俵万智のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東日本大震災をきっかけに、小学生の息子さんを連れて
石垣島へ移住した
歌人、俵万智さんの歌集。
震災時の緊迫した心境を綴った歌から
大自然の光に包み込まれているような歌まで
様々な短歌がありますが
なんといっても、タイトルにもなっているこの歌が、
印象的でした。
「オレが今 マリオなんだよ」 島に来て 子はゲーム機に 触れなくなりぬ
この歌は、息子さんとの
実際の会話からつくられたそう。
どれだけ文明がすすんでも、きっと
大自然がもともとはじめから持っている、
圧倒的な豊かさには、かなわない。
そう、思わずにはいられませんでした。
心に残る歌に出会える
素敵な一冊です。 -
Posted by ブクログ
俵万智はNHKインタビュー「ここから」で、この本の内容の一部に触れている。
「今は言葉の時代で、言葉が世の中に溢れている。みんな自分が発信できることで、言葉が身近なツールとしてあるけれども、便利さゆえにトラブルも起こったりどうやって使っていいかわからない・・・インフラはすごく整って高速でバンバン行けるんだけれど、みんな免許を持ってないというような状況かなと思ったりする。」
「言葉が溢れている時代だが、どちらかというと「人と人とを分断する方向」に使われる言葉も目立つ。しかし本来は言葉を使ってどう人と関係を築いていけるかということが言葉の力である。言葉はそもそも人と人をつなげたり関係を紡いでいくために人類が発明したものだ。そういうそもそもの形で言葉を使えるようになるのは一生ものの財産になると思う。」
奥が深く正鵠を射た言葉。 -
Posted by ブクログ
「いい短歌を作るためのヒントがほしい」と思って読んだ。
印象に残ったのは「言葉は目印」という言葉。人の心を表す言葉は言い尽くせない。言葉が小さいのではなく、人の心が大きいのだという。
短歌は、最初からぴったりの言葉を探すのではなく、とりあえず言葉を置いてみて、あれこれ組み合わせるうちに、あとから意味が生まれることもあるのかもしれない。関係なさそうな言葉が思いがけずつながるのも、短歌の面白さだと思った。
「短歌という小さな種は、受け取った人の心の中で培養されて、思いがけない花を咲かせることがあるし、そこまで含めて歌なのだ」という言葉も印象に残った。
また、『枕草子』の話で、「随筆は何を書いて、何を書かないかが肝」というのが興味深い。何でも書けばいいわけではない。残したいものを決め、それを徹底的に描くために、あえて書かないものもある。ありのままをすべて書くことだけが、随筆ではないのだと思う。
言葉を過信しすぎず、ときには立ち止まりながら、それでも何かを伝えるために言葉を紡いでいきたい。 -
Posted by ブクログ
俵万智さんが言葉について、子育てから、ドラマ、SNS、ラップ、そしてもちろん短歌と、様々な方面から探っています。
SNSやWebコンテンツからは日々新しい言葉が生まれ、呟かれた言葉はあっという間に浸透し、だんだん形を変えたりも。普段気にもとめなかった言葉の面白さと「生きてる!」感に気にづきました。
バズる言葉には流行る理由があったんだ、言われてみたらどれも納得です。
言葉を組み立てる作業でも、助詞の違いや単語の位置で印象はガラリ。そこはやっぱり日本語難しい〜、プロってすごい!と唸るばかり。
俵さんの語り口がとにかく楽しく、何よりやっぱり所々に挟まれている短歌に「短歌すげー」ともなります。
あとは息子さんの「オレが今マリオ」発言!子どもの言葉にハッとする事もよくありますが、これは胸アツでした。 -
Posted by ブクログ
俵さんの「言葉」という考え方そのものみたいな根源的なものに触れた気がする。すごく読みやすく、読むのが楽しみだった本だった。
今の現代にある、様々な言葉に関する物が取り上げられていて、ハラスメント、ラップ、。ハラスメント、などなど。とても面白い。そして何より折々に挟まれている短歌が素晴らしいなと思った。
ーつかうほど増えてゆくもの かけるほど子が育つもの 答えは言葉ー
ー優しさにひとつ気がつく ×でなく⚪︎で必ず終わる日本語ー
俵さんも言っていたが、今後いくらAIが流行っても、言葉はなくならないと思う。言葉は大きな力を持っている。千年前の和歌に思いを寄せることができるように、今後何百年立ったとしても言葉による意思疎通は必要となる。グローバル化が進めば進むほど、価値観は違い、それを埋めるために言葉を使う。自分を主張するために言葉を使う。たとえば「ハラスメント」という現象が起こるのは、お互いの認識が違うから。それを埋めようとせずに歩み寄らなければ嫌な思いというのはなくならない。だからこそ、言葉が必要だ。そうつよく思った。とてもよい本だった。また読み返したい。