俵万智のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「考える短歌」で私が試みてみたいのは、短歌を作るうえでの「言葉の技術」をどこまで伝えられるか、ということだ。そのためには抽象的な理屈を並べるのではなく、なるべく具体的な方法をとりたい。そこで「添削」ということを中心に据えることにした。ーはじめにより。
第一講
「も」があったら疑ってみる。
必然性のある「も」
必然性のある「も」の入った歌
○あなたからきたるはがきのかきだしの「雨ですね」さう、けふもさみだれ 松平修文
第二講
句切れを入れてみよう
思い切って構造改革をしよう
せっかく定型に納まったと思わずに
句切れなしの名歌
○ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲
佐佐木信綱
第三講
動詞が四つ以上あったら考えよう
体言止めは一つだけにしよう
動詞が五つ使われている名歌
○大海の磯もとどろに寄する波破れて砕けて裂けて散るかも 源 実朝
第四講
副詞には頼らないでおこう
数字を効果的に使おう
数字の入った秀歌
○一つ駅を乗り越せば違った人生もあると思えり午前八時五十分 光栄たか夫
第五講
比喩に統一感を持たせよう
現在形を活用しよう
現在形で降る雪の歌
○体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ 穂村弘
第六講
あいまいな「の」に気をつけよう
初句を印象的にしよう
初句が印象的な名歌
○たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらって行ってはくれぬか 河野裕子
第七講
色彩をとりいれてみよう
固有名詞を活用しよう
固有名詞を使った秀歌
○あまりよい比喩ではないが東山魁夷のやうな山霧は降る 中山 明
第八講
主観的な形容詞は避けよう
会話体を活用しよう
主観的な形容詞が表現の中で生きている例
○サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい 穂村弘
会話体の応酬
○<反省の色が見えない><反省の色はなにいろ>教師と少年 今井恵子
※ところで、短歌好きの皆さまにお知らせです。
2023年5月28日(日)午後9時から
NHKスペシャル 響きあう歌ーコロナ禍喪失と再生の物語を放送します。
出演は東直子さん他。
再放送は2023年6月1日午前0時35分からです。
お見逃しなく!
(私のTwitter見ていただけると、リツイートしていますのでどのような番組かわかるかと思います) -
Posted by ブクログ
この本の紹介として「キケン!こんな落とし穴がありますよ」という落とし穴集、「便利!こんなレシピがありますよ」という一面と表現、読みやすく親しみが持てる内容。
投稿作品添削例を示しているのが具体的でがらりと生まれ変わるのが癖になる。
全く違う二首を入れ替えることで印象がかわり「小さな飛躍が、言葉に深みを与えてくれる」例、動詞の重なりの解消や変更、序詞の利用、状況説明の省略、倒置法、羅列の効果、「は」を「が」に変えたほうがいい場合が多い、助詞を入れたほうが名詞の首が座る、「できごと+思い」という構造の工夫、連作の並べ方など、実例を通して学ぶことができる。今後の推敲の参考にしたい。 -
Posted by ブクログ
恋の駆け引き、男同士の上下関係、売れない悲しみ
感情がぎゅっと詰まってる一冊。
でも短歌だからあっという間に読めて楽しい。
★この人を支えたい!会いたいホスト短歌賞
君の来ない夜にトイレで聞いている
あいつの席のシャンパンコール
寂しいトイレと盛り上がる場内の対比が好き。
トイレの扉一枚隔てて全く違う空間が広がっているのが情景として分かる!
扉の向こうとこちらとでは、照明の明るさも、音の大きさも、空間の広さも、人の感情も何もかも違う。
扉の向こうからドンドンした低音が響いてくるのを項垂れながら聞くホストの姿を勝手に想像して悲しくなる。
寂しいのは「君が来ない」からっていう理由がキュンとくる。
結局は「会いたい」って一言を逆に34字に増やしてこんなに情景を思い起こさせる手腕に惚れる。
これを詠んだのはグループの会長手塚マキさんだった。
さすがホストで上に行く人は言葉の使い方も巧みだな。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ歌とそれにまつわるエピソードを見開きで紹介。
市橋さんの写真付きで更に歌の世界が広がる。
親子の素敵な関係が歌でこんなに豊かで自由に表現できるのだなあと感嘆しつつ温かい気持ちになれる。
『心のシャッターを切るように書いてきたので、リアルであることは間違いない』
好きな歌
みかん一つに言葉こんなにあふれおり
かわ・たね・あまい・しる・いいにおい
親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト
クレヨンの一本一本一本に名前書く時四月と思う
はじめての波はじめての白い砂はじめての風はじめての海
振り向かぬ子を見送れり振り向いたときに振る手を用意しながら -
Posted by ブクログ
源氏物語は子供の頃から大好きで、いろんな方の訳を読みましたが、短歌は難しいので、わりと飛ばし読みしていました。源氏物語は795首の和歌が登場しますが、あらためてじっくり和歌にふれることで、紫式部から続く、言葉そのものの意味、言葉のに含まれた想い、教養、いえなかったことをほのめかす、その言葉に重なる別の意味の想いを感じることができます。すごくおもしろい。日本の心は本当におもしろい!
先日、源氏物語の1つを鎌倉時代の歌人、藤原定家が書き写した写本が新たに見つかりました。しかも有名な「若紫」の帖!当時、定家のように位の高い人物しか使うことが許されなかった青墨も使われ、定家本といわれる青表紙。戦後初めての画期的発見で、教科書も書き換えられるかもしれないそうです。こちらも内容がたのしみです。