俵万智のレビュー一覧

  • かぜのてのひら

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    ネタバレ

    特に好きな歌。

    ◇母と娘のあやとり続くを見ておりぬ「川」
    から「川」へめぐるやさしさ

    ◇泣きじゃくるチア・リーダーよこんなにも悔しいことがあるということ

    ◇読み終えてしまった推理小説のように男に抱かれておりぬ

    ◇渡されし缶コーヒーは生ぬるくあなたをかばうように飲みほす

    ひらがなとカタカナを意識しながら読んだ。

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    2024年08月19日
  • サラダ記念日

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    1987年に刊行されてベストセラーとなった歌集で、著者が二十代前半につくった短歌を収録しています。

    かざることのない日常のことばを織り込みながら、流れ出るように詠まれた歌とでもいうような印象を受けますが、それが多くの読者にこれまでの短歌とは異なるあたらしさを感じさせたのではないかと思います。ただ、本書に収められている短歌を「みずみずしい感性」ということばで形容することには、わたくし自身はやや躊躇してしまいます。

    本作が刊行された1980年代は、人びとがこれまでにないほど消費社会を謳歌していた時代でした。消費による自己実現がまがりなりにも達成されつつあり、そのことが古典的なジェンダー規範をめ

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    2024年08月15日
  • ホスト万葉集 巻の二 コロナかもだから会わない好きだから コロナ時代の愛なんてクソ

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    1巻目より上手くなってる!
    お母さんの歌がいいわー

    最近は ホストごときで悩んでと 鼻で笑ってやったりもする

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    2024年08月10日
  • サラダ記念日

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    初めて最後まで読んだ。短歌集なので読みやすい、が、57577の31の言葉の中に吹き込まれている世界が広い、大きい、深い!!
    解説にもあるが、字余り字足らずが少なく、57577の定形型にはまっているため、リズミカルに詠めて、ノれる。
    読んでいて楽しく、胸が躍る歌集は久しぶりだった。これはいい!

    お気に入りの歌

    江ノ島に遊ぶ一日それぞれの未来があれば写真は撮らず
    →また次も来る。確信があれば写真なんて撮らなくていい。未来の可能性がもたらす安心感、今を楽しもうとする素直な気持ちが、いい!


    フリスビーキャッチする手の確かさをこの恋にみず悲しめよ君
    →フリスビーを投げると相手がキャッチしてくれる

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    2024年07月20日
  • サラダ記念日

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    短歌集では異次元の280万部の超ベストセラー

    わけあって再読したけれども、以前読んだのはいつだっけかなぁ
    少なくとも大学生がその前あたり

    これのヒット以降、些細な事でも「◯◯記念日」という風潮ができた気がする
    世の中への影響力がすごいと思う

    そして、令和の時代になって、SNSで「いいね」の数を競うような風潮に対して
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    今は「いいね」の数を競うような風潮があるけれど、これはたった一つの「いいね」で幸せになれるという歌です
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    と、ツィートするあたりのセンスも含めて、言葉の使い方に魅了される


    収録されている中で、個人的に好きな歌
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    2024年07月19日
  • サラダ記念日

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    ★★★☆☆テレビのドラマと情報番組で取り上げられていたので、積ん読本をよそについつい買ってしまいました。こんな風に思われるっていいなぁ〜と思う歌もありました。揺れる気持ちが分かりやすく表現されていると思いました。

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    2024年07月14日
  • ありがとうのかんづめ~子育て短歌ダイアリー~

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    ネタバレ

    子どもの感受性が素晴らしい。その新鮮さを隣りで受け止め、共感する万智さんがステキだ。
    月山での田植え体験と「缶詰づくり」たくみん(息子さん)から
    「ゆうれいのおかあさんえ、(中略)あかちゃんのときおせわになりました。ありがとう。これからもげんきでね。」とお母さんが死んだ時、一緒にお墓に入れるという可愛いお手紙。

    *太平洋はいま太平の洋となりカタカナで書くバンザイクリフ
    「天皇陛下万歳」と多くの日本兵が身を投げたサイパンの岬。
    *硫黄島、サイパン、グアム 子に語る言葉持たねばひたすらの青

    雨の日のたくみんの感じ方にもビックリ。
    「雨の日は、車の音がかっこいい」と車による音の違いを楽しんでいる

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    2024年07月04日
  • ホスト万葉集 嘘の夢 嘘の関係 嘘の酒 こんな源氏名サヨナライツカ

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    和歌とホストは、相性がいいだろうなと思っていました。
    読んでみてなるほどなと思いました。
    平安貴族は仕事と恋愛のために、せっせと歌を作りました。ホストもそれに重なるところがかなりあります。
    ただ今まで誰もこの二つを結びつけていませんでした。
    それをした手塚氏は、凄い人だなと思いました。
    一読する価値のある本だと思います。
    私は今日から三大和歌集を教える為の参考として、朝1時間少々でざっと読みました。
    全く関係を持たなかった世界を少し垣間見る事が出来て、楽しかったです。

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    2024年07月02日
  • 考える短歌―作る手ほどき、読む技術―

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    言葉の選び方 伝え方 描き方など
    制限の中での表現の深さの浅い部分に触れられた

    何を加えて何を減らすか
    取捨選択と構成の難しさ

    日常会話でも他の表現でもそうなのかも

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    2024年06月29日
  • たんぽぽの日々 ~俵万智の子育て歌集~

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    ネタバレ

    「あの赤い花がつつじで
    この白い花もつつじと呼べる不思議さ」
    子育てしていると、もう一度自分の中に「子どもの目」が宿るという俵万智さん。
    今、孫育て中の私も、「子どもの目」が蘇って嬉しい。

    「逆光に桜花びら流れつつ
    感傷のうちにも木は育ちゆく」
    河野裕子さんの言葉「子どもはね、いつも、そのときが一番かわいいの」社会人のお子さんにもそれが言えるとは。子どもや孫との「いま」を愛おしみたい。

    「いのちとは心が感じるものだから
    いつでも会えるあなたに会える」
    不在を感じる時こそ再会できているのか。
    千の風になったとしても。

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    2024年06月27日
  • サラダ記念日

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    1980年代にベストセラーになり、「男はつらいよサラダ記念日」まで登場し、俵万智さんは時の人となった。
    本棚の隅っこにあった単行本は赤茶けて昭和の香り、ひとり暮らし、失恋の香りがした。
    同時代に地方から出てきた私は彼女の短歌に魅了された。石川啄木や若山牧水が好きだった私には衝撃だった。日常や心象風景がリズミカルに映し出されていく。
    三十一文字に、言葉を切り取り、切り落とす愉しさ。子ども達にも伝えたくて、短歌づくりを一緒に楽しんだこともあった。

    広島カープ サザンオールスターズ
    恋のうた 父、母、弟のうた
    中国で詠んだうた
    久しぶりの再読 新鮮な感動!

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    2024年06月26日
  • 短歌のレシピ

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    俵万智さんの短歌の指南書ですね。
    季刊書「考える人」2004年夏号から2009年冬号連載の「考える短歌」のアンソロジーです。
    添削をされてもいいと云う条件で投稿された短歌を、俵万智さんが十六の講目で、短歌の指南をされています。
     「短歌を美味しく作るには?」というコンセプトでスッキリと美味しい短歌の作り方を三十二のレシピで、解りやすく端的に綴られています。

     第一講 味覚に訴えてみよう
         擬音を生かそう
     第二講 時には荒療治を試してみよう
     「あの」って、どう? と言われないようにしよう
     第三講 比喩の出し方に心をくだこう
         だめ押しの一歩手前で止めよう
     第四講 枕詞を

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    2024年06月13日
  • 牧水の恋

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    ▼若山牧水と言えば、

    白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり

    くらいしか知りませんでした。この歌は素敵だなあと憶えていました。
    それ以外どんな人か全く知らず。たまたまBOOKOFFで見つけてなんとなく購入。

    ▼歌人の俵万智さんが書いています。評伝です。時折、「同じ短歌詠みとしての、俵万智」の視点からの考察や、自作の短歌との比較なんかも出てきます。「自作との比較」がこの本の魅力になっているのかなと言われると、個人的にはそれは無くても十分楽しめたかなあとは思いますが。

    ▼若山牧水という人の人生の評伝、というわけではなく、まあなんとなく若山牧水を全く知らぬ読者も牧水の全貌は分

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    2024年06月01日
  • 牧水の恋

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    旅と酒の人、若山牧水
    好きな歌人です。
    白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
    幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく
    漂泊の詩人、旅と酒を愛する、飄々とした、朴訥な、達観したようなイメージを、牧水に持っていました。
    しかし、これらの名歌が生まれた背景には、小枝子という女性との、報われない恋がありました。
    絶頂から疑惑、別れ、そして歌へと、俵万智が徹底した調査と鋭い読みで、二人の恋を語ります。
    実に丹念に、そして創造力に満ちた、素晴らしい評伝です。

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    2024年05月12日
  • ありがとうのかんづめ~子育て短歌ダイアリー~

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    エピローグでタイトルの理由がわかった。

    この本は先日読んだ「たんぽぽの日々」の続きだったらしい。息子さんの卒園時期から小学5年まで。
    自然豊かな石垣島での子育てにちなんだうた。
    最後まで温かい気持ちで読めた。

    わたしにも「ありがとうのかんづめ」届かないかな。
    でももう受け取ってるのかな。

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    2024年01月26日
  • サラダ記念日

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    ネタバレ

    ・今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海

    ・一週間会わざりければ煮返して味しみすぎた大根となる

    ・愛してる愛してない花びらの数だけ愛があればいいのに

    ・コンタクトレンズはずしてまばたけばたった一人の万智ちゃんになる

    ・会うまでの時間をたっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く

    ・「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

    ・いるはずのない君の香にふりむいておりぬふるさと夏の縁日

    ・金曜の六時に君と会うために始まっている月曜の朝

    ・頼もしく仕事の話する君の頼もしさだけ吾は理解する

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    2023年12月08日
  • 考える短歌―作る手ほどき、読む技術―

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    短歌のコツを集めてあって、お〜こりゃすげえ添削だ となることもあれば、元のもいいね となることもあり、短歌を教えること自体の難しさを感じた一冊だった。
    コツの用例集として捉えた方が良いのかもしれないが、短歌の本質に言及する一章が加えられたりしてもよかったような…少し内容が寂しかったかもしれません 読みやすくて良いとも言える!!!!!!!!

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    2023年10月09日
  • 花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ

    匿名

    購入済み

    ボンヤリしたい時とか•••

    これらの季節の花々を見るだけで心が和む写真です。気が向いた時にいつでも眺められるようにと思い、セール価格になったのを機会に購入しました。入院中の身内に花を持参できないので、タブレットに入れたこの本の花を見てもらうことにも役立ちました。

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    2023年10月09日
  • 考える短歌―作る手ほどき、読む技術―

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    わかりやすいし、具体的だった。
    言いたいこともすっきりまとめられていた。

    添削というのが良い。

    そうだったのか!というような気づきが特にあるわけでもなく、割と言われなくても分かっていたことが多い印象。
    比喩を重ね過ぎてぼやけるとか、体言止めは使い過ぎるとバランス悪いとか、言われてみたらそうだけどおそらく本人が真面目に推敲したら割と気づきそうでもある。

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    2023年09月24日
  • サラダ記念日

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    有名なあの一首はもちろん知っているけど、ちゃんと読んだ事はないなと思い購入。男女の歌が多いが、どこかドライで読みやすい。

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    2023年09月08日