森達也のレビュー一覧
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偶然にも今話題のピーター・バラカンによるBABYMETAL批判の話題から始まる。随分前から引っ張ってる話なんですね。
それはそうと、この冒頭対談のテーマとも言える「個が確立し民主主義の根付いた欧米」と「集団主義的な疑似民主主義の日本」という手垢のついた(だからこそ疑う人の少なかった)対比が本書全体を貫くテーマとも言える。それがわずか5年でここまで反転する状況を誰が想像し得ただろうか?個が主張すればするほど民主主義が活性化するのはその通りかもしれないが、それは同時に分断のリスクを孕む。反体制とも言える話者にとって国家という共同体が余りに自明な存在であったことの証左だろう。
繰り返し指摘される日本 -
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好きなライターなので、どんな新しい解釈を提示してくれるのかと期待しながら読み始めた。次々と著作も発表されているためか、1冊1冊の構成の吟味や内容の整理が十分行われないままに発表されているような気がした。「相模原に現れた世界の憂鬱な断面」を、独特の視点で深掘りしてくれることを期待していたのに、実際は日本の裁判の問題点と、被告の責任能力有無の判断にかかわる問題点に、紙面の大半が割かれていた。裁判員制度の開始に伴い、裁判資料が大幅に削減され、裁判が極めて短期に終了することが求められるようになった。その結果、裁判自体が動機や背景に関わる真実の追求の場ではなく、単なるセレモニー化している。こういった問題
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Posted by ブクログ
数年ごとに起きるオカルト、スピリチュアルブーム。繰り返される真偽論争。TVドキュメンタリー『職業欄はエスパー』を製作し、単行本を出した森達也氏による『続編』といったものであると僕は解釈をしております。
これは筆者の制作したドキュメンタリー『職業欄はエスパー』の書籍化されたものの続編で、単行本化される際に、大幅な変更が加えられた後に出版されたのだそうです。
僕はかつて『職業欄はエスパー』の映像版も書籍版も両方に目を通していたのですが、内容をあまり思い出せずに、彼がここでたどった軌跡を追っておりました。
ここで描かれているのは数年ごとに起きるオカルト、スピリチュアルブーム。繰り返される -
Posted by ブクログ
ネタバレメディアが機能不全を起こせば、悪い影響を与える。メディアと国民の同質化、その国民が選ぶ政治家も同じレベルになる。
メディアが増えた。今後も加速する。
上野の国立科学博物館。
人間は群れたから成長できた。副作用がある。場の空気を読むのは本能。
暗示を受けやすく信じやすい性質がある。
集団は暴走する。
断言と反復で戦争に導ける。
自由の責任に耐えられない=フロム『自由からの逃走』
放送禁止歌の規定はない。自主規制だけ。
国別のキャラクターの証明=エスニックジョーク。船が沈没するときの飛び込ませるアナウンスの例。
集団性は、マスゲームを見ても、どの民族にも共通する傾向だが、日本人は強いのではないか -
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森達也『虐殺のスイッチ』ちくま文庫。
様々な国や時代で起きる虐殺。
虐殺が起きるメカニズムを解き明かすノンフィクションかと思ったら、森達也がこれまでに手掛けた『A』シリーズを事あるごとに引合いに出す自己満足的なエッセイのような作品だった。
最近は日本国内でも、毎日のように殺人事件のニュースを耳にする。殺人だけでなく、我が子を虐待する親や同級生を過激な虐めで死に追いやる学校生徒。まるで人間の持つ良心という抑止の箍が外れたかのようだ。大昔、『ススムちゃん大ショック』という永井豪の漫画があったが、まさにそんな状況だ。
世界に目を向けても、ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射実験、 -
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Posted by ブクログ
親ガチャ、という言葉は刺激が強い。けれど、どこか、中空だ。親は選べないけど、こうした私がいるのは、先祖から延々とつないできた命の営みの必然だったりする。問題は、この言葉が一見生まれによる不運さ、を切り取っているようで、強烈に親ガチャで決まるような社会は生きるに値するのか? という問いを内包しているのではないか、ということだ。生まれに着目すれば、次にでてくるのは育ち。育ちとは何か。環境と引き継いだものの影響の及ぼしあい。
しかし、親ガチャで決まるということは、この間の一切合切が、省略されたレールの上に載っているということか。透明カプセルのなかで、社会そのものをスルーする。そこにあるのは、うまく