俵万智のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
俵万智(1962年~)氏は、早大第一文学部卒の歌人。大学卒業後、高校の国語教員として働きながら発表した『野球ゲーム』が1985年の角川短歌賞次席となり、その奔放で斬新な表現で現代口語短歌のホープとして一躍脚光を浴びた。『八月の朝』で1986年の角川短歌賞を受賞。翌年に発行した第一歌集『サラダ記念日』は刊行前から話題を集め、歌集としては異例の大ベストセラーとなり(280万部で1987年度ベストセラーランキング1位)、社会現象を引き起こした。その後も、歌集、エッセイなどを多数執筆。
私は著者とほぼ同世代で、『サラダ』は発表当時に一読したものの、引越しを繰り返すうちにどこかへ行ってしまったのだが、最近短歌を詠む友人に刺激を受けてぽつぽつと歌を詠み始めたことから、本書を手に取った。(『サラダ』も文庫版で入手した)
本書は著者が、短歌を作る上での「言葉の技術」を語ったものであり、季刊誌「考える人」に2002~2004年に連載された「考える短歌」と、『三十一文字のパレット』、『記憶の色 三十一文字のパレット2』(共に中公文庫)からの再録(大幅加筆修正)である。
構成は以下の通りで、そのまま一言アドバイスになっている。
第一講:「も」があったら疑ってみよう
第二講:句切れを入れてみよう/思い切って構造改革をしよう
第三講:動詞が四つ以上あったら考えよう/体言止めは一つだけにしよう
第四講:副詞には頼らないでおこう/数字を効果的に使おう
第五講:比喩に統一感を持たせよう/現在形を活用しよう
第六講:あいまいな「の」に気をつけよう/初句を印象的にしよう
第七講:色彩をとりいれてみよう/固有名詞を活用しよう
第八講:主観的な形容詞は避けよう/会話体を活用しよう
また、著者は技術面に先立って、「はじめに」で以下のように語っているのだが、歌を詠むにあたって心に残る記述である。
「短歌は、心と言葉からできている。まず、ものごとに感じる心がなくては、歌は生まれようがない。心が揺れたとき、その「揺れ」が出発点となって、作歌はスタートする。・・・日頃から、心の筋肉を柔らかくしておくことが、大切だ。・・・私にとっては「短歌を作ること」そのこと自体が、なによりの柔軟体操になっている。もし、自分が短歌を作っていなかったら、慌ただしい毎日のなかで、「あっ」と思うことがあったとしても、思いっぱなしで過ぎてしまうだろう。短歌を作っているからこそ、その「あっ」を見つめる時間が、生まれる。たとえ隙間のような時間であっても、毎日の小さなつみかさねこそが、大切だ。「あっ」を見つめて、立ちどまって、味わいつくすことが、心そのものを揉みほぐしてゆく。」
著者の語る「心」と「言葉(の技術)」を心に留めて、これから地道に歌を詠んでいきたいと思う。
(2021年3月了) -
Posted by ブクログ
雑誌に掲載されていた子育て短歌ダイアリーの
後半部分。幼稚園から小学生時代を綴っている。
シングルマザーとして、親元の仙台に暮らしていた時
東日本大地震が起こり、落ちつかない一時期を
逃れていっとき避難のつもりで沖縄へ。
友人の住む石垣島へ滞在したのがきっかけで
その小さくて限りなくあったかいコミニュティー、
あふれんばかりの圧倒的な大自然!
体験を重ねるうちに、移住を決める。
インドア派を自称する俵万智さんが
免許もなく移動の不便もなんのその。
「助けてください」と心を込めた「ありがとう」を武器に?!
子供にとっては変えがたい経験を。
言葉を紡ぐものとしての、息子さんに触れる言葉たちは
とても、印象深い言葉が多く、良い作品でした。
子育てを過ぎてしまったひとにも、
真っ只中にいる人にも、
ともに、素敵な一冊になるのでは。