなんなんだろうって悩みはじめたらどうしようもなくて。
「元素をつくり出すことではない。」
なんと、勇気の出るお言葉。
他にも、執着をなくす、とか、笑いで頭を良くする、とか、仕事じゃなくても、日常においての大事な部分での考え方、言ってしまえば生き方においてこうしたらいい -
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外山滋比古氏の著書のエッセンスを凝縮させたお得な一冊。と思って購入したが・・・”ん?”読んでいると、なんだかバラバラしていて読みにくい。短くまとめてあるのだが、あくまでもそこには抜粋した言葉が書かれているだけ。これを読んだだけですべてを理解するのはちょっと虫が良すぎるのかも。すでに読んでいる本であれば「あ~、そんなこと書いてあったな~」と思い出すのに最適。まだ読んでいない本であれば、「これも読んでみよう」そう思わせてくれる。そんな感じの手引書と言った感じだろうか。
外山滋比古氏の本は愛読していたつもりだったが、まだまだ読んでいない本がたくさんあることにも気づけた。今後の自分の読書選びに役立てて -
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気軽に読めたけど、面白い本でした。
人生は様々な角度から解釈することができる。
著者の逆転の発想はユニークで
いろんな見方が出来れば、人生は豊かになるかもしれない。
表題の「傷のあるリンゴ」は象徴的な話でした。
人間も完全無欠な人より
少し欠けたところのある人の方が人間らしさがあって好まれる。
でもその良さがわかるようになるには
本気で人間の価値を見ようとしなければ分からない。
そう考えたら、完璧で順風満帆なキャリアよりも
失敗を挟んだキャリアの方がどこか魅力がある気がします...
社会常識に縛られず
自分の頭で考えて生きることの大切さを忘れないようにしたい。 -
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先に96歳で亡くなられた著書の晩年の作品。これから定年を迎える世代にはとても共感できる内容で、逆に働き盛りな人から見ればがんばって働けば到達できる境地と、歳を重ねることに楽しみを覚えるかもしれない。
本の内容は、老後のお金のこと、老後の生き甲斐のことと大きく2つのテーマがある。
生き甲斐については、人に喜ばれるリスクを取らない仕事を自分の持つ趣味の中から身近な人達と論議しながら見出す事と説いており、自然と自分のこれまでの人生の棚卸しと、これからの可能性を検討しながら読み進められた。
お金のことについてはある意味最大の関心事であり、仕事とも密接に関係するが主に投資についての社会的貢献についても考