森達也のレビュー一覧

  • 職業欄はエスパー

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    超能力者と呼ばれる人たちのメディア外の姿を追ったノンフィクション。
    あるのかないのか、ホントウなのかウソなのか。
    「ない」モノやコトを「ある」と言う人たち。それを科学や物理の法則に当てはめて「ない」と否定する人たち。 
    分からないから知りたい。でも分からない。

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    2012年05月31日
  • メメント

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    自分のダメな部分も文章にしてさらけだせるのはすごいなぁ。久々に森さんのを読んだので、これくらいの長さの文章が考えながらにはちょうどベストでした。

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    2012年04月17日
  • 視点をずらす思考術

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    ネタバレ

    ≪目次≫
    第1章  社会の多数派からずれる
      知っているのに知らない死刑
      痴漢と逮捕、どちらが情けない?
      メディアは危機を煽る
      定年をむかえる憲法
      裏日本は「心の日本」
    第2章  国家を懐疑するまなざし
      「愛国心」に自由を
      天皇崩御の日を忘れない
      なぜ今上天皇は「君が代」を歌わないのか
      「憲法前文」は正しいのか、間違えているのか
    第3章  多面的矛盾に満ちた「現代の不安」
      ビンラディンへの手紙
      ビンラディンへの手紙を書いた経緯と理由
      ブッシュの示す「凶暴な優しさ」と正義
      禁煙への自由
      親鸞の残した「わからない」の教え
    第4章  あえてメディ

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    2012年03月26日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    テレビではどの局も、情報が分かりやすく結論も決まっているかのように、同じような内容を伝えられている。そうした日本のメディアの問題を捉えている。タブーを映像化してきた森達也さんのドキュメンタリーに対する姿勢が理解できる本。

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    2012年03月11日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    森達也のドキュメンタリー論とでも呼ぶのが正しいのだろうか。

    たしかに本書に書かれているように、「ドキュメンタリー=公正なもの」という意識は我々の中に根付いている。
    ただ、実際は監督の意思にそって進められている映像作品であり、それが正義だとは限らない。
    しかし、観ることで自分のなかに問題定義を呼びかけてくる作品かどうかは重要で、少なくとも私にとって森氏の映像作品や著者はそういう存在であることは確かだ。

    ドキュメンタリーが好きだと自負する人こそ、本書を読んで頭をガツンと殴られてほしい。

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    2012年02月23日
  • メメント

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    久しぶりの森達也。本作で12冊目。結構読んだな。

    主として生命・死をテーマとした文章を書き連ねている。
    タイトルのメメントは、ラテン語の「メメント・モリ=死を想う」から来ているから、
    そのテーマ設定も頷けるところである。

    善人が大量虐殺を犯す、仮想的が先制攻撃を正当化する等、
    いわゆる森節は健在で、その意味では「世界はもっと~」や「世界が完全に~」
    などからブレはない。

    特徴的なのは、文筆業であることへの違和感・飽きだろう。
    恐らくは2001年発表の「A2」以降、映画のみならず、映像作品を
    ほとんど発表してない禁断症状が出ているとみた。

    しかし、森達也ってこんなに動物を飼っていたのか(

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    2012年02月20日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    A,A2とみて最後にAの文庫を読んだ。
    ある意味で映画と補完関係にあって、非常に理解が進んだ。
    結局オウムを見る事はその外側にあった我々社会を見ることになり、
    報道によって起こされた社会現象の数々の本当のところを暴露する。

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    2012年02月19日
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく

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    ドキュメンタリーのマニアックな話(巨匠やその代表作の偉大さ)に多くのページ数が割かれ、かつ文章が冗漫であるため、読むのに時間がかかったが、核となる主張は以下の通り

    ■ドキュメンタリーは決して客観的事実の蓄積ではなく、あくまで主観に基づいて創作された、自分本位な「作品」

    ■すべての映像は主観基づいて作られている(すべての映像はドキュメンタリーだ。 ジャン=リュック・ゴダール)。なぜならば、すべての映像はキャメラによって主体的に映像を現実を切り取る、そして選択的に編集するという、二つの過程を経ているからである。

    ここのエピソード(ex 地域住民は実はオオム信者をマスコミから守っていた)は大変

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    2012年01月26日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    最後のベルリン映画祭でのエピソードに思わず涙してしまいました。
    山手線車内にて。
    オウムというものを通して森さんが描く日本は、特異な環境なのでしょうか。
    少なくとも、この著書を読み終わり感じたことは、そこにいた人々も「普通の」日本人だったのではないかとの思いです。
    オウムの教団に属して、地下鉄にサリンを蒔いたとされる人々は死刑に処されるのは時間の問題かもしれません。

    決して、日本という社会がその事件が起こった背景に深く掘りこまないままに。

    それでよいのか、森達也監督の映画を見て、今一度考えたいと思います。

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    2011年11月29日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    ★分かりの良い物語に回収させない★映像も含めずっと気にはなっていたが、ようやく本を読む。麻原が捕まった後に荒木・広報副部長を主役に据えた取材とは知らなかった。その前からずっとオウムを追っていたからこそ、これだけ評価されたのだと思い込んでいた。人が「もう終わった」と思ったあとからでも、成果を上げる余地はあることを改めて知った。しかし本の趣旨が撮影記録である以上、先に映像を見るべきだったか。「A2」「A3」も手元に準備したが、映像の後に回そう。
     完全なオウムバッシングの中で取材内容がテレビで放送される可能性がなくなり、大手メディアの限界という別の側面が作品に加わった。結果としてそれでも(費用の負

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    2011年06月12日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    地下鉄サリンから15年以上がたったこと、麻原氏に死刑判決が確定したことなどに関して、感慨深いです。この書のように、事件現場の息吹をそのまま感じさせる文章は貴重です。オーム真理教について、冷静に考えることができるためには、時間が必要でした。オームが言っていた「解脱」ということは、言葉を変えてほとんどの宗教団体が求めていたものと同じだと感じています。犯罪に向かったことは、たぶん麻原の資質によることが大きかったでしょうが、彼の宗教的な考えと方法を含めたきちんとした考察を求めたいと思います。この本は、ドキュメンタリーの手法の教科書として、メディア【テレビ】論としてすばらしい。大きな事件には、すぐに安易

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    2011年05月13日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    映画を観てから読もうと思って、積読くこと約1年。
    大型連休にようやく読み終わりました。

    内容は基本的に映画の流れを踏襲しているので、副読本として読むと便利。
    異なる点は、表現者・制作者である森達也自身が、映画よりも登場人物として前面に出てくるところ。
    特にテレビの制作会社との契約解除から、意固地になりながらも、どこかテーマ性に魅かれ、
    淡々と撮影を続けるあたりなどは、もうひとつのドキュメンタリーを見ているようでした。

    興味深いのは、社会学者・宮台真司による巻末の解説付録。
    以下、簡単に要約する。

    ***

    現代社会システムのなかで、私たちいろいろなことを「体験」する。
    その体験に解釈を与

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    2011年05月07日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    村上春樹の、被害者側の話、オウム側の話をそれぞれ読んだあとは、オウムのドキュメンタリーをできるだけ客観的に撮ったという森達也の本に流れ着きました。オウム側もこちら側も、1つの価値観に思考を停止させて追随してしまう状態は同じ。戦時中は言うまでもなく、今でも会社という組織の中では、そのような状態に陥っているかもしれないし、さらに言えばこの社会が持つ価値観、いわゆる世間体に思考停止して追随しているだけとも言える。森達也はいつものごとく結論を出さないまま、なんというかダラダラしているけれど、そのダラダラ感って大事なときもある。簡単にすぐに善悪の判断をしてしまって悪だと判断したものを攻撃(例えばオウムが

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    2011年09月02日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    ドキュメンタリーディレクター森達也がオウム真理教にまつわるドキュメンンタリー映画『A』を¥の取材を始めてから公開にたどり着くまでの撮影ノートを纏めたもの。オウム真理教とそれを取り巻くマスコミ及び一般社会という両極端で思考停止してしまったかのような狭間において、両者の通訳役とも言える立場になった荒木浩氏と、それを取り続ける森達也本人と。「ドキュメンタリーは最終的に主観で創られるのだらか公正中立などありえない」と判っていながら両者の距離のとり方に揺れ動く森さん本人が主人公のようなレポート。森さんが揺れやすい性格なのはある程度判っていたけれど、それが一番表に出ている作品かも知れない。

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    2011年08月19日
  • 視点をずらす思考術

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    出版されたときに購入して、読んだと思ったら読んでなかったこの本。雑誌とかに掲載されたものを加筆修正して本にまとめた形なのでさらっと読める。だから通勤・通学電車とか、そういう時間に読むのに丁度良いかもしれない。森さんの主張に頷く頷かないに関係なく、ふと考えるきっかけや材料にきっとなると思う。

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    2011年01月13日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    「たくさんの人を殺した悪い人たちよ」
    娘さんのこの一言が頭から離れないのは、自分の感覚にはまるからか。
    思うことを、考えることをことばにしようとすると全然まとまらない。そんなことがよくある。実際ことばになって外に出せても、なんか誰かが言ってたことのように思える。どんどん自分が見つからなくなってぐちゃぐちゃになる。
    だけど、森さんの本を読むたび、わからないなりに、ぐちゃぐちゃなりに、でも考えることは止めないでおこうと思う。ただ自分のことばをさがすことだけは面倒くさがらずに、頑張ろうって思う。
    『A』の被写体はオウムだけど、でもたぶん、そこに映ってるのは人間そのものの姿なんだろうな。映画は受験が終

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    2010年11月02日
  • クォン・デ もう一人のラストエンペラー

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    歴史の闇に埋もれてしまったベトナムの王子、クォン・デについて書かれたドキュメント。
    クォン・デと言う人物は読むまで知らなかった。ベトナムの歴史も、ほとんどと言っていいほど知らない。
    本書は大きく分けて二つのシーケンスから成り立っている。
    一つは書き手である森達也自身が自分の足でクォン・デを追うものと、森達也があらゆる文献を元にフィクションを交えてクォン・デやファン・ボイ・チャウの行動を文章化したものだ。
    つまり後者のシーケンスの登場人物達の心情や、行動の真意は単なるフィクションである。
    読んでいても彼らの悲観や情熱を作者が愛しすぎているきらいはある。だから文章から悲哀の二文字が立ちこめ過ぎてい

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    2010年08月25日
  • 悪役レスラーは笑う

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    力道山が日本プロレス界の表看板なら、裏で支えたのはグレート東郷か。しかし、追えば追うほどその人物像は謎を深めて行く。

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    2010年06月21日
  • 首都圏生きもの記

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    じゅんさんに教えていただいた森達也さんの新刊。学研の新書なので探すのが大変でした(^^)「社会派」「硬派」なイメージの森さんが「何故?」と思うんだけれど、元々お好きなジャンルだったらしい。首都圏に生息する生き物の生態を追ったエッセイ。所々脱線して政治の話や、「人間」の身勝手さに突っ込むところが森さんらしい。印象に残ったのはカラスの話。お約束のように脱線してテロリズムと報復の話に繋げたのはお見事でした。(ちょっとあざというと本人も言ってますが(笑))

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    2011年08月19日
  • 「A」 マスコミが報道しなかったオウムの素顔

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    オウム真理教に対して、その信者の一人の荒木浩に対して親近感が湧いた。なるべく、見ないようにしていたものを、しっかりと内からみることの大切さを知った。ドキュメンタリーの映像もぜひ見てみたい。

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    2010年04月29日