森達也のレビュー一覧
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テレビ・新聞等、特に大手メディアは物事の一面に光を当てているに過ぎない。ということは多少賢い人間なら誰でも了解する事実だろう。しかし、世の中にはそれが絶対正しいと思っている頭の固い人が想像上に多いようだ。正しい正しくないという2元論がよくないとはいわないが、(そもそも、いい悪いというのも2元論だ)その方法だと、とんでもなく間違った方向にみんなで突っ走ってしまう可能性がある。それは過去の歴史を鑑みれば、火を見るより明らかだ。(明らかに誰が考えても了解できるような場合を除いて)それより、70%正しそうだとか、これは保留しておこうといった態度を取っておいたほうが懸命だろうと個人的には思う。視点をず
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ネタバレ内容はというと、タイトルまんま、エスパーという職業で生活している人の日常を追ったドキュメント。“放送禁止歌”のドキュメンタリー監督+作家の森達也さんが著者。
この本はエスパーの嘘本当の白黒をつける!というより、エスパーと著者の人間同士の関わり合い、その中での心を動きが描かれていて、取材の中で自身が色んな壁に邪魔されながら、いつも「どっちだろう?どっちだろう?」悩みながら取材を続ける著者の心の動きが自分とリンクして、一緒に色んなことを考えながら悩みながら、本を読んでいくかんじ。森さんの本はこういった身近なテーマと、森さん自身の葛藤などを軸に、社会のしくみとか、自分自身の意識とかそういったことを -
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もりたつは、私のメディア的なものへの視点に大きな影響をくれた人です。
「真実」を語るジャーナリストと「現実」を語るドキュメンタリーが何よりもうさんくさいと思う私には、好きなメディア論。
・ドキュメンタリーが描くのは、異物が関与することによって変質したメタ状況なのだ。作り手が問われるべきは、その事実に対して、どれだけ自覚的になり、主体的に仕掛けられるかだろう。
・その仕事は、客観的な事実を事象から切り取ることではなく、主観的な真実を事象から抽出することだ。
・わかりやすさばかりが優先された情報のパッケージ化をマスメディアが一様に目指す状況だからこそ、あいまいな領域に焦点をあてるドキュメンタリー -
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ネタバレ[ 内容 ]
都会には多くの生きものたちが、人間とともに日々の営みを続けている。
そんな彼らに焦点を当て、著者自ら撮影した写真とともに綴った、ユニークな一冊。
[ 目次 ]
アニメのキャラ萌えプラナリア
カッターでプラナリアを三等分!
昆虫の王者ノコギリクワガタ
身を挺して水を浄化するイトミミズ
がんばれ皇居の外来種
これだけはダメ!ハリガネムシ
蛾はそのまま縫いぐるみ
黒い羽毛の下にいる高等生物カラス
無意味なゆらゆらナナフシ
冬の畑の生きものたちと相転移〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆ -
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[ 内容 ]
空気を読むのをやめてみないか!
メディアの常識に従わずに世界を見つめる試み。
[ 目次 ]
第1章 社会の多数派からずれる
第2章 国家を懐疑するまなざし
第3章 多面的矛盾に満ちた「現代の不安」
第4章 あえてメディアをずらして見る
第5章 脱線をおそれないアウトサイダーたち
第6章 日々の暮らしのなかのモノの見方
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度( -
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一般に、ドキュメンタリーは「客観的」で「公正中立」であるはず
とする価値観が定着している。
けど著者はあり得ないと論破する。
私も強く肯定する。情報に公正中立などあり得ない。
そこには、何らかの、誰かの恣意性が必ず入っている。
たとえ、あなたが一次情報に触れたとしても、そこには既に作為が介在している。
でもそれで構わないのだと思う。
作為、恣意、煽動、色々なことばがあるが、
情報にそれらが介在することを自覚すること、想像することが大切なのだと著者は説く。
ビルに激突する旅客機の映像を提示するのがメディア報道なら、
ハイジャック犯たちのその瞬間の心情を想像する作業がドキュメンタリー
作 -
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森達也、まさかの生きもの本。
本人曰く、前々から生きもの作品は手がけてみたかったとのこと。
そう言及しているだけあって生き物分析の切り口は多様。
「そういえば、いつも見ている鳥をこういう角度で見たことはなかったな」
と、少し考えれば気づけるハズのことをパッと見せてくる。
ただ、本書のようしょようしょに「森達也が本当に言いたいこと」が垣間見える。
イラク派遣だったり、オウムの話だったり、大衆社会の話だったり。
書きたいのなら、書いて欲しい。生きもの本に紛れ込ませるのではなくて、堂々と、1冊出して欲しい。少なくとも私はキチンと目を通す。
紛らわさなければいけないほど、日本の言論の自由が奪わ -
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[ 内容 ]
第2次大戦直後のアメリカ・プロレス界にて、「卑劣なジャップ」を演じて巨万の富を稼いだ伝説の悪役レスラー、グレート東郷。
さまざまな資料や証言から浮かび上がるその男の素顔は、現代に何を問いかけるのか。
[ 目次 ]
プロローグ――ある<記憶>をめぐって
第1章 虚と実の伝説
第2章 伝説に隠された<謎>
第3章 笑う悪役レスラー
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読 -
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評価は★3つと4つの間くらい。
題材になっている超能力者たちがメディアに登場する際、
ほぼ100%といって論証は、「真か偽か」「信じるか信じないか」。
モリタツは、そこに一定の興味を認めながらも、
時にトリックと論破され、狂人と揶揄されたりする、
そういう論調を伴って生きてきた超能力者たちの日常にカメラを向ける。
つくづく、変わったところに興味を持つ人だと思う。
作品は相変わらず、揺れながら、揺れた世界を描き出している。
読み終わって、魔女狩りの集団心理を思い出した。
異端の存在は自己否定につながるという、妄想に近い憎悪。
面白い作品でした。