森達也のレビュー一覧

  • いのちの食べかた

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    お肉がどのような過程を経て、食卓にあがるのかを分かりやすく書いています
    子供の食育にも良いですし、大人になってから改めて食べ物について学ぶのにもおすすめです!

    と場についての話や、部落差別についての話まで深く取材されているのが伝わりました。
    過去の事実である部落差別や戦争での植民地化など、暗い歴史は腫れ物のように扱われます
    著者は、事実を受け止めた上で自分達がどのように生活や食事していくのかを諭してくれます

    ときをみて読み返したい本です。
    YOU ARE WHAT YOU EAT
    心に留めておこう…

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    2022年07月12日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    面白かった。被害者の人権。仮想敵と共同体の暴走。薄気味悪い善意。普段深く考えないことをゆっくり考える機会になった生きていくための思考の本。

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    2022年07月08日
  • 定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半

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    忘却に抵抗するため、現在の社会を書き残すことを目的に編まれたアンソロジー。
    全体的に読みやすさと読み応えが両立している。

    特にラストの安田菜津紀さんの論考は、多くの人に広く読まれるべきだと思った。

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    2021年09月30日
  • 映画評論家への逆襲(小学館新書)

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    いまどき”逆襲”しなければいけないような”映画評論家”っているのかなと思ってスルーしかけたが、最後の章の『罪の声』への批判とコメントを読んでなるほどと思って買ってみた。実作者(監督だったり脚本家だったり)ならでの観点はやはり面白い。確かに最近の日本映画には”重み”や”深さ”がなく、もう一度見たくなったり、いろいろ考えさせられたり、ということが少ない印象がある。全面的に賛成できるような意見はそれほど多くないが、日本映画の現状もやもやしたかんじの原因の一端をついているところもあるかな。いずれにせよ、解答を求めて読むのではなく、いろいろ考えてみる材料になる一冊でした。

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    2021年06月23日
  • いのちの食べかた

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    屠殺について見たり聞いたりする機会って、確かにないよな~。そしてそれをあまり不思議に思わないってことも、考えてみれば不気味な話だよな~。あちこち興味を持って動かない個人にも非はあるかもしれないけど、それをそうと気付かせない体制の側にも大いなる瑕疵があるのは間違いない。掘り起こさないと見えてこないものを見出す視点を、これからも根気強く涵養したい。本作の感想としては、第一にそれ。

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    2021年06月15日
  • U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面

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    社会から逸脱した存在。どうしても、そう思えない気持ち悪さがあった。社会からはみ出した部分じゃないからこそ、共感する人がいた。批判する人がいた。蓋をしてしまう人がいた。

    グレーゾーン。それは社会の外部ではなくて、内部のもの。社会が作り出した二元論の狭間から、生まれ出てきたもの。だから、どこか自分の中に既視感がある。グレーゾーンで社会の欠片を拾い集めた彼は、AIみたいだな、と思った。決して他人事ではない。彼を作り出した社会の欠片であるという自覚を。

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    2021年05月18日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    正義という相対的な思想は、時に戦争という非人道的な惨劇に転化する。法のもとで人を殺す死刑制度、それが果たして正義なのか。正義をとことん疑う。メディアから溢れ出てくる情報は発信する側のフィルターがかかった偏向な事象でしかない。盲信という安易な価値基準から抜け出していく。悩まない日常に平穏は訪れない。苦悩する果てに未確定な希望が見えてくる。"安心安全" を謳う怪しさはすぐさま正義を持ち出して線引き・分断を提示する。そこに怒りをこめて打破したい。ここにも "苦悩" と "怒り" が秘められている。

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    2021年04月29日
  • FAKEな日本

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    森達也氏は同世代。同じ空気感を味わっている。
    ピーターバラカン:擬似的民主主義国家。
    つまり擬似的独裁国家。つまりフェイク。「空気を読む」ことを是とする。日本人の国民性に強く根付いている。ずっと変わらないのか?自発的な隷従。
    森氏の著作を読むにつれ、日本人として寂しさを感じてくる。

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    2021年04月29日
  • U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面

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    識者達とのインタビューを通して事件を紐解く・・否、紐解かない。どころか、あえてもつれさせる。「責任能力なし」に納得いかなくてもそれが法の趣旨。加害者に「お前が悪いんだ」と制裁を加え、溜飲を下げるために刑罰があるのではない。寛容を求めるわけではない。起きてしまった過ちをまた起こさないためには?裁判は手続きというアリバイのためにあるのではない。書くことは誰かを助けるが誰かを傷付ける。その覚悟を持つ人だけがやる。「わかり易さ」に甘んじてはいけない。「わからない」もどかしさがなければ、「わかる」ことさえできない。

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    2021年04月16日
  • U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面

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    死刑制度、陪審員裁判、メディアのあり方、障害者差別、トランプ安倍首相に代表される過剰な権威主義への傾倒、国民倫理のあり方・・・・一通り網羅されてはいるもののやはり重点が置かれるのは精神鑑定を軸とした司法の問題だ。
    だがいくらその異常性を網羅されても、つまり正常な精神状態ではなかったとされても、結局本人の内面性は不可知領域である以上論点にすべきではない。何も前に進まなくなるのだ。
    実は本書に抜け落ちている視点が被害者遺族のものだ。遺族は何よりも死刑判決に対して抗うべきではなかったか。名前や写真の公表を控えるのは心情的には理解ができるが、異なるものを排除するという点において死刑制度はまったく植松の心情と合致しているものだからだ。
    これに異を唱えなかった遺族にこそ障害者の差別意識と愛情の欠落が見えてとても悲しい。

    本作が発行された直後、1月6日にアメリカの議事堂の襲撃が起こった。表面的な事件も国も社会のとらわれ方も違うが、構造は明らかに相似している。
    もちろんそれが全ての原因であるとは言えないが、その論考を是非共有したい。

    すなわちトランプや安倍政権の権威主義やその権威をまさしく笠に着て盛り上がるネットにおける右派的論考がなかったとして果たしてこの植松の事件は起こったのだろうか。
    2016年という右派論壇真っ盛りの時期といい、あまりにもわかりやすいこの想像に警戒しなくてはならないが、植松本人の幼児性を考えるとありえない話ではないように思う。恐ろしいことに。

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    2021年02月22日
  • U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面

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    日本の司法制度、メディア、社会のあり方について考察したもの。相模原の津久井やまゆり園事件を通して丁寧に考察を重ねていく。裁判員裁判制度のためか、あれほどの大事件がおよそ1ヶ月で結審し、結果としてなぜこのような事態が生じたのかは何も明らかにされなかった。「裁判で事実を明らかにする」ってのはもう期待できない。
    一方で報道する側のメディアについても、メディアは社会によって規定されるものであり「メディアやマスコミがゴミ」というなら社会がゴミであるというのと同義だという。そしてゴミが選挙で政治家を選んでいるのが、今の日本なんだとする著者の言は、著者がメディア側の人間であることを差し引いても、ちょっと怖い一言だなぁ。

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    2021年02月14日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    ネタバレ

    死刑の話かと思ったら、色んなジャンルの事が書かれてた。
    約10年程前に書かれたものもあり、懐かしいニュースもある。
    テレビの言ってる事に違和感を覚えたのは高校生の時。その時の自分の感覚は正しかったのだと再認識!
    やっぱり鵜呑みにしないで、きちんと自分の頭で物事を考えないと!

    印象的だったのは、朝鮮語の翻訳者の話。
    私も英語やけど字幕と実際に言ってる事の意味合いが微妙に違うと思ったことが何度かあった。

    信頼できるニュースやメディアを探すのって大変ね。

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    2021年02月04日
  • いのちの食べかた

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    「たべる」ことについてだけではない、「考え、生きる」ことについて、大人だってわかっているつもりで忘れてしまうことについて、再度気づかされる本。

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    2021年01月13日
  • U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面

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    ネタバレ

    善と悪の二元論。その間にあるグレーゾーンから目を反らすな。世界はもっと複雑で優しい。そんな森さんの通底するテーマを、相模原の植松聖による障害者襲撃事件を題材に語る一冊。昨今の裁判は、陪審員制度が始まってから極端に描ける時間が短くなっており、極刑を前提に精神鑑定による責任能力の有無のみに終始する。刑の軽重の問題でなく、純粋に事実があいまいなまま終わらせてしまうことへの警鐘を鳴らしている。障害者施設自体に何らかの問題はなかったか。もちろん責任の所在を問う目的ではないので、そこは大きく触れられずあえて問いかけのみに終わらせている。だからこそ、疑い悩むべきはぼくら。早々に結論をくだし、逡巡しない現代社会に冷水を浴びせる一冊でした!

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    2021年01月04日
  • 定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半

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    コロナ禍の中で世の中の変化が加速されている。取り残される人々も出てくるだろうし、人と人との関係も変わってくるだろう。その変化を定点観測しようという試み。集められたのは哲学者、社会学者からブロガーまでさまざまだけど、いわゆる左派に属する人が多い。2020年7月頃に書かれたものが多く、その後の変化を先取りした内容も多い。現在第3波の中で先が見えない閉塞状態だが、半年ごとにまとめるそうなので次作も期待。

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    2021年01月02日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    発売された当時に購入して、その時は途中までしか読めなくて、でも大事なことが書いてありそうだったからずっと持っていた本。
    最近、世の中のことや、人の心と社会の動きのつながりのようなものが気になりはじめていて、その考えを深めてくれそうだなと思いもう一度手にとった。
    今度は、最後まで一気に読んでしまった。
    森さんがこの本を上梓したときから、世の中はますます共同幻想的な傾向が強くなっていると思う。
    実態のない恐怖にみんなが怯えていて、そのこころが解きほぐされなければ、みんな優しくなれない。

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    2020年08月30日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    だいぶ前に買って読みかけていたのがいつのまにか積ん読の山に紛れ、このたび発掘されたので続きを読んだ。

    森達也さんの書くものは常に葛藤にまみれている。揺れている。自分が正しいとは決して思わず迷いながらそれでもご自分が見たもの聞いたこと経験したこと調べたことを真摯に書いている。
    ショッキングなタイトルは本書に収録された一コラムのタイトルだけど、この中でも筆者は躊躇なく「自分がその立場に置かれたら」と書きつつ迷う。

    疑問を持ち続けること。自明とされている、報道されている、今目の前に見えるもの、それらを(自分を含めて)疑い続けること。その上でバイアスを排して物事をあるがままに認めようともがき続ける著者の姿勢に共感する。

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    2020年06月18日
  • はじめての政治哲学

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    ハンディだけれども、しっかり読むと、とても重厚。「哲学」を延々と書いてあるわけでもなく、論点をロジカルに紹介してくれており、現在の多数派がどう考えてるか、もなんとなくわかる。巻末の参考書リストは、とても興味を惹く。

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    2019年09月26日
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい

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    (日本的)自由主義者によるコラム集
    内容は、かなり偏っているけれど、自分の考えが偏ってきた時に読むと、アタマがほぐれる。

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    2019年05月21日
  • たったひとつの「真実」なんてない ――メディアは何を伝えているのか?

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     メデイア・リテラシーあるいは批判的思考について学ぶのにちょうどよい本。ただし、強く歪んだメディア観もしくは認知的バイアスをすでにもっている人は、この本を読んでもメディア・リテラシーあるいは批判的思考が身につくことは期待できないだろう。だから著者が中心的に訴えかけたいのは、本書の「あとがき」にもある通り10代後半から20代前半ぐらいまでの若者なのだろうと思う。ちくまプリマー新書だし。

     それにしても、この本がこの時期に出版され、出版直後にたまたま手にとって読むことができたというのは幸運だった。というのも、つい最近、次のような出来事があったからだ。

     2014年12月14日に行われる衆院選の公示前に自民党は在京テレビキー局の責任者を呼びつけて「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」という名目の下、実質的には報道機関への圧力ともとらえられ得る要請を行っていた。これは11月20日のことである。そして、この本はそれよりも前に書かれ、出版されたのも11月10日なのである。公正中立とは何かを問いながら、上記の問題について直接切り込んでいるのである。しかしそれは自民党による上記の問題が取りざたされたからではなく、問題が取りざたされるようになったのは本書が出版されたあとなのである。

     偶然との見方もできるだろうが、起こるべくして起こったと見ることもできるだろう。いずれにせよ、リアルタイムで読むことができたのは本当によかった。

     ぜひ周りの人にも一読することを勧めたい一冊である。

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    2019年01月22日