森達也のレビュー一覧

  • A3 下

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    最初に読んだときは「知らないって恐ろしい」と思った。
    再々読後の今は「知っていて何も出来ない」のが心底恐ろしい。
    どうすればいいのかわからない。
    だから一人でも多くの人に読んで欲しい。
    そして考えて欲しい。
    「これはおかしい、変だ、納得できない、どうにかしたい」
    という声が増えて大きくなってくれることを願います。

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    2012年12月20日
  • A3 上

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    単行本時に既に2回読んでいるのに、再度読み返している今もまた衝撃を受ける。文庫になったことでより多くの人が読んでくれることを願う。

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    2012年12月17日
  • 悪役レスラーは笑う

    購入済み

    グイグイ引き込まれる

    特にプロレスファンという訳では無いのですが、森達也の作品がわりと好きで、立読みしたところ面白そうだったので購入しました。
    本作は、戦後の日本とアメリカで、観客と関係者の憎悪を一身にニヤニヤとわらいながら浴び続けた悪役レスラー、グレート東郷に視点を当てたドキュメントですが、読んでいるうちに、当時の「社会」が見えてくるような気がします。
    それと同時に、グレート東郷という人物にだんだん興味が湧いてきて、活字に吸い込まれました。
    文章や内容としては、いつもの森達也らしく終盤の絶妙な尻切れトンボ感はありますが、作家のスタイルなのかな、と、慣れてしまったので気にはなりません。
    間違いなく良作です。

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    2012年10月06日
  • ぼくの歌、みんなの歌

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    ニール・ヤングや友部正人はこの人のお約束。これを聴くと青春が蘇る、しかもキラキラした素敵な思い出だけとはならず、身を捩りたくなるような恥辱の記憶も。この作者の含羞がまたしつこくて、かさぶたを無理に剥がして痛みを確かめる子供みたいで、読み切る。自分だったらどの曲で何の話を書くかな。

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    2012年10月03日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    ネタバレ

    ある視点にはその人物の恣意性が絶対に付いてくる.
    恣意性を排除することはできないが、その事には常に自覚的でいないということを繰り返し教えてくれる.
    誰かを傷つけているという自覚や覚悟無しに自分の意見は表明できない.

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    2012年06月19日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    今頃この本を読むのは周回遅れもいいところだろうが、読んでよかった本だ。最後のドイツの老婆のエピソードが記憶に残る。

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    2012年04月25日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    唐沢なをきのNHKやらせ騒動の件やイルカ漁などを髣髴とさせるタイトル。ドキュメンタリー作家が、ドキュメンタリーとは何かを自伝とともに。コラムの途中で、森氏自身の経験と意見が織り込まれ、大変生々しく、始終スリリングで目が離せない。ただ、タイトルとは違って"ドキュメンタリーの敗北"についてが目立つ内容ではある。

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    2012年02月05日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    想田監督作品から始まった私のドキュメンタリー映画への道。
    森さんのドキュメンタリーへの熱い想いを伺いしり、ますます深みにははまって行きそうです。

    世の中は、割り切れないことばかり。しかし、現在のマスメディアはいろいろなことを単純化しすぎている。
    それは社会自体にも当てはまる。
    森達也氏の指摘をもっと噛みしめるためには、ドキュメンタリー映画が訴える様々な人々から発せられるメッセージを受け止めるべきかもしれないと強く感じました。

    大学生にオススメの文庫本だと思いました。これから社会にでる前に読んでおくべき本ですね。

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    2011年08月26日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    ネタバレ

    私たちの中に確かにあるオウムへの「得体の知れない恐ろしさ」。
    当時のマスコミはオウムのカルト的側面のみを強調し、オウムを「麻原彰晃」とほぼ同義で扱っていた。
    信者だって一人ひとり異なる人格をもっているはずなのに「オウム」と一括りにされて画一的にしか報道されない。著者はその報道に感じる欠落感を求めてドキュメンタリーを撮り始める。

    広報の荒木をピンホールとして「オウムの中から見た外の社会」を照射しようと試みるが、結局オウムについては「何もわからないことがわかりました」。

    非常に示唆に富んだ題材であり、また個人的にこういった「人を信じ込ませてしまう」ものに興味を持っているので、大変面白かった。オ

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    2011年04月08日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    これを見たのは、もう何年も前。映像も見たが、この日から世の中が変わって見えた気がします。僕の価値観にまで影響を及ぼした。

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    2011年03月03日
  • 職業欄はエスパー

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    職業をエスパーにした人たちの日常、メディアで見るエスパーたちの本音などがすごく丁寧に書かれていて面白かった!!超能力はあるかないか、幽霊や宇宙人はいるかいないか、この本はそんなことを主張したわけじゃないし、森達也なんて目の前で長年さんざん不思議な現象を見てきても、「結局わからない」っていうスタンスを取っている。さんざん見ても大槻教授のように「絶対インチキ」という認めない人もいれば、見てもないのに盲目的に信じる人もいる。この本はそんな頑なになってしまう人間の不思議さや、不可思議現象を隠そうする何年にもわたる社会の流れ、メディアのあるべき姿をできるだけ客観的に述べようとしている。清田益章、秋山眞人

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    2011年01月28日
  • 悪役レスラーは笑う

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    稀代の悪役レスラー「グレート東郷」とは何者なのか?という問いかけを追跡する旅。
    数年前、著者が監修?してNHKで特集していたプロレスラー列伝から本書を知り、東郷に興味を持った。その後、DVDで試合も初めて観た。試合内容はともかく、登場から最後までの雰囲気がとても怪しく大いに楽しめる。大観衆の中で1人憎まれるためには、大いなる勇気と恍惚が必要であっただろう。
    日本に対し敵国意識が旺盛であった戦後アメリカマット界に君臨し、一世を風靡した大悪役東郷。お約束な世間のコードにのって分かり易い「悪」に徹することで巨万の富を築いたが、また、プロレスラー力道山を育てた一人でもあり、その後、日本マット界へ執着し

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    2011年01月23日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    ネタバレ

    公正中立、客観的、わかりやすい報道…

    テレビにおけるこれらの美麗文句を疑ったことがあるだろうか。またテレビやドキュメンタリーに対してこれらを掲げて批判をしたことはないだろうか。

    筆者はこれらの美麗文句をすべて幻想であると切り捨てる。ドキュメンタリー、いや映像の産物はすべて作為的なものであり、表現行為であり主観的である、と。そしてそれら表現行為は、その加害性から脱却することはありえないと。

    作中ではマスメディアに対する批判も行う。メディアの商業化が一気に進み、国民が望む「わかりやすい」簡素化かつ扇動的な報道ばかりが目立つと。特にオウム以降、それが加速したという。この原因を、筆者は個々人の葛

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    2011年01月14日
  • 職業欄はエスパー

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    ドキュメンタリー作家森達也が取り上げた題材は超能力者。

    これは森さんが取材したからこそ意味のある本だし、
    「信じる」人も「信じない」人も、「どちらでもない」人にも読んで欲しい。

    「超能力とは何か」ではなく、「超能力者とはどういった人か」に主眼を置いたのは非常に彼らしいく、
    新しくないのに誰も見ていなかった視点。

    読み終わったときに心の内に残る気持ちは言葉に出来ない。

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    2010年11月03日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    大学の外国文学のテーマが「『死』について」だったのだがその講義の中で森さんの作品に出会い、卒論にも色濃く反映されました。
    ちょっぴりズレてる僕には、森さんの視点と重なる部分がかなりありました。

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    2010年04月10日
  • 職業欄はエスパー

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    これ、途中で表紙の写真が怖くなってしまい、カバーをはずしました。

    確かに私も「超能力ならスプーン曲げ以外にもっとすごいことやれよー」
    という人種だったのですが、これ読むとそうも言ってられないような…。

    大槻義彦氏には正々堂々と出てきて欲しかったな。個人的感想ですが。

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    2009年10月14日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    村上春樹の『アンダーグラウンド』を再読
    →某雑誌の最新号で森達也のインタビュー記事を読む
    →「そいえばこの人は『A』っていうオウムの映画撮っていたなぁ」
    →某お気に入りの古本屋で本書の発見
    というつながりで読んでみました。


    自分はこの『A』という映画見ていないし、オウム事件の際のマスコミとかはまだそんなに気にするほどの年齢ではなかったので何とも言えないけ
    ど、最近新聞を読んだり時々テレビを見る中で感じていた「マスコミに対する不信感」がこの本を読んで少し「理解できた」気がした。
    そして、初めて村上春樹が『アンダーグラウンド』の「出口のない悪夢」で
    述べていた怖さとかが「理解できた」気がした。

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    2009年11月01日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    2009年59冊目。安易な二元論を排し、悩んで悩みぬいて結論を留保することもある森達也さんの著作です。この人の考えには全面的に賛同することはありませんが、誠実に考え続け、考え続けようとする姿勢は学ぶものがあります。

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    2009年10月04日
  • 職業欄はエスパー

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    頁を捲る手が止まらず一気読みしてしまった。スプーン曲げの清田益章、UFOの秋山眞人、ダウジングの堤裕司という超能力者3者3様の在り方が非常に興味深い。そして森達也の著作に何度も出てくるメディアへの懐疑、ドキュメンタリーに対する姿勢、なにより物事へのアプローチの仕方というものが、地下鉄サリン事件をはさみ8年間にわたるこの取材過程(もちろんその間には『A』もある)の中で方向付けられたことがわかる。毎度ながらこの人の視点には共感できる。取材対象を撮りながら、自ら煩悶し続けるといういつものアレだが、ただ今回に関しては少し無理矢理拒否している部分が見えるようにも思える。文庫版あとがきの最後の最後の一言が

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    2009年10月07日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    「思考停止」この本を読んでいる最中、この言葉が何度も頭をよぎった。
    マスコミ関係者、テレビを見ていた視聴者、全てが思考停止していた中で渦中の団体の人間が一番考えていた、という皮肉。
    その団体がやったことだけみれば、もう紛れもない極悪の団体だけど、事件の全容を見ると正しいのはどっち?という感じがする。
    オウム事件だけじゃなくて、今の不祥事や偽装の報道にも、同じような思考停止の構造があるんだろう。

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    2009年10月04日