【感想・ネタバレ】乱読のセレンディピティのレビュー

あらすじ

一般に、乱読は速読である。それを粗雑な読みのように考えるのは偏見である。ゆっくり読んだのではとり逃すものを、風のように速く読むものが、案外、得るところが大きいということもあろう。乱読の効用である。本の数が少なく、貴重で手に入りにくかった時代に、精読が称揚されるのは自然で妥当である。しかし、いまは違う。本はあふれるように多いのに、読む時間が少ない。そういう状況においてこそ、乱読の価値を見出さなくてはならない。本が読まれなくなった、本ばなれがすすんでいるといわれる近年、乱読のよさに気づくこと自体が、セレンディピティであると言ってもよい。積極的な乱読は、従来の読書ではまれにしか見られなかったセレンディピティがかなり多くおこるのではないか。それが、この本の考えである。乱読によって思いがけないものを発見する能力〈セレンディピティ〉が起こることを教えてくれる。 「本は身ゼニを切って買うべし」「知識と思考」など、「知の巨人」が思考を養い人生が変わる読み方を伝授 !

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Posted by ブクログ

タイトルのとおり、乱読を勧める本。
セレンディピティ(思いがけないことを発見する能力)とあるように、本との偶然の出会いの数を増やすことで、知識ではない思考力を高めよう、という内容。
精読するよりある程度のスピードで風のようにテンポ良く読んだ方が理解が捗る、とか、散歩・朝活すると思考力が高まるなど、あらためて言語化されることで再認識できた。
この手の本は、読書という行為自体は非常に有益である、という前提で進むことが多いが、本書は読書自体にたいして否定的な意見も多く書かれていておもしろかった。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

いろんな本を乱読:めちゃくちゃに読んでいると、セレンディピティ:思いがけない発見があるという教えです。

気の向いた本を、手当たりしだいに読むのは、たのしいが、それだけでなく、おもしろい発見もある
知的刺激ということからすれば乱読にまさるものは少ないようである
妙に力を入れるのではなく、風のように読むのが面白い
乱読はおもしろい

気になったのは以下です。

・自分のことを振り返ってみても、人から本をもらうのは、ありがたさ五分、めいわく五分ということが多い
・人と交わるには遠くの人がいい
・本は買って読むべきである、もらった本はありがたくない
・自分の目で選んで、自分のカネで買ってきた本は、自分にとって、タダで借り出してきた本より、ずっと重い意味をもっている。
・あわただしく読んで、あわただしくまとめたような書評が正鵠を射るということはまずありえないだろう
・手当たり次第、本を買って、読む。読めないものは投げ出す。身ゼニを切って買ったものだ。どうしようと、自由である。
・本の少ない昔は考えにくいことだが、本があふれるいまの時代、もっともおもしろい読書法は乱読である

・わかりにくい翻訳書が読みやすい啓蒙書以上に人気があったのは、よくわからないからである。おもしろくないからである。翻訳者自身もはっきりわかっているかどうか疑わしい翻訳である。
・かくされているから好奇心をそそられる。白日のもとにさらしてみれば、目をすむけたくなる。危ないのがおもしろい。安全、健全なものは退屈に決まっている。
・義務感がいけない。押し付けられているのがいけない。
・おもしろい本とためになる本があれば、たいてい、おもしろい本が悪書、ためになる本は良書となる。

・日本語では音読できても意味の分からないことはいくらでもある
・悪文、難解文をそれとも知らずに読む社会にすぐれた読書文化ができるわけがない
・わからない本を何度も何度も読んでいれば、本当にわかるようになるのか。わかる、のではなく、わかったような気がするのである。とにかく、何度も読めるのは、どこかおもしろいからである。
・実際に何度も繰り返して読む本が5冊や7冊もあれば、りっぱである。
・本は読み捨てでかまわない。本を読んだら、忘れるにまかせる

・知識はすべて借りものである。頭のはたらきによる思考は自力による
・本を読んでものを知り、賢くなったように見えても、本当の人間力がそなわっていないことが多い。
・年を取る前に、知的無能になってしまうのは、独創力に欠けているためである。知識は化石みたいなもの。それに対して思考は生きている。
・書くことばよりも話すことばの方が、大きな意味をもっていることが納得される

・速く読むのは雑になりやすい。きめ細かいところは読み取ることができない
・外国語を読むのは難業である。読むとはいうが、速度がのろくて、読むというより解読といった方が当たる。
・やみくもに速いのはいけないが、熟読吟味はよろしい、のろのろしていては生きた意味をくみとることはおぼつかない。本は風のごとく読むのがよい。

・われわれは、だれしも、自分はものが読める、読書の能力がると思っているが、多くは思い込みで、本当に読める人はごく少ない。
・読む側があらかじめ知識をもっているときの読み方、これをアルファ読みと呼ぶことにする
・内容、意味は解らない文章の読み方で、これをベータ読みと呼ぶことにする。 すべての読みはこの2つのどちらかになる。
・乱読ができのは、ベータ読みのできる人である。アルファ読みだけでは乱読はできても、解読はできない。
・とにかく小さな分野の中にこもらないことだ。
・いろいろなジャンルの本を興味にまかせて読んでいく。ひとつの専門にたてこもっていると、専門バカになるおそれがあるけれど、乱読なら、そうはならない。
・それどころか、専門主義、些末主義が見落とししてきた大きな宝をとらえることが可能である。
・全部読み通す必要はない。
・失敗を恐れない―それが乱読に必要な覚悟である

・セレンディピティ:思いがけないことを発見する能力。思わぬ失敗が大発見につながった時に使われる。ケガの功名。
・乱読本は読むものに、化学的影響を与える。全体としてはおもしろくなくても、部分的に化学反応をおこして熱くなる、発見のチャンスがある
・昔からケガの功名というが、セレンディピティは失敗、間違いの功名である。
・寺田寅彦は、頭のよい科学者と頭のよくない科学者を、足の速い旅人とのろい旅人に擬してそれぞれの特質を明らかにしている
 頭のいい人は富士山のふもとまで来ると満足して帰ってしまうが、
 頭のよくない人はとにかく登る。登ってみないとわからないことを発見することができる。
 足の速い人はひたすら先へ進むことのみを考えて脇目もふらない
 足ののろい人はあとからゆっくりやってきて、俊足の見逃した花を見つける
・乱読のよいところは、速く読むことである。専門、あるいは知識を得るための読書は知らず知らずのうちに、遅読になりやすい

・読み飛ばしたって、心にひびくところは消えたりしない、ということがわかって、ノートをとりながらの読書はやめた。

・あてもなく、いろいろな本を読んだ。
・突如、編集は料理に似た加工であるというアイデアがひらめいた。そうだ、思わず声をあげた。料理人も編集に近いことをしているのではないかと思ったのである。

・文学史をいろいろ読んでいると、おかしいことに気づく
・どうして同時代のテクスト、稿本が残らなかったのか。
・すべての稿本が亡くなってしまったのは、火災などによるものではなく、もっと怖ろしい破壊力を持つ価値の革命があったと想像する方が合理的である。
・鎌倉期においてそういう革命がおこり、それまでのテクストをすべて葬り去った。その代わりに新しいバージョン、テクストが生まれ、それが現在まで生きてきた。そう考えることも、可能だる。
・30年くらいたつと、文化的状況が一変する。1世代、30年たつと、知的風土がほぼ完全に刷新される

・いくら知識がふえても、どんどんわすれていけば、過剰になる心配はない
・美しい回想は記憶と忘却のはたらきによるというのが新しい忘却の美学である。

目次

文庫版のためのまえがき
1 本はやらない
2 悪書が良書を駆逐する?
3 読書百遍神話
4 読むべし、読まれるべし
5 風のごとく
6 乱読の意義
7 セレンディピティ
8 『修辞的残像』まで
9 読者の存在
10 エディターシップ
11 母国語発見
12 古典の誕生
13 乱談の活力
14 忘却の美学
15 散歩開眼
16 朝の思想
あとがき

ISBN:9784594075583
出版社:扶桑社
判型:文庫
ページ数:232ページ
定価:580円(本体)
発行年月日:2016年10月
発売日:2016年10月10日初版第1刷
発売日:2018年11月30日初版第9刷

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2023年07月13日

Posted by ブクログ

外山さんの本は、思考の整理学に続いて2冊目です。
一番心に残ったのは「記憶力」と対をなす「忘却力」の話でした。

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2022年06月08日

Posted by ブクログ

知識メタボであり、考える力を養っていかなければならないと痛感しました。
偶然性を楽しみながら、一つ一つの出会いや体験を繋げられる思考力が、これからの時代で生きていく上でも求められていくのだろうとも思いました。

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2022年04月29日

Posted by ブクログ

外山先生が本書で指摘している通り、良き読書体験には良きテンポが欠かせない。それは今までにも薄々感じていたが、非連続な単語が適度なテンポと余韻により連続性をもつ事でコンテキストになる、と理解できた。
古典や翻訳にはテンポがいまいちな文章も多く、それが難解さを助長しているのだが、そんな場合は無理やりにでもこちらからテンポを与えて読み上げてみるのはどうだろうか?
軽薄なセンテンスリーディングや速読とは違う、新たな読書スタイルができるかも。
このアイデアもまたセレンビリティのたまもの

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2022年04月09日

Posted by ブクログ

この本は、私が好きなジャンルの読書論あるいは読書術といえるが、それを超えたものにも感じる。

読み方、考え方、生き方の円環をグルグル回っているような感覚になる。

また、章が短く区切られていて隙間時間に少しずつ読み進められるのであっという間に読み終わる。

読書意欲が湧いてくる本。

以前にも一度読んだ本で詳細は忘れていたが、今の自分の考えに非常に影響を及ぼしていると気付いた。

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2021年10月03日

Posted by ブクログ

著者の主張を全て鵜呑みにせず、自分なりに上手く咀嚼して身につけたい考え方である。否定的なことも書いてあるがマイナスに捉える必要はない。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

この人にとっての乱読の功罪について書かれてる。
読書が趣味の人にとって、なぜ読むのか、どう読むのかは他の人がどう捉えて言うつもりなのか、気になるところなので面白かった。
でも…セレンディピティって、わかりにくくない?ぴったりな日本語でこの言葉を表現してほしかったな。横文字じゃなくて。どうしてもアフリカのセレンゲティが頭に浮かぶんよ…。

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

本が新しいことを教えてくれると思って、本を読み漁っていた時に出会ったと本。

知的メタボリックという言葉には思い当たる節があり、とても気づきを与える本だった。

乱読いいかもしれない。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

『セレンディピティ(serendipity)』
思いがけないことを発見する能力。とくに科学分野で失敗が思わぬ大発見につながったときに使われる。


本書は以前読んだ『思考の整理学』の読書版と謳われており、外山滋比古氏自身が読書をすることで学んだ心得や気付きについて、全16章に渡って語られている。
謂わば、知の巨人による『読書の虎の巻』と言ったところか。

僕は外山滋比古氏の本好きなんですよね。
真理を紐解いて語っていくような、いつまでも聞いていたくなる格言めいたものが沢山ある。


『風のごとく、さわやかに読んでこそ、本はおもしろい意味をうち明ける。』

これからも身ゼニを切って、乱読していきたいと思います。





東大・京大で5年連続販売冊数第1位の大ベストセラー
『思考の整理学』の読書版 !

「一般に、乱読は速読である。それを粗雑な読みのように考えるのは偏見である。
ゆっくり読んだのではとり逃すものを、風のように速く読むものが、案外、得るところが大きい」という著者は、
乱読によって思いがけないものを発見する能力〈セレンディピティ〉が起こることを教えてくれる。
「本は身ゼニを切って買うべし」「知識と思考」など、「知の巨人」が思考を養い人生が変わる読み方を伝授 !

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

2024/06/01読破 

一言 忘却すること。そして新しい知識を入れること。

感想 難しい言葉もありましたが、読者に読みやすいように配慮されていると感じました。非常に読みやすい6月の良いスタートを切れました。

下記は印象に残った点
p41
子供常に意味コンプレックスに苦しめられる読めても読めないことが極めて多い。それをおかしいとも思わない。文字を読むことができるが、意味がよくわからなくて読めない。

p137
エディターシップ
編集者は料理人と一緒である。第一次創造は創造を作ること、第二次創造は付加価値をつけること。
組織においては、第一次はプレイヤー第二次は監督

p213
忘却は寝ている間に行われる。よって、朝、活動すべし

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2024年06月01日

Posted by ブクログ

乱読により思いがけないことを発見する事に改めて気づかされた。
乱読だけでなく誰かと話すこともそうだし、色んな物に触れることにアイディアが生まれるんだなと思った。
そして散歩はやはり重要。
知的メタボリックシンドロームという面白い言葉にも出会えました。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

乱読、言葉の印象が変わる
日本語はアイランド・ファーム
 言葉の論理が点的 文脈を読み解ける言外の背景までは読み手の素養の中にある。俳句が日本語の論理をもっともあらわれた様式。論理的では無い日本人というレッテルが霧消した。
乱読して、良く寝て忘れて、散歩して、ひらめきを得る。 励まされる本。

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

読書は、貪るように手当たり次第に風のように行うことで、セレンディピティが発揮される場合がある。(自己的まとめ)

ジャンルや趣向に囚われることなく、失敗を恐れず好奇心に導かれて放浪することで、出会えるなにか。これが二次的創造。それが読書の(人生の)醍醐味。
でも読んで知ったつもりになってふんぞり返るだけでは無能(読書メタボ型近視)で、それを生きる力に結びつけることが重要。さらにはインプットにとどまらず、作品の生命に影響を与えるアクティブな読者になることを目指すべし。これが本当のアウトプットか。

忘却の肯定にも勇気をもらったし、散歩と朝の効用も著者の実感から。

乱読はまさに僕がやってることだけど、それが僕の場合セレンディピティにつながってるかは自信がないけれど、乱読の背中を押してくれたことがすでに励み。
あとは僕がどう作品に影響を与えられるか、だ。

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2023年08月17日

Posted by ブクログ

時間をかけて精読するよりも、言葉のリズムに合わせて流れるように乱読する。
色々な本を乱読した結果、思いがけない気付きが生まれ、自身の血肉となっていく。


難しい本を読むとき、どうにか多くを学び取ろうと思ってゆっくりとメモを取りながら読んだものの、頭の中でぶつ切りになってしまってあまり定着していない、といった経験を思い出した。

本を読むハードルを少し下げてくれる、良い一冊だった。

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2023年07月18日

Posted by ブクログ

乱読がセレンピリテイを生むという話。
外山さんが日本語を再発見するのは、英語をよく読んだから、という話があって、いろんな物を読むことで、近いものを客観視できるのかな、と思った。

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2022年12月27日

Posted by ブクログ

乱読のセレンディピティという言葉に
触れることがあって、
手に取った本。

一つに絞らず。
多くを読み知る。

理解できずとも。
そこからはじめることにした。

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

人はどんなに理解したと思っていても、自分の解釈を加えてやっと理解している。というのに一番ハッとした。

良書悪書や分野、書籍の形式にとらわれずに乱読する。
知識のためだけではなく自分の価値判断で思考する。
そうすることでセレンディピティが生まれる。

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2022年12月06日

Posted by ブクログ

乱読によって、思いがけないことを発見することができるというのが、筆者の主張である。「読みの整理学」で、難解な文章を読むこと、繰り返し読むことが述べられていたので、読み始めの時は、多少違和感があったが、読み進めるにつれて、乱読もありかなと思うようになった。特に、本の読みすぎはよくない、知的メタボリックになるという主張は、常日頃感じていたことなので、納得して読むことができた。どんな本の読み方をするにしても、ただ読むのではなく、何を発見できるかというのはことが大切だと感じた。

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2021年08月15日

Posted by ブクログ

思考の整理学と重なることも多いが、一読の価値はある。読書に関して自分がいま考えていることと合致した内容。

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2021年05月15日

Posted by ブクログ

知識よりも大切なもの
読み書きよりも大切なもの

この2つを教えてもらった本。このくだりだけで、1冊の価値があります。

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2021年04月18日

Posted by ブクログ

散歩中にアイデアが浮かぶ理由が脳とつながっているからと分かった。
朝方人間になり、本を風のように読みたい。

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2021年04月13日

Posted by ブクログ

頭に残った部分

"真面目な人は正直だから、読めば読むほど優秀な人間になれるように勘違いする。実際、博学多識にはなることができる。それとは裏腹に、頭の中が空虚になるということを教えてくれるものがない。"



去年から職場が変わって、頑張らなければ!と思いもっとたくさん本を読むことにした。
オンラインの読書会にも参加することで本を読むモチベーションを上げてどんどん読んだ。

でも何か違う。
読み進めていくと、わかった気にはなる。
でも知識を用いてなりたい自分になっている実感がなかった。自分の芯の部分を支えるような知識は得られなかった。

その結果、この本の中にあるように、知識だけあって脳の中が空虚になっていたんだと気づいた。

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2021年03月02日

Posted by ブクログ

東大・京大で5年連続販売冊数第1位の大ベストセラー『思考の整理学』の読書版 !
「一般に、乱読は速読である。それを粗雑な読みのように考えるのは偏見である。
ゆっくり読んだのではとり逃すものを、風のように速く読むものが、案外、得るところが大きい」という著者は、
乱読によって思いがけないものを発見する能力〈セレンディピティ〉が起こることを教えてくれる。
「本は身ゼニを切って買うべし」「知識と思考」など、「知の巨人」が思考を養い人生が変わる読み方を伝授 !

<サマリ>
・セレンディピティ(serendipity)=「思いがけないことを発見する能力」
 特に科学分野で、失敗が思わぬ大発見につながったときに使われる用語。

・無理して全ページ読む必要はない。本を読むことが義務にならないよう合わないと思ったら読むのを止める。
 本選びに失敗することもあるが失敗を通して本を選ぶセンスが磨かれる。

・いろんなジャンルの本を読むべき。同じようなジャンルの本ばかり読んでいると知識が偏る。
 逆に専門外の本を読んだりしていると、思わぬところで専門分野に活かせるヒントが見つかることも多い。

・本を読んで知識を増やすことを目的にせず、何故本を読むかを考えながら、手に入れた知識を生きる力に結びつけること。

・アルファー読み、ベータ読みを両方できるようにすること。アルファー読みしかできないと視野が広がらない。ベータ読みの訓練には新聞・雑誌がおすすめ。
  アルファー読み:自分がある程度前提知識を持っている内容の事柄について読むこと
    ベータ読み:自分が全く前提知識のない内容の事柄について読むこと

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2021年05月02日

Posted by ブクログ

本が手に入らなかった昔と違い、今は本が溢れている
→良い本ばかりであるわけがないから、悪書が増えているはず
→それを舐めるように読むのはリスク大、風のように読んでも、大事なことは自然と頭に残り、断片と断片がセレンディピティを起こす
→そうしてたくさん読んで得た知識は、溜め込みすぎると病む
→睡眠による忘却能力で朝は頭が整理されるから朝は良いアイデアが生まれる
→朝に散歩しながら考えると、さらに効果大

まあ雑にあらすじを書くと、こんな内容。
でもこの本は、内容よりも、文体を楽しむ本だと思う。
というのも、この人の文体そのものが、乱読に最適なのだ。
短く整理された文章が、テンポよく並ぶ。複文が少なく、短文を畳み掛けて論理を構築していて小気味良い。
新書=論説の体裁ではあるが、エッセイのような感覚。

散歩しながらアイデアを思いつくのは僕も経験があるな。ある程度まとまった時間歩いていると、余計な思考が消えて、ふと「あ、今なんかよぎった、なに考えたっけ今?」となる瞬間がある。
精神科医の名越康文先生が、お寺に回廊があるのは庭を眺めるためじゃなくて、歩きながら考え、歩きながら出会った先達と話し教えを乞うためだと、昔「辺境ラジオ」で言っていたことを思い出した。

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2025年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

●乱読
たくさん読みたい本があるが、その時間もなかなかとれなく、どうしたものか、参考になるものはないかと、読書に関する本を探していたところに出会った本。
何でもかんでも一言一句最初から最後まで読み切ることが読書ではないと改めて認識。読書を真面目にたくさんしているとバカになるということが、とても腑に落ちた。自分の頭を使って、イメージを持ちながら考え、想像する。それがよい読書。いわゆる乱読でいいんだと、認識することができた


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2025年01月13日

Posted by ブクログ

座談会(それに合わせて散歩と雑談の効能)、古典の誕生(作者ではなく読者が作っていく)、朝の良さに関して参考になった。

乱読というテーマに一貫しているわけではないので話がとっ散らかっている印象は受ける。セレンディピティ(思わぬ発見)がメインテーマと考えると様々な場面で発見することはあるものだと思う。よく言われる、机上であれこれアイデアを考えても何にも出ない、少し気晴らしに外に出て歩いていたら解決の糸口が見えたみたいなこと。

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2024年07月17日

Posted by ブクログ

乱読というのが、様々な本を読み漁るという意味合いで考えてこの本を手に取ったが、思ったよか違う内容であった。

本の読むスピードから始まり、読み方、古典、日本語など、一つのトピックスから様々な視点を含め、自分の経験を基に読書というものについて書かれている。
思った内容とは違ったが面白い内容であった。

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2023年12月05日

Posted by ブクログ

めちゃ読みやすかった。遅読の僕が珍しく2日で読めた。

「セレンディピティ」という言葉を初めて知ったタイミングでたまたま本屋で見つけて、タイトルで気になって中身も読まずに買った本。正にセレンディピティ。『思考の整理学』で有名な著者の本だということすら知らずに買った。ちなみに『思考の〜』は未読。今度見つけたら買おう。

小説、言語学、地政学、数学、などなど好きなジャンルがごった煮で、気になった本を気になった時に読むしたまにパラレル読みもする人間なので、その読み方を肯定してもらえたようでよかった。
全ての主張に首肯できるわけではないけど、著者自身も書いてる通り是々非々で、良いと思った所だけ大事に読むようにした。
一文一文が明快で軽快で読みやすい。名文。色々勉強になったのでメモを取ろうと思ったが、この本には「メモを取りながら読むな」と書いてある。うーむ。

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2023年06月25日

Posted by ブクログ

専門外の本を読んで閃こうぜ、知識だけ突っ込むんじゃなくて自分の頭使って考えようぜ、って感じの内容。
「美しい回想は記憶と忘却の働きによるというのが新しい忘却の美学である。」という文を読み、初めてエモいという感覚を知った。

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2021年04月10日

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