あらすじ
あなたに最適な知的創造のヒントがここにある。常に心構えを柔軟にしておくコツから忘却の効用、雑談のすすめ、メモをとる是非や本の読み方まで著者の実践法を紹介します。個性的な思考スタイルを身につけ、知的創造性を発揮するための実践トレーニングが満載の一冊。あきらめていたユニークな発想ができるようになる知的習慣術。
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Posted by ブクログ
"外山さんの本は3冊目になるかな。考えること、思考すること、その方法のヒントを集めたコラム。
この本でもふれているが、外山さんは、比喩がすばらしい。抜群という表現があっている気がするが、自分ごときが偉そうにこんなコメントをするのは気が引ける。
グライダー効果 とか、 酒造り と カクテル など、ぼんくらな私にも「なるほど~」と頭に入ってくる。
私は、比喩がうまくできる人になりたい。そうなるには、物事を俯瞰して把握していることと、その仕組みなりシステムなりを的確に言い換えるものを多くしっていないとできない。
人生経験を積み重ねる中で、身につけたいと思った。"
Posted by ブクログ
知識のインプットをするのが人間だけではなくなった今、人間にしかできない「考える」ことの重要さを著者は主張しています。
知識というと少しカタい感じがしますが、観たもの・聞いたものをどのように自分なりに消化するか。それが「考える」ことではないでしょうか。けれども、ものを「考える」ということは案外難しい。この書籍には、そのためのヒントが書かれています。
これから論文を書こうと思っている学生のみなさんにおすすめなのはもちろんのこと、社会人の方々も一読の価値はあり!
Posted by ブクログ
<目次>
序 卒啄の機
1忘却のさまざま
忘却恐怖・先立つ忘却・カタルシス・自由
2自力と他力
グライダー効果・思考の木・カクテル・酒造り・アナロジー・比喩的
3着想
「妙想はどこから生まれるか」・着想は奇襲する・種子を寝かせる・セレンディピティー
4比喩
大きな犬・綽名の創造性・創造的比喩・朝飯前
5すばらしきかな雑談
月光会の華麗なる談笑・雑談の効用・「手前」封じ・コモンセンス
6出家的
空気・執着と遊び・出家的状況・言葉の出家・日本語の泣き所
7あえて読みさす
中絶癖・影響・本と付き合う三つの態度・脱線のすすめ
8書くスタイル
ステージ=フライト・タイミング・原稿の設計・煉瓦と豆腐・書き方のスタイル・
スタイルの二重性格
9酒を造る
論文というもの・テーマ・素材=醗酵素=時間・新しい酒
10 メモ
ノート取り・頭の中のメモ・備忘録かアイディア=メモか・通しナンバー=システム
11 ノート
少なめに・精神の履歴書・ノート選び・メタ=メタ=ノート・見出しづけ・ふるい
12頭の中の料理法
料理の楽しさ・カクテル文化・ヴァリエーションの創造・補色の原理・エディターシップ・
知的料理人になる
あとがき
<レビュー>
・ものを考えるには、ときどき立ち止まって心の中をのぞき見るゆとりが必要である。
・眠りは肉体の疲れを休めるのはもちろんだが、頭の中の整理をする時間でもある。
・学校はグライダー訓練所である。そこで飛ぶことができるようになる、と見るのはあくまで外見の上だけにすぎない。
・アナロジー(比喩)は問題の新しい面を示してくれる利点があると同時に、対象の誤ったとらえ方をする危険をもはらんでいる。
・(比喩は)認識や創造に基本として見直さなければならないだろう。
・同類が近くにいることよりも、むしろ不都合なことの方が多い。
・知的な会話はなるべくなら、畑違いの人間が集まってする方が実り多いように思われる。
・頭に残っては困るものは掃除するのが睡眠の役目のひとつである。
・批判はしたがって否定的創造活動ということになる。新しいものを生み出すひとつの方法である。
・コオロギの鳴く声を日本人は言語を解するのと同じ左半球で受けとめて風情のあるものと感じる。欧米人は、右半球で聴いて雑音の一種として解する。
・社会が複雑になると、創造の様式も昇華される。ひとつには、無から有を生じるような一次的創造が容易でなくなってくる。一次的創造とならんで二次的創造が重視されるようになる。
・知識を身につけるのも、りっぱな知的活動であるが、それはいわば受け身、よそのものを借り、模倣することである。自分の頭でものごとを思考するのが知的創造である。
Posted by ブクログ
著者は、有名な「思考の整理学」を書いた書いた人で、その続編とも
いえる内容になっています。(思考の整理学については、読んだ事があるのですが
書評は改めて読みなおした後で行います。)
アイデアとは、酒と同じで熟成が必要だ。そして熟成は一晩寝る事で完成する事も
ある。また、他業種・他専攻の人達との雑談はアイデの厳選であり、アイデアとは
その一瞬にメモを取らないと彼方へ逃げてしまう。というような内容になっています。
また、本書の中で述べられている実践できる創造思考を鍛えるトレーニングは、
1.他業種との交流、同業種との交流:専門的内容から雑談まで
2.散歩は、「考える」場所として最適である。散歩しろ。
3.メモは必ず持ち歩いて、すぐにメモる!
4.読書は、おもしろければ途中で止めてもいい。残りは自分で思考する。
5.知識を得たら、まとめろ!
以上の5つです。この中で、実践していないのは、1,2,4ですね。個人的に。
1はしてみたいと思い、先週「院飲み」を企画して実行しましたが、なかなか
全体としては成果が上がらなかったです。(まぁ、飲んでいたし)個人的には、
研究方法を詳しく聞けたので、よかったですけどね。2に関しては、家が田舎なので
散歩には適していると思うのですが・・・・。なかなか。4に関しては、無理です(笑)
本書もそうですが、「思考の整理学」もかなり知的な刺激を受ける事間違いないので、
とてもお薦めです。
Posted by ブクログ
『思考の整理学』の外山先生が提示する、「整理」の先。
机上で決して思いつかなかったアイデアが、電車の中で、湯船の中で、ふと浮かんでくる。かといって、手を拱いていても独創的なアイデアは出てこない。そのあたりに鍵がありそうだ。
本書には、常に心構えを柔軟にしておくコツや、忘却の効用、散歩・睡眠・雑談のすすめ、メモを取る是非、本の読み方まで、今から実践できるトレーニング方法が平易な文章で収録されています。
酒を醸造するように、アイデアを寝かし、熟成を待つ。コスパ、タイパに忙しい現代人には耳が痛い話。
Posted by ブクログ
考える事を考えるという感じでしょうか。
読書で盛り上がってきたところで止めるという、中絶読書法という発想は無かった。
全体を通して読み易く理解しやすい。
流石です。
Posted by ブクログ
とっても良かった。Serendipityとか,着想は奇襲するとか。睡眠がとっても大事。ノートの使い方のコツも紹介されていてよかった。保存することも考えて,同じノートを使い続けるのが良いらしい。
Posted by ブクログ
学者のエッセイは結構好きで気分転換にたまに読んでいる。同著者の『思考の整理学』と基本的な方向性は似ていた。私事となるが、これまで院を修了した後の知的活動・生活について模索していた1年だった。明確な生活の方法は、そう簡単にはそうわからないということがわかりかけている程度が現状となっている。そうした中本書を読み、研究に携わってきたり研究指導をしている人であっても、試行錯誤の上、研究や知的な創造活動を行っていることがわかった。
Posted by ブクログ
読んだのは2回目?奥付を見ると2008年とあるので、26歳くらいの時に読んだらしい。思考の整理学を読んで、「すごい!」と思って、買ったと思う。
今年で90歳。でも、言っていることはとても新しい。
今、ビジネス書で盛んにテーマになっている、ライフハックとか、思考術とか、生活・仕事の中でクリエイティブを生み出す環境、生き方をデザインするという考え方を1970年代に書いていたところがすごいなーと思う。
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▼いいね!
本を〝中絶〟癖。
〝面白すぎそうな予感があって怖くなるのである〟
面白すぎて、胸が高鳴るような本に出会うと読むのをやめるらしい。
良くわかるー!
パンドラの箱を開けるような恐ろしさを感じて、読み進めるのが惜しい!と
思うことがある。
あと、時間に制限があったり、眠いとかいいコンディションでないときに、
あとで読むために読むのをやめるとか。
▼論文を書くのは酒づくりと同じ。
自分が思ったこと、感じたこと×着想、視点
そこに時間の経過が加わって、学びは深化される。
寝かせて時間を置くのが大事。
▼いいね!と思ったところを抜き書き
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「月光会」
場所を自宅で持ち回りにして、集まって話す場。
1770年代のイギリスで開かれていた。
畑違いの学術研究者の集まりで、各自の関心事を話して
学び合う場。
‘相手が畑違いのシロウトで、こちらの言っていることを批判する知識もなく、感心する側に回る方が好都合’
異なる分野の人同士であるからこそ、各自が異なる領域から自分の関心事とつながることを見出して、各自学びを深める。
寺子屋塾での対話、先日のサスプログラムでの対話を思い出す。
〝近代文化は物事を細分化させた。専門に区切ってその中で深化を図る。異質なものとの触れ合いに欠けて、一般への展望を失いがちである〟
○○カフェなどのフラットな場で、異質なものが出会う学びの場が盛んに展開されているけど、それを求める人々のニーズは200年以上前と今とで全く変わらないのだなー。
Posted by ブクログ
「未読の本を30分で読んで2分でプレゼンする」という刺激的な読書会の中で読みました。30分内で超高速で読んだので、かなり浅い読み方になってしまいましたが・・・本当の創造とはどういうことか、著者自身のやり方を説明しながら教えてくれます。「思考の整理学」とセットで読むと良いかも。
Posted by ブクログ
お酒を作ること
知的創造も同じことなんだって思えた!
自分が悩んでいたことが書いてあった!自分はカクテル作りしかできない人間やと思っていたので、励みにもなった!
新しく何か始めるときには、読んで立ち止まって頂けたらなって思います。
Posted by ブクログ
知的創造とは、アルコールにたとえればカクテルではなく醸造酒。他人の考えの単なる混合せではなく、素となる着想を寝かせ、発酵させて生み出すもの。そのような二次的ではない、一時的創造のヒントとなるエッセイ集。忘却や比喩、雑談に出家的状況、書くスタイルなどアイデアが生まれやすくし、それを形にするための土壌作りに著者や過去の科学者、文筆家達が様々な工夫を凝らしてきたことがわかる。「思考の整理学」と合わせて読み返したくなる本。
Posted by ブクログ
H20.12
「人間らしい人間であると、胸を張って生きていくためには、機械のできない‘考える‘ことをしなくてはウソである。‘考える‘ことを考える必要がある。」
なるほどなるほど。
Posted by ブクログ
考えるということを突き詰めた人。デジタル社会において文化の発展には着想がキモであり、これが難しい。カフェ、雑談、異分野との結合、現場の直観が重要、ここはアナログ。
Posted by ブクログ
発想法についての古典的な本です。著者自身の体験談を織り込みながら、アイディアを生み出すためのヒントを説いています。
ただし、具体的なテクニックにまで落とし込んで説明している本ではないという印象です。説明の抽象度が高くて、発想の本質に踏み込んでいるということもできるのかもしれませんが、すぐに役立つテクニックを求める向きには、やや迂遠に感じてしまうのではないかという気がします。
Posted by ブクログ
2018.9.13
おもしろい着想についての軽いエッセイのようなもの
それにしてもこの人の例えの教養の高さよ
拾い読みしながら読むくらいがいいかも
Posted by ブクログ
「思考の整理学」の著者と聞いて手に取った一冊。正直内容は「思考の整理学」と7割くらい同じような気がした。「思考の整理学」が世に出たのが1983年(ちくまセミナーにて刊行)に対して、本著は1977年に刊行されたものなので、名著の前身と考えれば納得といった印象。再読したと考えても、高尚な比喩表現(本著内でも比喩の重要性を語っている)や日常の中で偶然を待つ、考えは寝させる、優れた指導者の影響を受けすぎては良くない(大きな木の元には草も育たない)等の感覚は程よく抜けてて鋭いなあと改めて感じた。
外山滋比古作品もっと読んでみたい。
Posted by ブクログ
発送方法、メモの取り方など、様々な知的活動のヒントを分かりやすい比喩を通して説明している。
AI時代に人間にしか出来ない知的活動が求められる。
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外山滋比古による1977年発表(講談社現代新書)のエッセイ集。ちくま学芸文庫で2008年に復刊された。
外山氏の「思考法」に関する初期のアイデアのエッセンスが語られており、近年ベストセラー化した『思考の整理学』(1983年発刊。ちくま文庫で1986年文庫化)はじめ、その後の外山氏の著作のアイデアの基の多くが本書に綴られている。
「ものを考えようとすれば、ある特定の問題に心を寄せなくてはならないが、関心をもつとたちまち、・・・ものがあるべきように見えないで、あってほしいと思う形をとるようになる。・・・interestをもちながらdisinterestednessの状態をつくり出さなくてはならない。思考の逆説はそこにある」
「カクテルは他力本願である。知的創造は他人のものを失敬したり、加工したりして生まれるものではなく、自分の頭の中の化学反応によってのみ可能である。酒でないものから酒が造られなくてはならない」
「セレンディピティー・・・考えるには、あまり、勤勉でありすぎるのもよくない。ときどきなまけている必要があるらしい。その空白と見える時間の間に、ナマな思考が熟して発酵が準備されるのである」
「くよくよものを考える頭でおもしろいことなど考えられるわけがない。頭をよくしようと思ったら、つまらぬことはさっさと忘れることである」
「大きな木の下には草も育たない・・・圧倒されそうな影響をもっているものには不用意に近づかないことである。近づいてもながく付き合いすぎてはいけない」
「ひとのめがねでものを見てから自分の目で見ても、ものが正しく見えるはずがない。まず、自分で見る」等
メモの功罪、ノート作り、論文の作り方、本の読み方なども語られてはいるが、優れた着想を得るための心構えに関するフレーズが印象に残る。
Posted by ブクログ
「思考の整理学」が悪くなかったので,読んでみました。(悪くなかったって,エラソー)
内容はほとんど思考の整理学と被ってました(ガクッ)。
書かれたのは,こちらのほうが古いので,こちらを読んでから思考の整理学を読んだ方がよかったかもしれません。
内容も,思考の整理学の方が,よりすっきりと纏まっていて実用的です。
こちらの方が,エッセイ色が強いですね。
究極的には,思考の~を読むなら,こちらは読まなくてもいいかもしれません。笑
私は繰り返し読むのが苦手なので(相当な理由がない限り,繰り返し読まない。),2回読んだような効果があったかもしれません。
個人的には外山さんの「積ん読法」を推したいので,「思考の整理学」と「知的創造のヒント」の2冊を読み,頭に残ったものを実践したいと思います。
Posted by ブクログ
■シンク
①本を読み続けるコツは、谷のところで読みささないで、山のところ、あるいは、山へさしかかるところで、休止することである。
②頭にたまっていることをきれいにするには、やはり歩くこと。
③アメリカのテキスト「エクスプロレイションズ」
Posted by ブクログ
さほど新しさはないものの,古さも感じさせない.
講談社版の初版が1977年だという.『思考の整理学 (ちくま文庫)/〃』と内容が多く被っているが,生活寄りの内容という感じ.
私生活改善のための思考の指針としてよいと思う.
正直『思考の整理学』と被る内容が多くて,怠い読書になってしまったけど,散歩の際に思考の中で本書のいう生活の知恵を多少実践してみたことで,本書の価値が多少見えたように思う.
それに加えて,途中で読み止めなかった理由となった『本を読む本 (講談社学術文庫)/M.J.アドラ-,C.V.ド-レン』の一部実践は,まあ不可能ではないと結論が出た.
ひとつ気になったのは,著者の日本語や日本人に対する批判.的を外してるなあと感じた.この原因にのみ古さを感じた.原因が古さであるかはわからない.
「10章 メモ」からは実践的な話でおもしろかった.「手帳のメモ」,「研究ノート(メタ・ノート)」に対する「メタ・メタ・ノート」の実践話などは,人によってはなかなか聞けない話で興味深いものだろうと思う.
Posted by ブクログ
・忘却(自棄酒・散歩・睡眠)
・グライダー
・着想=寝かせる(時の試練)
・三上(睡眠・トイレ・移動中)
・朝飯前
・比喩
・書くスタイル
・異文化(?)交流
・メモ→メタ・ノート→メタ・メタ・ノート
こんな感じ?
前作の「思考の整理学」と似たようなことが書いてあった。
ことわざとかに学ぶことも多いなと実感する本。
メモの件は実践してみたいと思えてきた。
Posted by ブクログ
新しい発想を生むためのヒントについて、考えることについて著者独自の観点から掘り下げて論じられています。
すべての内容について、その根拠が論理的に提示されているため、非常に納得できます。単なる小手先のノウハウ本とは一線を画す内容です。
ただし、本の完成度/内容充実度は、同著者の「思考の整理学」には及ばない。