森達也のレビュー一覧
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私のなりの解釈を描きまとめる場所なので乱筆ご容赦願いたい。植松聖はやまゆり園の職員に好意的であった。しかし、異常な人間のお世話をして異常な行為(虐待)をしている職員を見て、こんないい人たちを狂わせてしまう障害者が悪いという解釈に至り数々の障害者を殺害したのではないかと。だが、異常か正常かなんて物に線引きは無い。生産的な活動ができない人間がこの社会に必要かどうか、これは私たちが考え続けなければいけないことである。感情論で死刑判決がてるのであれば気に入らないから人を殺すという動機が正当化されるのではないかと私は考える。司法はもっと多角的にあらゆる可能性を検証した先に判決を得ると思う。とにかくこの作
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ネタバレ文庫本なら早くて半日か1日で読破できるのに、この本は1週間くらいかかった。昔、胸をときめかせたオカルトという素材が面白いのでちょいちょい調べながら時間をかけたのもあるが、徹底したノンフィクションという著者独自の手法に納得できない点もあったから。
例えば、目の前でスプーンを触らずにねじったり切断した現象を一部始終見て、「自分の目で見たことは確かだが、超能力とはいえないし、信じない」というドキュメンタリー作家としての筆者の中立であろうとする頑なな取材姿勢に少し呆れたのも事実。ダウジングという「技術」の体験を勧められても頑なに拒否し、目の前で起きた事象を、頭の中にある理性や常識というフィルターを通し -
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本書を(ノンフィクション大賞にノミネートされているから間違いないんだろうなあ)という理由で手に取ったことを集団思考の兆候だと責められている気分になった。笑
そもそも新書には扇動する思惑が丸見えなものが多く、それを避けるためにノンフィクション大賞を頼ったというわけなので許してほしい。イデオロギーの対極にいてかつこんな面白い本を紹介してくれる全国の書店員さんに感謝。
冗長さを感じるのと、ネトウヨに対して敵意を剥き出しすぎなことに引いてしまったが、帰結については全くその通りだと思う。虐殺を無くすため知ることを怠ってはならないし、知識を広げていかねばならない。でも、分が悪そう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【一人称単数】
群集心理について、有名な研究を紹介しつつ、世界や日本の実例に触れながら教えてくれる本。身近な経験にも重ね合わせながら読めると思う。
ギュスターヴ・ル・ボンの『群集心理』が発行されたのは、1895年。
当時の日本は、日清戦争の終わり、そして同年に韓国の王妃の閔妃をその宮廷内で暗殺する。
『群集心理』では、多くの人が群衆の一人になった時、暗示を受けやすく物事を軽々しく信じる性質」を与えられるとする。(本文より)
この本が出された後。逆に権威はこの作用を濫用して多くを成し遂げてきているのかもしれない。逆にそうして利用されてきた個々人は、この作用が示されているにもかかわ