【感想・ネタバレ】アケルダマのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2015年11月20日

アケルダマ。この奇妙なタイトルを見て、咄嗟に新約聖書の福音書を思い浮かべる人は、残念ながら日本ではそう多くないと思う。
すぐに本書中で触れられるが、これは裏切り者の代名詞ともなっている「ユダ」が、キリストを銀貨30枚でユダヤの大祭司に売り渡し、その後その銀貨をもって購入した地所であり、ユダはその地で...続きを読む首をくくった(または身を投げた)。
と、されている。
まあ福音書というものは、イエス・キリストが死んでから何世紀か後に記されたものであるから、真偽のほどは定かではない。
しかし本書を読むまで、新約聖書にこれほど「血」に関する描写が多い事に、迂闊にも私は気付いていなかった。
子供の頃から何度となく再読しているにもかかわらず。
作中、聖書からの引用は最も日本で普及しているであろう口語訳を用いているが、登場人物のうち聖書に関連する人物名は全て英語式となっていて、これも一般にはわかりづらい仕掛けと思う。
そういや、聖書に登場する何人かのヤコブは、英語だとJamesになっているのとJacobになってるのとあるのか……ううむ、どこに差があるんでしょうねえ。
本作は伝奇小説家としての田中啓文が独自のアプローチで聖書を読み解いた伝奇小説でありながら、主人公を性格的にはごく普通の女子高生とした事で、よりライトな青春小説風味を与えており、ライトノベル間隔でどんどん読めるにもかかわらず、骨太のしっかりとした伝奇小説でもあるという、一冊で二度美味しい作りになっていた。
『水霊』にならぶ大ヒットになるのではないかと期待!

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年01月05日

閉鎖的な地方に引っ越した女子高生が、奇妙な生徒会に巻き込まれるところから始まる伝奇小説。
日ユ同祖論から始まり、イエスと吸血鬼の関係、ユダが人類側でイエスと十一使徒が人類の敵など、どこかで見たことがある感じで話が進みイエスを再封印する話。
ユダ側も怪しげな雰囲気のため最後に一捻りあるかと思ったが、特...続きを読むになく神様は人間の事なんか気にしてないよね、という素直な終わり。

0

「小説」ランキング