あらすじ
あなたに最適な知的創造のヒントがここにある。常に心構えを柔軟にしておくコツから忘却の効用、雑談のすすめ、メモをとる是非や本の読み方まで著者の実践法を紹介します。個性的な思考スタイルを身につけ、知的創造性を発揮するための実践トレーニングが満載の一冊。あきらめていたユニークな発想ができるようになる知的習慣術。
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Posted by ブクログ
<目次>
序 卒啄の機
1忘却のさまざま
忘却恐怖・先立つ忘却・カタルシス・自由
2自力と他力
グライダー効果・思考の木・カクテル・酒造り・アナロジー・比喩的
3着想
「妙想はどこから生まれるか」・着想は奇襲する・種子を寝かせる・セレンディピティー
4比喩
大きな犬・綽名の創造性・創造的比喩・朝飯前
5すばらしきかな雑談
月光会の華麗なる談笑・雑談の効用・「手前」封じ・コモンセンス
6出家的
空気・執着と遊び・出家的状況・言葉の出家・日本語の泣き所
7あえて読みさす
中絶癖・影響・本と付き合う三つの態度・脱線のすすめ
8書くスタイル
ステージ=フライト・タイミング・原稿の設計・煉瓦と豆腐・書き方のスタイル・
スタイルの二重性格
9酒を造る
論文というもの・テーマ・素材=醗酵素=時間・新しい酒
10 メモ
ノート取り・頭の中のメモ・備忘録かアイディア=メモか・通しナンバー=システム
11 ノート
少なめに・精神の履歴書・ノート選び・メタ=メタ=ノート・見出しづけ・ふるい
12頭の中の料理法
料理の楽しさ・カクテル文化・ヴァリエーションの創造・補色の原理・エディターシップ・
知的料理人になる
あとがき
<レビュー>
・ものを考えるには、ときどき立ち止まって心の中をのぞき見るゆとりが必要である。
・眠りは肉体の疲れを休めるのはもちろんだが、頭の中の整理をする時間でもある。
・学校はグライダー訓練所である。そこで飛ぶことができるようになる、と見るのはあくまで外見の上だけにすぎない。
・アナロジー(比喩)は問題の新しい面を示してくれる利点があると同時に、対象の誤ったとらえ方をする危険をもはらんでいる。
・(比喩は)認識や創造に基本として見直さなければならないだろう。
・同類が近くにいることよりも、むしろ不都合なことの方が多い。
・知的な会話はなるべくなら、畑違いの人間が集まってする方が実り多いように思われる。
・頭に残っては困るものは掃除するのが睡眠の役目のひとつである。
・批判はしたがって否定的創造活動ということになる。新しいものを生み出すひとつの方法である。
・コオロギの鳴く声を日本人は言語を解するのと同じ左半球で受けとめて風情のあるものと感じる。欧米人は、右半球で聴いて雑音の一種として解する。
・社会が複雑になると、創造の様式も昇華される。ひとつには、無から有を生じるような一次的創造が容易でなくなってくる。一次的創造とならんで二次的創造が重視されるようになる。
・知識を身につけるのも、りっぱな知的活動であるが、それはいわば受け身、よそのものを借り、模倣することである。自分の頭でものごとを思考するのが知的創造である。
Posted by ブクログ
『思考の整理学』の外山先生が提示する、「整理」の先。
机上で決して思いつかなかったアイデアが、電車の中で、湯船の中で、ふと浮かんでくる。かといって、手を拱いていても独創的なアイデアは出てこない。そのあたりに鍵がありそうだ。
本書には、常に心構えを柔軟にしておくコツや、忘却の効用、散歩・睡眠・雑談のすすめ、メモを取る是非、本の読み方まで、今から実践できるトレーニング方法が平易な文章で収録されています。
酒を醸造するように、アイデアを寝かし、熟成を待つ。コスパ、タイパに忙しい現代人には耳が痛い話。
Posted by ブクログ
「思考の整理学」が悪くなかったので,読んでみました。(悪くなかったって,エラソー)
内容はほとんど思考の整理学と被ってました(ガクッ)。
書かれたのは,こちらのほうが古いので,こちらを読んでから思考の整理学を読んだ方がよかったかもしれません。
内容も,思考の整理学の方が,よりすっきりと纏まっていて実用的です。
こちらの方が,エッセイ色が強いですね。
究極的には,思考の~を読むなら,こちらは読まなくてもいいかもしれません。笑
私は繰り返し読むのが苦手なので(相当な理由がない限り,繰り返し読まない。),2回読んだような効果があったかもしれません。
個人的には外山さんの「積ん読法」を推したいので,「思考の整理学」と「知的創造のヒント」の2冊を読み,頭に残ったものを実践したいと思います。