森達也のレビュー一覧

  • A3 下

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    オウム真理教事件の後に社会が変質した(あるいは、その速度を増した)ことについては銘記しておくべきで、その一助になる一冊。今の日本社会が「こうであること」は当然のことではないので。

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    2019年06月05日
  • はじめての政治哲学

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    偉い本よね。ツイッタで政治論議する民は1冊もっておいてほしい。「1冊でわかる」シリーズの文庫化だけど、訳文替えたり文献リスト更新したりいろいろしてるそうだ。

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    2021年01月05日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    ネタバレ

    ー彼らが今もオウムに留まり続ける理由、そのメカニズムは、オウムの内ではなく、オウムの外、すなわち僕らの社会の中にある。

    ー真実は一つしかないと、いつから僕たちは思い込むようになったのだろう。

    オウム事件関係の死刑執行があってから、村上春樹のアンダーグラウンドを読んで、被害者の言い分は理解できるけど、加害者の言い分になんかしっくりこないところがあった。そこで止まってた時間を動かしてくれた出会いには本当に感謝。オウム側にはオウム側の考えがあって、そこからみたら、私の考えの方が理解しがたいのかも。

    森達也に共感できるのは、ただ、純粋に、自分が納得できるような真実が欲しいということ。マスコミが捏

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    2019年02月22日
  • A3 上

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    ネタバレ

    公平な裁判をしてくれていると国民が信じている裁判所。案外、世間の意見に迎合しやすい機関なのだと本書で知った。もちろん麻原元死刑囚が行ったことは極刑に値するものだけど、公平な精神鑑定の元に裁判が行われていないというのは知らなかった。下巻も楽しみ

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    2019年02月02日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    筆者は「売国奴」や「非国民」などと嘲笑され、誹謗中傷されることが多いといいます。
    たしかに、そういった批判は浴びるだろうという主張ではありますが、筆者の主張に共感できる部分がとても多く、刺激的な1冊でした。

    筆者の主張の根幹にあるものは、「暴力に暴力で対抗してはいけない」「いたずらに危機意識を煽るメディア(また、事件報道をはじめ危機感を要求する視聴者)を無批判に受容してはいけない」といったことだと思います。
    近年の日本社会に溢れる「治安が悪化している」という雰囲気は、事件報道を見たがる視聴者と、それに応えたマスコミの相互作用で醸成されてきたという筆者の指摘は正しいように思いますし、具体的なデ

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    2019年01月15日
  • A3 下

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    テレビや新聞では分からない、疑問に思っていたことに答えてくれた本。教祖と弟子がお互いに忖度し合ったのではないかという話はありそうなことだと思った。そして、信じられないようなことが公然と行われていることに驚いた。

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    2018年09月09日
  • ニュースの深き欲望

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    情報とはなにか、メディアの性質、日本の現状を考えさせられた。わたしは、二元化していく社会に反抗する。

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    2018年04月21日
  • いのちの食べかた

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    キレイに加工・包装された食べものに囲まれて、なんの気なしにいただきますと言って口に運ぶ。でもやっぱり、それじゃいけないと思わせてくれました。
    いのちは巡るもの。何かをたべないと生きていけない私たちにとって、避けられない葛藤が描かれています。
    読んだ後はきっと、スーパーで売られる食べものを、いや、世界を見る目ががらりと変わるはず。

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    2017年11月03日
  • 神さまってなに?

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    題名がまさに今の私の考察中の命題。地元の本屋のセレクトショップで見つけた。宗教の知識を広く得ることが出来た。すごく読み易い。神は人に通常の何倍もの力を与える。信仰深い人々は平和や幸福や感動を創る一方で神の名のもとに残虐に殺し合う。意味が分からない。人の欲を満たす道具にされている?神様との距離感を考えるの大事かも。日本は世界でも珍しく宗教色の薄い。だからこそ世界に訴えられる事があるのではないか?「薄くなった」のには理由がある。そこにヒントが…?もっと知識が要る!もっと知らなければ…。

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    2017年09月30日
  • いのちの食べかた

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    とてもわかりやすい文章でしたよ。

    最初は肉や食べ物の話が中心で、表紙のイラスト通りの内容かと思いきや、日本の歴史が充分に盛り込まれた1冊になっていました。

    話が二転三転して落ち着くところに落ち着く様になっています。

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    2017年06月29日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    著者はドキュメンタリー映画監督の森達也氏。彼の映画は、オウム事件など社会問題を中心にした作品が多いようだ。
    個々の信条と違うものもあるかもしれないが、彼が本書で伝えるメッセージは強烈であり、筋が通っている。自分の意見をメディアで発表することは、反対の立場の人からの猛烈なバッシングが予想され、とても勇気がいることだと思う。家族にも迷惑がかかるかもしれない。森氏は、社会や日本、そして世界の行方を憂う正義感から、それをあえて声高に訴えている。
    例えば、森氏は死刑制度の有効性に疑問を抱いている。死刑だけでなく、終身刑や無期懲役もない国ノルウェーについて書かれた章がとても印象的だった。77人を射殺した犯

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    2017年03月29日
  • 神さまってなに?

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    本書は宗教の本質をかなりわかりやすく説明していると思う。「自分がいずれ死ぬことを知っているのは人間だけであり。そのために宗教が生まれた」という森の説明は説得力がある。つまり、宗教を生み出したのは「意識」であり、神さまは意識のなかに存在する、ということなのだろうか。またまた量子力学の世界に近づいている。

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    2017年02月21日
  • 悪役レスラーは笑う

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    ドキュメンタリー作家森達也氏の「悪役レスラーは笑う」、岩波新書、2005.11発行です。1911年生まれ、1973年没のグレート東郷を描きながら日本のプロレス界を一望した秀作だと思います。アメリカでは卑劣なジャップ、日本では売国奴、守銭奴などと呼ばれたグレート東郷ですが、力道山は東郷の悪口を一回も言わなかったそうです。力道山はノースコリア、東郷はサウスコリア、共にコリア出身の二人が日本のプロレスの礎をつくり、そのファイトに日本国民は熱狂し、自信と誇りを取り戻した。誰も気づかなかった哀しい国威発揚と。

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    2017年02月19日
  • 職業欄はエスパー

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     タイトルは笑える。
     職業がエスパーとはどういうことだ。コメディなのか? と思わせて、その実、ものすごい重い題材を取り扱っている。
     書き手はドキュメンタリー映像監督。有名な作品はオウムを取り扱った「A」シリーズだそう。

     エスパーというものについて、当人以外、いや、もしくは親しい人がエスパーでもない限り、「あ、うんSFとかに出てくるアレだよね」となる。
     私は、信じる信じないでいうと、信じてない。
     著者も信じる信じないでいうと、そこははっきりとしない。信じるとは言い切れないというスタンスである。

     エスパーを職業とする彼らのドキュメンタリーを撮りたいとして、まず、企画書を作り、お金

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    2016年12月31日
  • クォン・デ もう一人のラストエンペラー

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    あるテレビの仕事の取材でベトナム青年がふともらした「僕らの王子は、日本に殺されたようなものなのに、日本人は誰もこのことを知らない」という一言をきっかけにして、戦前の文献などを調べることとなったベトナムの王子クォン・デについての伝記。日露戦争で欧米列強の一国であるロシアに勝ったことはアジアからの期待は大きく、当時フランスの支配下にあったベトナムの人々にとっても憧れの国でもあった。クォン・デは、フランスからの祖国解放のために妻子を置いて、革命家のファン・ボイ・チャウらとともに来日した。しかし、結局は大きな貢献をすることもなく、最後までベトナムに帰ることなく日本の地で亡くなった。

    本書はクォン・デ

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    2016年11月20日
  • オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ

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    いつものこの人通り、対象の周りをグルグル回って答えは出ない。でもだからこそオカルトという素材はピッタリハマる。最後の方に登場するメンタリストは、著者の一方のメインテーマでもあるメディアとの関係で捉えても面白そうだと思うけど、どうなんだろ?

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    2016年08月20日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    作者の意見にほぼ9割賛成である。集団の忖度、アンタッチャブルな話題、雰囲気、これらが日本を危ない方向に押しやろうとしている。もっとオープンに、冷静に議論する世の中にしていかないと、不幸な過去を繰り返すことになる。
    そして、弱体化したジャーナリズムを何とか立て直せないか!せめてNHK位しっかりして欲しいが、今は安倍に抑え込まれてしまっている。情けない!

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    2016年06月09日
  • すべての戦争は自衛意識から始まる

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    森達也の本も新鮮さがなくなった。
    それは、森達也の主張に共感することがなくなったということではなく、その逆に彼の主張がほとんど摩擦なく腑に落ちるようになったからなのかもしれない。

    タイトルからして、2015年9月に採決された安保法制についての話かと思うかもしれないが、本書はそれ以前に書かれた森氏のエッセイをまとめたものである。単純に時系列に並べたものではなく、2008年から2014年に書かれたもの(ほとんどは13年から14年)を次の4つの章のテーマにそれぞれを振り分けて編集されたものだ。見ればわかる通り、戦争についてのことだ。

    第一章 すべての戦争は自衛意識から始まる
    第二章 「自分の国は

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    2015年10月05日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    見えにくいから、見ようとする。聴こえにくいから、聴こうとする。分からないから、考える。自ら取る行動のひとつだったとは。そんな一歩の無い、ものすごくスムーズで分かりやすくするテレビ・メディア。メディア。悲劇も喜劇も日常。

    163頁〜引用、
    ベトナム戦争において米軍が敗退した最大の理由は、国内外に高まる反戦の世相に抗しきれなくなったからだ。そのきっかけの一つは、そもそもの戦争介入が米軍の謀略によって始まったことを暴くペンタゴン・ペッパーズの存在やソンミ村事件などの実態を、メディアがスクープしたからだ。

    ところが存在しない大量破壊兵器を大義として始まったイラク戦争に対しては、なぜか世相に火がつか

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    2015年10月07日
  • A3 下

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    真相を究明するよりも、物事を収束させて早く安心したいと思う人の方が多いってことだろうか。それでほんとに安心できるのかは疑問だけど。

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    2015年09月12日