田中啓文のレビュー一覧
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昼間は警察官、夜や休日は漫才コンビの片割れとして
舞台に立つ...という「ありえへん」設定(^ ^
最初っから「ドフィクション」と思って読むので、
気楽にあははあははと楽しめる(^ ^
ただ、おバカな設定の割には(?)
主人公のお笑いに掛ける熱意は本物で。
しかも刑事としての能力も高くて、がウソっぽいが、
お笑いについては変に「天才扱い」されずに
コンテストで賞を逃して悔しがったりするあたりが、
とてもリアルで感情移入できる。
周囲の人物、主に警察関係者がアホばかりだったり、
同僚との結婚話とかは余計かな...とか、
ツッコミどころは数々あれど、
気軽なエンタテインメントとしては
充分に楽 -
Posted by ブクログ
「シケメン」の小学五年生清海忠志(きよみただし)は、クラスのお楽しみ会で予定していた漫才を、相方の真一の裏切り(笑)によって、ひとりで何かやらなくてはならなくなる。「俺、落語する。落語やったらひとりでできるやろ」。
無謀とも思える忠志の落語への挑戦。誰もが不可能と思ったことを、忠志はやり遂げることができるのかーーーーー!!
というような大げさな話ではなく、お笑い好きの小学生がひょんなことから落語の魅力に目覚め、思いがけない展開になっていくようすが、大阪弁をベースにしたはんなりとした語り口でつづられます。田中啓文さんの本ははじめて読んだのですが、読みやすくてとても楽しかったです。
落語×SF -
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22世紀末、過去の人間たちが次々に生き返り始めた。最後の審判だ。しかし神の審判が下る前に、六百億人の人口になってしまった地球は大変なことになった。幸いこの復活に先立って、人類は2つの発明を成し遂げた。ひとつは魂を肉体から取り出して他の肉体に移し替える技術である。税金を払えないものは肉体から取り出されて他人の肉体に間借りすることで何とかこの人工爆発に耐えることになった。
たぶん、この話の主人公と思われなくもない桃屋ピンクは、12歳の〈自由人〉だったが、〈自由人狩り〉に捕まって、額田王の体に間借りして2年。4人で一つの肉体を共有しているのであるが、4人で合議して体を動かすのではなく、6時間毎、 -
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アケルダマ。この奇妙なタイトルを見て、咄嗟に新約聖書の福音書を思い浮かべる人は、残念ながら日本ではそう多くないと思う。
すぐに本書中で触れられるが、これは裏切り者の代名詞ともなっている「ユダ」が、キリストを銀貨30枚でユダヤの大祭司に売り渡し、その後その銀貨をもって購入した地所であり、ユダはその地で首をくくった(または身を投げた)。
と、されている。
まあ福音書というものは、イエス・キリストが死んでから何世紀か後に記されたものであるから、真偽のほどは定かではない。
しかし本書を読むまで、新約聖書にこれほど「血」に関する描写が多い事に、迂闊にも私は気付いていなかった。
子供の頃から何度となく再読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新書購入
推理。落語。現代。
続き物。
とさか頭の不良の竜二(芸名・梅駆)は、酒癖の悪く暴力を振るう師匠笑酔亭梅寿の元に住み込みで弟子入り中。
いろんな事件に巻き込まれて・・・。
いろんな才能があるらしい竜二。(演劇の才能も、落語家の才能も、推理能力もあるのですよ、彼は)
でも当人はまったく気がつかない。
思ったよりも素直・・・(お馬鹿さんなまでに素直)
師匠は理不尽だが、竜二のことをちゃんと考えているので、ときたますごーく能動的に裏で動く。
たびたび師匠の体の具合が悪いことが、作中に出ていたが、今回ついに入院。意識不明。
竜二は激しく動揺する。父親に倒れられたよ