あらすじ
知識を捨てよ!思考せよ!
頭のいい人とは、博学で教養(知識)がある人というイメージがある。しかし、知識をたくさんもつことは、「本を読んで、頭に入れて、それを整理して、必要なときに出す」ことにすぎない。真の頭のよさとは、思考すなわち「それはなにか、なぜそうなのか、という疑問をもって、それを自分の力で解こうとすること」にある。人類にとって、いまは「知識の時代」から「思考の時代」への転換期なのだ。
「人間の本質は、ものを考えることにある。知識より一歩先の“思考”にこそ力がある」と著者は言う。
『思考の整理学』の著者による、無知を恐れず、知識に頼らず、自分の思考を育てるための本。
日本人は何でも知っているバカになっていないか?知識武装はもうやめて、考える力を育てよう!
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Posted by ブクログ
著者のミリオンセラーである「思考の整理学」という本を以前読んだことがあって、それがすごく刺激的だったのを覚えている。この本は、東大や京大の学生たちに人気のあった本だ。
で、この本も個人的には心にグサッときて、ちょっとやられてしまっている。
最初は、知識と思考は別ものという考えを展開していて(αブロガーのちきりんさんと似てる)、そこから日本人の陥っている現状の問題に触れながら、最後のほうでは自分のこれまでの生き方の話で終わる。
日本人の典型的な優等生は読むといいかもしれない。すごく逆説なことが書かれている。
知識は思考と違って答えが出てしまっている。
知識は暗記力があれば習得できる。
知識があれば答えを出すことがたやすい反面、自分で思考する力は必要ない。必要とするのは暗記力だけ。
日本が今、経済的に瀕しているのは、新しい知識(技術)がなくなっていることだ。今までの知識を使うだけであれば中国やインドで日本よりも低いコストで同じ仕事ができる。大切なことは自分の頭で思考すること、自分の頭で解決する方法。日本はオリジナリティがないが模倣が得意とよく言われてきた。その模倣する力も新しいオリジナルの知識(技術)がないと飽和状態(電化製品で言えば別に必要のない機能が増えている)になっている。
あと、本はあまり読まない方がいい。ということを強調されている。自分で考える力が衰えるからだ。とはいえもう手遅れ。本がないと生きていけない体質になってしまっている(笑)。我流というのは僕の今までの考え方からすると正統な感じがしなかったけれど(形から入るのが好きな為。方法論は関係なく要はやる気がでるならやり方は問わない)、たしかに自力でやりぬくパワーは培われそうだ。
たくさんいいことが書いてあるので長くなってしまった(笑)
“つまり、日本の中において「借りる」に限界がきたのである。このへんで自前の仕事がどこまでできるか、ということを真剣に考えなければいけないのに、依然として、どこかにいい技術があれば、それを導入する(借りる)ということばかり考えている。よそから借りないで自前でやるには、そうとうな苦労を要する。”
“スポーツのいいところは、決められたルールの中での勝負なので、負けても、次に頑張れば取り返しがつく点だ。負けるというマイナス経験をすることで、人間として強くなり、苦境を乗り越えたときの喜びを味わうこともできる。ミス、失敗、不幸、災難といったマイナスの経験を、なるべく早いうちにしておいたほうが、長い人生にとっては有益である。年をとってからの災難は、悲惨で、いい結果になることがすくない。”
“自分の力に見合うかどうかにかまわず、自分が希望するところに挑戦するのだ。落ちるかもしれない。落ちたら、また挑戦…をくりかえしていくうちに、失敗を恐れない度胸がついていく。負けることにもめげない精神力がつちかわれる。その後の人生で、さまざまなトラブルがおこったときにも、それによって平然と乗り越えていくことができるようになる。”
Posted by ブクログ
様々なビジネス書や育児書で書かれていた事が、筆者が経験されてきた事をベースに書かれており、成功する人や何かうまく人の生き方を除けた気がする。
・人と同じことはしない。
・多少のリスクは取りながら、物事に取り組む。
(株式、仕事でも人がやりたがらない事をやる。)
・子育ては、同じ子供がいる環境で育てる。
・知識だけにならず、スポーツなどを通して負ける事から学ぶ。
・お金に余裕をもつ。
(余裕がある事で自分がやりたくないことをやらずにすむ。選択する幅が広がる)
Posted by ブクログ
自分の頭で考える事の大切さを気づかせてくれる一冊。印象に残ったことは失敗や挫折はどんなにお金を払っても得られない財産だということ。経済的には安定しているが、何か不安を感じたり、自分の頭で物事を考える必要性を感じている人におすすめ。
Posted by ブクログ
私がリーダーという立場になってから、決断と考えを提示する機会が増えた。瞬時に決断と考えをまとめることはとても難しく感じている。一方で、これらを円滑に行なっているリーダーがたくさんいる。どうしたら、説得力あり、かつ瞬時にこれらのことができるのでだろうか。
本書は思考に関する様々なことが書かれているが、思考力とはという核心たる文書は、さらっとしか出てこない。
「思考力とは、疑問を作り、論理的にそれに答えること」
余分な知識を入れるな、経験を大切にせよなどが章立てて書かれている。その中で時間の経過によって、意味が熟成されること、出発点での意味と対局な意味になっていくことが書かれている。まず、残るということは、色々な人が何度もあることについて同じ経験をしたり、考えたりしていることにほかならない。その流れの中で、ことわざのようになっていくということは、繰り返すということが重要であるということではなかろうか。
疑問や問題、課題を作成するヒントが、場面という具体例として書かれている。自分が置かれているリーダーという立場にも必ずや、私が抱えている課題に答える思考がありそうだ。
Posted by ブクログ
アウトローって感じな一冊だった。本を読んでる読者に対し本を読むな、知識を蓄えるな、自分で考えろというなんとも面白い話だった。子供は幼い頃が才能がありのだからほっておくことがいいというのはなるほと思った。構いすぎてるよな、確かに。親の視点で、フィルターで見ても仕方ないということだね。うつ病を経験した今、マイナスだから強くなれるということや、睡眠や運動で頭を整理することの大切さは痛感しているところ。お酒やタバコ、ドラッグは論外だとしても、頭を思考ができる状態に容量を減らしてあげるというのは大事だと思う。でも、読書は続けたい
Posted by ブクログ
勉強すると、頭は悪くなる。知れば知るほどバカになる。
トンデモ本に載るような過激な表現だが、著者が言いたいのは「思考する」ことの重要性。自分で経験を蓄え、問題について迷い考えることこそが大事だ。ただ、知識をつめ込むのではなく、頭のなかを整理し、「忘れる」ことも思考の一部である。
と、考えることがいかに重要かをわかりやすく解説している。
余談だが、最終章の著者の自慢話みたいな自伝がなければ、著者のベストセラー「思考の整理学」並に評価されたかも・・・って、余計なお世話か。
Posted by ブクログ
言わずと知れた、思考の巨匠ともいえる、外山滋比古。
本書は、著者のライフワークともいえる思考力への思索を、
著者の人生と経験にもとづいて、述べられている。
この本で重要としているのは、経験にもとづいた思考力だと思う。
聞いただけの情報や、活字で見知った知識などの、
間接的に得た情報で物事を思考するのは難しい。
知識と経験と思考の再定義から、この本の内容は展開していく。
自分で直接経験していない、間接的な情報を
知識として得続けても、ただの知的メタボになるだけだという。
いわゆる「知識バカ」になってはいけない。
机にかじりつくことだけが勉強ではない。
外へ出て、自らの生活体験を重ねることで、
自らの経験と知識を培っていける、という。
思考するために、思考するのを止める、というのは
逆説的に見えるが、決して間違ってはいないと思う。
知識や情報を、より価値ある知恵や英知にしたいなら、
いわゆる戦略や戦術として煮詰めていきたいなら、
自分の目で観て、耳で聞いて、肌で感じた、感覚と経験が
必要になるはずだと思った。
思考のために、思考を止めたり捨てたりして、
外を散歩したり運動したりするのを勧める内容もある。
さらには、頭でっかちな人にはならないべく、
子供の頃からの育児法にまで話が及んでいる。
タイトルが思考力というわりに、生活様式や子育てにまで
話が及んでいる。話が脱線しているようにも感じる。
これこそまさに、思考のための思考を止めていると思う。
新しい思考や別の次元からの思考を試みるには、この脱線が重要に感じる。
外山滋比古の本に親しんでいる人なら、この脱線をも
楽しめると思う。脱線の話も、純粋に楽しめるような内容だと思う。
さらに、最終章は著者のエッセイで構成されている。
思考力からの脱線ここに極まれり、と感じたが、最後まで読み進めると、
外山滋比古の思考力や、それを求める軌跡が分かる。
そして、その思考力や軌跡とは、人生経験を通じて培い、
生きるとともに得たものだということが分かった。
人生にて、あらゆるものに反骨精神を見せた著者は、
ただの反骨や反抗に終わったとは思えない。
そこに自分なりの、思考や工夫を加えたのではないだろうか。
反骨精神は、価値や成果を生み出す原動力であり、
そこに思考と工夫に満ちた行動があったはずだ。
そして、思考と工夫に満ちた行動というのは
本や誰かに教わったことだけではなく、
自身の人生経験にもとづくものなのだろう。
考えるということの幅を広げてくれた本でした。
Posted by ブクログ
『思考力』というタイトルだが、どちらかというと外山先生の回顧録のような読み物だと感じた。
とくに学歴社会への批判、大学勤務時代の「人がやりたがらないことをやる」話が印象に残った。
Posted by ブクログ
自分の体験を通して勝ち取る物が大事
子供の教育などを例にしてそれを裏付けているのがよかった
ただ後半の自分語りはいらない
こういった教養や生き方についての本にはどう考えても不要
結構あるあるなのは何故なのか
著者の自己顕示欲なのか編集の都合なのか知らないが読んでて苦痛だった
せめてどこまで飛ばせば良いか書いておいて欲しい
Posted by ブクログ
よけいな知識がないために生じる無知は歓迎すべきであり、忘却をうまく活用する
自分の力に見合うかどうかにかまわず、自分が希望するところに挑戦し、落ちたらまた挑戦するを繰り返していくことで失敗を恐れない度胸がついていく
Posted by ブクログ
うーーーーん、大切な事をたくさん言っているのだけど、自分には響かない。
・知識だけ手に入れてもダメ、それを使って考えるようにしないと。
・知識は思考の妨げになってしまうから、そもそも必要以上の知識は持たない方が良い
・家で勉強ばかりするのではなく、運動をしてその後に集中して仕事をする方が良い
・かわいい子には旅をさせよ、箱入りで育てるからプレッシャーに弱くなってしまう
みんな良い考え方だとは思うし同意することばかりなんですが、結局は今の教育方針を批判し、違うアプローチで学び、思考する能力を作ることを推奨しているように感じる。
まぁね、言ってる事は分かるけども、という印象。
目の前に見えるものを疑い、自分が持つ真理を貫け、っていう考え方、確かにそうだけど、
結局なー、なんかイマイチ浸透してこないんだよなぁ。
なんでだろ。
数年後にこれらが英知としてにじみ出て来ることを切に願いつつ、レビュー終わり。
Posted by ブクログ
『思考の整理学』の著者による本書ということで、思考力を身につける参考になるのではと読み始めた。
前半は主体的・創造的な思考の知識と方法のコラムという感じだったが、後半に入ると主張のためにこじつけているような主張に首をひねるところもあり、著者の反骨の生き方の自叙伝のように感じられた。
13-159
Posted by ブクログ
「忘却の整理学」や「思考の整理学」の著者である外山滋比古の著書。前述の本に比べるとご本人の人生の中で、思考するためにはどうしてきたかというような筋になっていて、すらすら読めるが後に残らない。
Posted by ブクログ
知識過多の時代、思考力がものをいう。
著者の生き方がなんともユニークでそこに惹かれた。
みんなのやりたがることはやらない。
常にみんなと反対のことをする。
そんな精神でいたからこそ、今活躍してるんだろうなと
思い至った。
この人の本をもっと読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
分類では心理や哲学の方になるのでしょうが、内容は普通のエッセイかと。
外山先生の著作はかねてから気になっていて初めててに取ったのがこちら。だったのですが…タイトルから期待しすぎたのか「あら?」っと肩透かし感が。特に最後の章は越し方を振り返る話なのですが「ご自慢話ですか?」って。いや、そのものだと思いましたが(笑)。
何だろう、ちょっと読みにくかったですね。
文章がまとまりなく「つれづれ」といった書き方。
言ってることは正しい、かも知れませんが考え方ではなくて
認識に関してはちょっと古いというか、ずれてるんでは思われるところも多々。
他の著作も読んでみないとわかりませんが本書に関して言えば
「昔その世界ではちょっと鳴らした知識人が、お年を召してからぼやいている話」をまとめたというようなテイストと。
ちょっとがっかりしたなぁ。他の本も読んでみたほうがいいのかなぁ。