外山滋比古のレビュー一覧
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私がリーダーという立場になってから、決断と考えを提示する機会が増えた。瞬時に決断と考えをまとめることはとても難しく感じている。一方で、これらを円滑に行なっているリーダーがたくさんいる。どうしたら、説得力あり、かつ瞬時にこれらのことができるのでだろうか。
本書は思考に関する様々なことが書かれているが、思考力とはという核心たる文書は、さらっとしか出てこない。
「思考力とは、疑問を作り、論理的にそれに答えること」
余分な知識を入れるな、経験を大切にせよなどが章立てて書かれている。その中で時間の経過によって、意味が熟成されること、出発点での意味と対局な意味になっていくことが書かれている。まず、残る -
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名前は二番煎じだが、内容は新鮮。
彼の文体は、過去の作品を含め、慇懃無礼が特徴です。
丁寧に言葉を重ねながらも、旧態依然を否定する。
皆さんそう思いがちですね。ですが、実は良いこともありますよ。もしくは、悪い特徴もありますよ、という書きぶりです。
作中では、老いという言葉が、能力の減退や社会的無用性を必ずしも含みません。
多様なライフスタイルに気付ける時間が必要な経験。若いときには気づかない、二つ目の視点を自然と身につけられるステージだといえるでしょう。
老いへの失望感が、安堵感に移り変わるような、柔らかい気持ちになります。
今度の休みに、実家の両親へプレゼントしてみようか、なんて気 -
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読もうと思った理由
著者の「思考の整理学」が最高に面白かったので続編のような感じがしたから
気づき
・日本の学術・研究は欧米の先進文化を追い、それに学
ぶことを眼目として独創についての関心がそれほど高
くなかった。模倣はうまい。すぐれた製品をつくるこ
とはできるが、基本の理論、技術をみずから創り出す
ことはあまり上手でない
・月光会が歴史的成果をいくつも残したのは、めいめい
が異なった世界にいながらお互いの意見を尊重する雅
量があったからだと思われる
・本を読むのは孤独な活動である。モノ言わぬ文字を勝
手に読み取り、頭に入れるのも、モノを倉庫に運びこ
むようなもの。知識はすべ -
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幼児教育は生まれた日から始まっており、幼稚園に入ってからでは遅すぎる。生まれた日から生活の中で起こる具体的な物事を聞かせる「母乳語」、そして頭の中で空想を行う手段としての言葉である「離乳語」が重要であると説明されている。
生きていく上で重要な知識は多岐にわたるが、共通して言えるのは、基本的にそれらは母国語で学ぶということであり、母国語を疎かにしてはなにも学ぶことはできない。また、母国語が拙いと感情表現も不器用になるので、人格形成にも影響を与える。
言葉について研究し尽くした筆者が語る、新たな教育論。多少時代錯誤するところはあるが、参考に出来るところも大いにある。 -
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ネタバレ少し前までは人生50年と言われ、還暦(60年)をクリアすると非常に喜ばしいこととされ、さらに70歳では「古稀稀なり」とそんなに長生きする人は稀だと言われていた。
ところが寿命が延びてくると、逆に老いた生活が長い為、健康に老いるということが必要な時代となってきた。
著者は、「頭脳が働かなくなると、体もおかしくなってくる」として、まずは頭脳の老化にストップをかけようということで、そういう世代をメインターゲットとして本書を書かれたようだ。
高齢化社会において、中高年は「生涯学習」と言われるように、最期まで自己学習をしていこうではないかと訴えられる。そのうえで、最新の情報が日々更新される「新聞」 -
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頭に残った部分
"真面目な人は正直だから、読めば読むほど優秀な人間になれるように勘違いする。実際、博学多識にはなることができる。それとは裏腹に、頭の中が空虚になるということを教えてくれるものがない。"
去年から職場が変わって、頑張らなければ!と思いもっとたくさん本を読むことにした。
オンラインの読書会にも参加することで本を読むモチベーションを上げてどんどん読んだ。
でも何か違う。
読み進めていくと、わかった気にはなる。
でも知識を用いてなりたい自分になっている実感がなかった。自分の芯の部分を支えるような知識は得られなかった。
その結果、この本の中にあるように、知