森達也のレビュー一覧
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「たくさんの人を殺した悪い人たちよ」
娘さんのこの一言が頭から離れないのは、自分の感覚にはまるからか。
思うことを、考えることをことばにしようとすると全然まとまらない。そんなことがよくある。実際ことばになって外に出せても、なんか誰かが言ってたことのように思える。どんどん自分が見つからなくなってぐちゃぐちゃになる。
だけど、森さんの本を読むたび、わからないなりに、ぐちゃぐちゃなりに、でも考えることは止めないでおこうと思う。ただ自分のことばをさがすことだけは面倒くさがらずに、頑張ろうって思う。
『A』の被写体はオウムだけど、でもたぶん、そこに映ってるのは人間そのものの姿なんだろうな。映画は受験が終 -
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歴史の闇に埋もれてしまったベトナムの王子、クォン・デについて書かれたドキュメント。
クォン・デと言う人物は読むまで知らなかった。ベトナムの歴史も、ほとんどと言っていいほど知らない。
本書は大きく分けて二つのシーケンスから成り立っている。
一つは書き手である森達也自身が自分の足でクォン・デを追うものと、森達也があらゆる文献を元にフィクションを交えてクォン・デやファン・ボイ・チャウの行動を文章化したものだ。
つまり後者のシーケンスの登場人物達の心情や、行動の真意は単なるフィクションである。
読んでいても彼らの悲観や情熱を作者が愛しすぎているきらいはある。だから文章から悲哀の二文字が立ちこめ過ぎてい -
Posted by ブクログ
オウムのドキュメンタリー映画があると聞いて、どこかで気になっていたけれど、見る機会が持てずにいた。その映画、『A』の舞台裏を監督自身が語ったこの本も、しばらく前に買っていたのだが、忙しさに紛れて本棚に放り込んだままだった。今、読む気になったのは、ある意味、『1Q84』で何となくオウムのことを思い出したから。そういう意味ではやはり、『1Q84』でいろいろ考えたということなのだろう。1995年という年は大変な年で、年明けから阪神淡路大震災、そして3月には地下鉄サリン事件があって、どうもあの頃から日本の安全神話ががらがらと崩れた感がある。それはともかく、オウム自体にはずーっと「わからない」感がつきま
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<―オウムの中から見ると、外の世界はどう映るのだろう?一九九五年。熱狂的なオウム報道に感じる欠落感の由来を求めて、森達也はオウム真理教のドキュメンタリーを撮り始める。オウムと世間という二つの乖離した社会の狭間であがく広報担当の荒木浩。彼をピンホールとして照射した世界は、かつて見たことのない、生々しい敵意と偏見を剥き出しにしていた―!メディアが流す現実感のない二次情報、正義感の麻痺、蔓延する世論を鋭く批判した問題作!ベルリン映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭をはじめ、香港、カナダと各国映画祭で絶賛された「A」のすべてを描く。>
松本死刑囚は死刑を待つ状態にあり、オウム事件は過去のことになりつ -
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本書は、物・事の見方を変える方法論だったり、思考方法だったりを期待して
読み始めると、ちょっと期待はずれになる場合があります。内容は、そうなんですが
科学的、学術的な感じではなく、筆者自身の経験を元に、さらに、短編集のような
感じなので、エッセイを読んでいる感じに似ています。その中で、視点をずらす方法
仕方を学び取るって感じですね。
内容は、上記にも記載しましたが短編集の形態をとっていますので、一貫性を
述べる事は難しいと感じていますが、それでも、ベースとなっているのは、
オウム真理教問題を発端にした、メディア批判でしょう。つまり、視点をずらす
という事の最初の階段は、メディアを信用しない事