ブームなので続けざまに外山本。『思考の整理学』と内容的に重なる部分もあり、また、『整理学』に比べるとテーマの古さを感じもするが、対象読者は学生を越えて大人向け、むしろ人生の後半生に差し掛かった年代の人々へと広がっている。「倒れる瞬間まで、自分の充実を目指して進んでいく」、そうして完成するのがライフワークであり、誰もがライフワークの花を咲かせることができるというメッセージは、高齢化社会における生きる指標として改めて新鮮に感じられる。言語が作り上げた「面食い」文化の話なども、充分現代に通じる内容で非常に興味深かった。