森達也のレビュー一覧
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相変わらずどきりとする森達也の著作である。本書もそうだ。「これ、
私のことじゃん」と思う指摘もちらほら。でも、森さん、少々拗ねてる?
ネットで叩かれ過ぎたから?それとも日本の現状に匙投げちゃった?
それでも、きっとこれからも書き続けるんだろうな。「非国民」「売国奴」
「ブサヨ」なんて言葉を投げかけながらも。
某所で私も時にそんな書き込みをされることがあるんだけどさ。なんだ
ろうね、「日本人サイコー」「日本サイコー」って言わない人間はぜ~んぶ
非国民で売国奴でブサヨなのかな。
「飽きた」と言われようと、ウォルター・クロンカイトの言葉をまたまた引く。
「だいたい、愛国主義 -
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森達也の書く内容には毎回どきりとさせられる。本書もそうだ。
それは私にとって都合の悪いことが書かれているからだ。
「当事者のことを慮れ」「当事者の身になってみろ」。大きな事件・
事故・災害等があるとこんなことを書き散らしていることがある。
当事者への共鳴が正義であると思ってるからだ。だが、正義には
もれなく危険が付きまとう。正義だと思い込んだものを振りかざす
時、人は違う意見を排除しようとする。
「まったき正義」はないと思っている。それでも自分の意見が、思想が
正義であると思ってしまうことがある。
だから、森達也が書く文章は耳に痛い。自分の思い上がりを指摘
されるか -
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『A』『A2』『A3』でオウム真理教の内部からドキュメンタリを撮った森達也。『神さまってなに?』というタイトルの本を出していたので手に取った。
タイトルから類推できたのかもしれないけれど、中高生に向けて書かれたような文体になっている。キリスト教、仏教、イスラム教の成り立ちがわかりやすく書かれている。それらの事実についてはある程度知っていることだが、中高生が読むとへぇーそうだったんだと思う程度にまとまっている。
自分が初めて宗教に向き合ったのは、シリア人の学生と同じ研究室に入ったときかもしれない。時間が来るとお祈りをしないといけないその人と一緒にいて、少し面倒だなあと軽いカルチャーはありなが -
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ドキュメンタリーなの?と思わせるくらいの浮世離れ感。読みやすく、ところどころフィクションの小説かと錯覚してしまった。それくらい、出てくるキャラクターたちの個性も強くて。
でも、これがドキュメンタリーなんだってことにこの作品の面白さ、深さがあるなぁと思います。
「信じるか、信じないか、結局その質問にしかたどり着けない、自分はその程度」という作者の言葉がとても印象的でした。あなたは信じますかという問いを尋ねたい訳でもなく、そこに固執したいのでもないけれど、やっぱり聞かざるをえない。すごく正直な作者だと思った。
そして私もやっぱり「えー嘘だろう」と思い続けてしまった。
途中の作者の葛藤すら、面 -
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「完全客観的な事実なんて、ない。事実をうつすだけのドキュメンタリーなんて、存在しない。」というメッセージがひしひしと伝わってきた。ドキュメンタリーやマスコミの世界だけではなくて、すべての事がひとの視点というフィルターを通して屈曲しているのだなぁと、なんだか胸が詰まりそうになった。
でも、途中からは純粋な映画メイキングストーリーとして楽しむ要素もあり、ノンフィクションなのかと錯覚してしまうくらいな部分も。ドラマを見たかのような。
何が正しくて、なにが誤ってるのか、結局それは人次第で、その人のなかで出来上がっている事実が正しいということなのか。深い! -
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<目次>
開演 「でもオレは結局曲げちゃうよ」”超能力者”はふてくされたように言った
第1幕 「よく来てくれた。そしてよく呼んでくれた】恐山のイタコは語り始めた
第2幕 「現状は、誠実な能力者には不幸でしょう」オカルト・ハンターの返信はすぐに来た
第3幕 「僕たちはイロモノですから」”エスパー”は即答した
第4幕 「いつも半信半疑です」心霊研究者は微笑みながらつぶやいた
第5幕 「わからない」超心理学の権威はそう繰り返した
第6幕 「批判されて仕方がないなあ」ジャーナリストは口から漏らした
第7幕 「当てて何の役に立つんだろう」スピリチュアル・ワーカーは躊躇なく言った
第8幕 -
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「大きな肉のかたまり(豚角煮とか)を見てテンション上がる人には、超美味しそうじゃん」
と、品川と場を以前見学させていただいたとき思いました。
大きなコンベアー、大きな肉のかたまり、大きな包丁、あちこちから出ている水蒸気…。危険が伴う仕事の最中なのに、見学者にも気を配ってくれる優しい職員の方々が多くて、あたたかい気持ちになったことをよく覚えています。
この本でも解体作業の様子がよくわかりますが、興味を持った方にはぜひ自分で見学に行ってほしいです。自分が良い経験だったと思っているので。
本書の内容としては、食肉、部落差別について、考え方の基本になることが分かりやすく解説されています。子どもに向け -
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論点が明確だからか、対談本にしては筋ははっきりしている。ただし、というかだからこそ二人の主張は交わらない。
藤井は、自ら行った多くの被害者遺族とのインタビューの後に、死刑存置に自らの意見を傾けることになったという。それは非常にアクチュアルな判断なのだと思う。しかしながら、死刑の存続の主張を、被害者遺族の応報によって立つ限り、被害者遺族がいなかった場合に死刑は必要なのかという根本的な問いに答えることができない。この点については森からも強く指摘されながらも藤井は答えを返すことができていないでいる(と少なくとも私には見える)。
死刑が統計的に犯罪抑止に貢献していない以上(これについては両者とも同意