田中啓文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アケルダマ。この奇妙なタイトルを見て、咄嗟に新約聖書の福音書を思い浮かべる人は、残念ながら日本ではそう多くないと思う。
すぐに本書中で触れられるが、これは裏切り者の代名詞ともなっている「ユダ」が、キリストを銀貨30枚でユダヤの大祭司に売り渡し、その後その銀貨をもって購入した地所であり、ユダはその地で首をくくった(または身を投げた)。
と、されている。
まあ福音書というものは、イエス・キリストが死んでから何世紀か後に記されたものであるから、真偽のほどは定かではない。
しかし本書を読むまで、新約聖書にこれほど「血」に関する描写が多い事に、迂闊にも私は気付いていなかった。
子供の頃から何度となく再読しているにもかかわらず。
作中、聖書からの引用は最も日本で普及しているであろう口語訳を用いているが、登場人物のうち聖書に関連する人物名は全て英語式となっていて、これも一般にはわかりづらい仕掛けと思う。
そういや、聖書に登場する何人かのヤコブは、英語だとJamesになっているのとJacobになってるのとあるのか……ううむ、どこに差があるんでしょうねえ。
本作は伝奇小説家としての田中啓文が独自のアプローチで聖書を読み解いた伝奇小説でありながら、主人公を性格的にはごく普通の女子高生とした事で、よりライトな青春小説風味を与えており、ライトノベル間隔でどんどん読めるにもかかわらず、骨太のしっかりとした伝奇小説でもあるという、一冊で二度美味しい作りになっていた。
『水霊』にならぶ大ヒットになるのではないかと期待! -
Posted by ブクログ
ネタバレ新書購入
推理。落語。現代。
続き物。
とさか頭の不良の竜二(芸名・梅駆)は、酒癖の悪く暴力を振るう師匠笑酔亭梅寿の元に住み込みで弟子入り中。
いろんな事件に巻き込まれて・・・。
いろんな才能があるらしい竜二。(演劇の才能も、落語家の才能も、推理能力もあるのですよ、彼は)
でも当人はまったく気がつかない。
思ったよりも素直・・・(お馬鹿さんなまでに素直)
師匠は理不尽だが、竜二のことをちゃんと考えているので、ときたますごーく能動的に裏で動く。
たびたび師匠の体の具合が悪いことが、作中に出ていたが、今回ついに入院。意識不明。
竜二は激しく動揺する。父親に倒れられたような心境に。
基本はギャグと人情物ですが・・・医者の言った言葉は深いです。
「笑芸人は死んだらあかん」
消えていくのみ。
そうでないと、客はその笑えるネタを思い出したときに、哀しい気分になるから。
なんだかとっても・・・厳しいですね。
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Posted by ブクログ
そろそろフリージャズに手を出すか。
引用
「マイルスが死んでジャズは終わったというひともいますがそれはとんでもない誤解です。各地のライヴハウスでは、若いミュージシャンたちが「今の音」を熱く奏でています。 本書は、そういったジャズに関する誤解を解く本です。現在進行形のジャズは、実はパンクと同じぐらい過激で、ポップスと同じぐらい楽しく、ヒップホップと同じぐらい身体に感じる、かなりヤバくて激アツで全身を直撃する音楽なのです。とくに「フリージャズ」と呼ばれるジャズは、その成立から、小むずかしい、わけのわからない騒音じみた、政治や思想臭がつきまとう、頭でっかちの音楽だと思い込んでいるひとも少なくありませんが、それは100パーセントまちがっています。実はこんなにわかりやすい音楽はありません。なぜならフリージャズは頭で聴く必要がないからです。身体で聴けばいいんです。フリージャズこそ、めちゃめちゃおもしろく、なーんにも考えなくても(もちろん考えてもいいんですが)ただただ楽しめる、かっこいい、ガツンとした手応えのある音楽なのです。」