森達也のレビュー一覧

  • たったひとつの「真実」なんてない ――メディアは何を伝えているのか?

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    大学時代のメディア社会の講義を久しぶりに受けた気分。これからの時代を生きてく上で、読んでおくべき一冊。

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    2016年11月05日
  • いのちの食べかた

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    分かりやすく、でも大切なことに目を向け気づかせてくれる本。

    毎日食べている肉はどこから来たのか。
    頭では分かっていても無意識に目をそらしていた現実、関わる皆さんの思い。

    ベジタリアンになれない私はせめて、買ったお肉頼んだお肉には責任を持ってありがたく命をいただこう、食べ残したり傷ませたりしないよう適正な量を選び、精いっぱい美味しい料理に変身させようと思った。

    小・中学生は夏休みの課題図書にしても良いかも。

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    2016年08月28日
  • 職業欄はエスパー

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    ドキュメンタリーなの?と思わせるくらいの浮世離れ感。読みやすく、ところどころフィクションの小説かと錯覚してしまった。それくらい、出てくるキャラクターたちの個性も強くて。
    でも、これがドキュメンタリーなんだってことにこの作品の面白さ、深さがあるなぁと思います。

    「信じるか、信じないか、結局その質問にしかたどり着けない、自分はその程度」という作者の言葉がとても印象的でした。あなたは信じますかという問いを尋ねたい訳でもなく、そこに固執したいのでもないけれど、やっぱり聞かざるをえない。すごく正直な作者だと思った。

    そして私もやっぱり「えー嘘だろう」と思い続けてしまった。

    途中の作者の葛藤すら、面

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    2016年08月06日
  • オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ

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    森達也の視点はいつも刺激的であり、ラディカルである。

    「なんだかよくわからない」と、あえて白黒はっきりつけずに、わからないことを受け止めることの大切さ。

    世界は、わからないことに満ちている。だから面白い。

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    2016年07月17日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    「完全客観的な事実なんて、ない。事実をうつすだけのドキュメンタリーなんて、存在しない。」というメッセージがひしひしと伝わってきた。ドキュメンタリーやマスコミの世界だけではなくて、すべての事がひとの視点というフィルターを通して屈曲しているのだなぁと、なんだか胸が詰まりそうになった。

    でも、途中からは純粋な映画メイキングストーリーとして楽しむ要素もあり、ノンフィクションなのかと錯覚してしまうくらいな部分も。ドラマを見たかのような。

    何が正しくて、なにが誤ってるのか、結局それは人次第で、その人のなかで出来上がっている事実が正しいということなのか。深い!

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    2016年07月10日
  • オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ

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    <目次>
    開演   「でもオレは結局曲げちゃうよ」”超能力者”はふてくされたように言った
    第1幕  「よく来てくれた。そしてよく呼んでくれた】恐山のイタコは語り始めた
    第2幕  「現状は、誠実な能力者には不幸でしょう」オカルト・ハンターの返信はすぐに来た
    第3幕  「僕たちはイロモノですから」”エスパー”は即答した
    第4幕  「いつも半信半疑です」心霊研究者は微笑みながらつぶやいた
    第5幕  「わからない」超心理学の権威はそう繰り返した
    第6幕  「批判されて仕方がないなあ」ジャーナリストは口から漏らした
    第7幕  「当てて何の役に立つんだろう」スピリチュアル・ワーカーは躊躇なく言った
    第8幕

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    2016年07月02日
  • オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ

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    オカルトと現実、科学との境目が解らなくなるような、なかなか面白いルポルタージュだった。

    超能力、心霊現象、イタコ、UFO、陰陽道、臨死体験などなど、様々なオカルトの正体に真正面から迫る。

    もしかしたら、本書に描かれたオカルトの一つや二つは現時点で科学的には立証されていないだけの事実なのかも知れない。

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    2016年06月28日
  • いのちの食べかた

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    「大きな肉のかたまり(豚角煮とか)を見てテンション上がる人には、超美味しそうじゃん」
    と、品川と場を以前見学させていただいたとき思いました。
    大きなコンベアー、大きな肉のかたまり、大きな包丁、あちこちから出ている水蒸気…。危険が伴う仕事の最中なのに、見学者にも気を配ってくれる優しい職員の方々が多くて、あたたかい気持ちになったことをよく覚えています。
    この本でも解体作業の様子がよくわかりますが、興味を持った方にはぜひ自分で見学に行ってほしいです。自分が良い経験だったと思っているので。

    本書の内容としては、食肉、部落差別について、考え方の基本になることが分かりやすく解説されています。子どもに向け

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    2016年05月23日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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     いかに現在の世の中が住みにくくなってきているのか時代にそって考えればうすうすわかる事なのにそれをどうしても頭から否定をしてしまうから他者に対する思いやりという心がなくなってしまう。

     立場がどちらであれその考え方を正しいと思った時点で間違いなのにそれに気づこうとしないのか気づけないのだろう。

     人が生存するために大切な思考という能力が退化してきているのではないか。いくら勉強ができてもそのような能力は自らがその中に入り込めなければつくことはない無論それは片側の論理ではないという事が前提である。

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    2016年05月10日
  • 死刑のある国ニッポン

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    論点が明確だからか、対談本にしては筋ははっきりしている。ただし、というかだからこそ二人の主張は交わらない。

    藤井は、自ら行った多くの被害者遺族とのインタビューの後に、死刑存置に自らの意見を傾けることになったという。それは非常にアクチュアルな判断なのだと思う。しかしながら、死刑の存続の主張を、被害者遺族の応報によって立つ限り、被害者遺族がいなかった場合に死刑は必要なのかという根本的な問いに答えることができない。この点については森からも強く指摘されながらも藤井は答えを返すことができていないでいる(と少なくとも私には見える)。
    死刑が統計的に犯罪抑止に貢献していない以上(これについては両者とも同意

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    2016年05月02日
  • たったひとつの「真実」なんてない ――メディアは何を伝えているのか?

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    「真実は多面体であり、たったひとつの切り口で見知ったことが全てのように捉えるべきでない。」と、本のタイトルを見ただけで、中身を読んだも同然の本でした。

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    2016年01月30日
  • 人間臨終考

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    森達也の新境地。単純に、偉人の最期について書かれた本かと思った。そうではなくて、人間の臨終を通しての社会批評。批評の矛先は、死刑制度や日本人の国民性について。内容としてはいつもの森達也といっしょやけど、こんな手法を使えるとは。驚いた。また、取り上げる偉人たちがちょっとマニアックやし、ひとつひとつの内容も手抜きはない。まだ読んでないけど、長編小説も書いてしまうし、新作の映画も来年公開するし。森さんは、どこへ行くんやろうか。どこまで行くんやろうか。楽しみです。

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    2015年11月25日
  • たったひとつの「真実」なんてない ――メディアは何を伝えているのか?

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    森さん、よくこんな文章の書き方できるよなぁ、といつも思う。ここまで本人の人柄が表れた文章を書けるのはすごい。いっつも、ためらいまくりの文体。あと、細かいところですがタイトル、『「たったひとつの真実」なんてない』のほうがよいのでは? と思った。

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    2015年10月14日
  • A3 上

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    オウムに対する感情や認識は本書を読んだ後も変わる事はないんだけど、裁判の進め方はどう見てもおかしい。自分含めて余りに無関心であり、短絡的に結論(麻原の死刑)を求めすぎているなと、認識した。
    真相まだ分かってないのに、極悪人=ソッコー死刑、では余りにも前時代的。アレフなり光の輪なりまだ存在してるし、似たようなカルト宗教もある訳だし、同じこと繰り返さないように真相を究明、事件の総括が必要だよな。
    A観てみたい。huluにあるのかしら??

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    2015年08月14日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    話の7割くらいは賛同できず、本人が言うように「お前の頭の中はお花畑か!?」とも思ってしまう。しかし、残り3割が激しく同意できるし、今まで自分が気づかなかったことなので、タチが悪い。
    この人の話もっと聞きたいと思ってしまうよ。

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    2015年08月03日
  • たったひとつの「真実」なんてない ――メディアは何を伝えているのか?

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    最近気に入ってときどき読んでいる
    森達也氏の本。
    簡単なすぐに読める本ですが、タイトルがいい。
    『たったひとつの「真実」なんてない』
    平易な文書ですが、奥が深い文書だと思います。
    まったくそのとおり。
    またメディアの見方、リテラシーについて著者の
    考え方が分かり易く書かれてあります。確かに
    メディアはどんどん力を持っているように思えますし
    (昔もそうだとおもうのですが)高尚ではなく低俗
    になっていると思えます。
    メディアは絶対に必要なもの。でも高尚なものや
    中立的なものではない。低俗だなあと思えるのは
    それは、マス側がそういうニーズをもっているから
    鏡であること。
    だからこそその扱い方、見方、

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    2015年07月10日
  • たったひとつの「真実」なんてない ――メディアは何を伝えているのか?

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    一応、メディアの端くれの端っこの方で落っこちそうになっている者として、実感としてもよく分かる本でした。
    「たったひとつの『真実』なんてない」
    その通りと思います。
    メディアは最も良い場合でも、真実の一断面しか伝えることしかできません。
    それを「ウソ」だと云われても困ります。
    捏造は論外ですが、メディアは不完全な存在です。
    でも、なくなっては困ります。
    「ならば上手に使おう」という著者の呼び掛けに同意します。
    もし上手に使えないとしたら、それは最悪の事態を招くことさえあります。
    なぜなら、「国の形はその国のメディアによって変わる」からです。
    第2次世界大戦後、ニュルンベルク裁判で裁かれたナチスの

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    2015年07月04日
  • いのちの食べかた

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    最初、読み始めは子どもに向けた文章のような感じで、読みやすそうだなと思っていた。
    だけど、とても濃い。
    食事、いのちを食べる私達。いのちを食料に変える人たち。それをする人を、昔の人は「穢れ」とした、まさかの差別の問題。

    大切なのは知ること。そして思うこと。だと著者は言う。
    この本のタイトルの映画もあるのだそう。見てみたい。

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    2015年06月28日
  • 視点をずらす思考術

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    自らKY、ずれている、という森達也氏。その資質が、オウム真理教を内側に入って追った『A』や、放送禁止歌やエスパーなどの一風変わった対象のドキュメンタリの作成につながってきたのではと解説する。その森さんのエッセイ集。

    エッセイ集なので、対象を絞った、その中で悩み抜く森さん特有の魅力はこの本にはない。もしくは薄い。

    この本の中でも死刑制度や、天皇制に対するメディアの自粛(に代表されるメディアの変質)などへの言及は、すでにどこかで聞いた既視感があるが、きれがある。きれとは、ずれだ。

    メディア批判も相変わらず。ここが著者の設定するプロブレマティックの中心にあるからだ。メディアが持つ力に対して、権

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    2015年06月07日
  • すべての戦争は自衛意識から始まる

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    被害者意識が強く、統制されるのが好きで、集団化しやすい日本人。集団的自衛権や憲法改正が現実味を増す今、日本の行く末が不安になる。侵略しようと思って始める戦争はほとんどない。すべての戦争は、自衛の意識から始まる。

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    2015年05月17日