【感想・ネタバレ】愛する源氏物語のレビュー

あらすじ

源氏物語には795首の和歌が登場する。
ここぞ、というときの和歌は、恋のゆくえを大きく左右する。
心の結晶である和歌を、小石のように飛び越えてしまうのではなく、
氷砂糖をなめるように味わったならば、
源氏物語の世界はさらに豊かな表情を見せてくれるだろう。
千年の時を越え、「万智訳」でよみがえる愛の物語。

解説=東直子

※この電子書籍は2003年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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ネタバレ

源氏物語を現代の女性の感覚で、身近に捉えることができた。末摘花の和歌の下手さや野暮ったさ、明石の君のおっと思わせる歌のセンス、なかなか古典常識とか古典の経験値がないとわからないことがたくさんあるけど、そこを解像度高く面白く語ってもらえてよい。源氏物語に795首も和歌があって、恋愛に限らずいろんな情をその人の言葉で伝え合う、その和歌の面白さも感じた。夕霧がずっと根に持っていた「もののはじめの六位宿世よ」を、ずっと後に乳母にちくりと言い返すとか。散文だとただ角が立つものを、和歌だと機智をもって角が立たずに、でもちゃんと伝えられる。そう言う言葉の技術って、日本人が昔から培ってきたんだなと思う。

かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり
限りある命だけれどどうしても今は生きたいあなたのために

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2024年10月08日

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人生初の俵万智様の本
源氏物語の光源氏を強烈に批判してた笑 いい意味で捉え方は一つじゃないと気付かされた本。

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2024年07月28日

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源氏物語は子供の頃から大好きで、いろんな方の訳を読みましたが、短歌は難しいので、わりと飛ばし読みしていました。源氏物語は795首の和歌が登場しますが、あらためてじっくり和歌にふれることで、紫式部から続く、言葉そのものの意味、言葉のに含まれた想い、教養、いえなかったことをほのめかす、その言葉に重なる別の意味の想いを感じることができます。すごくおもしろい。日本の心は本当におもしろい!
先日、源氏物語の1つを鎌倉時代の歌人、藤原定家が書き写した写本が新たに見つかりました。しかも有名な「若紫」の帖!当時、定家のように位の高い人物しか使うことが許されなかった青墨も使われ、定家本といわれる青表紙。戦後初めての画期的発見で、教科書も書き換えられるかもしれないそうです。こちらも内容がたのしみです。

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2019年10月25日

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万智訳がどれも妙訳!元の和歌の世界観を崩すことなく現代語に訳されていて、五七五七七の歌のリズムまで味わえるのがとてもいい。
俵万智の、歌人としての技術的・叙情的な視点、裏付けされた古典の確かな知識、全てが集約されていて、本当に「見事」の一言。人物解釈も巧みで、なるほどなあと思わされる。
とにかく、終始興奮するほど素晴らしかった。興奮しすぎて心臓がドキドキして読めないくらい。こんなに興奮したのは大塚康生氏の『作画汗まみれ』を読んで以来です。

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2019年02月14日

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源氏物語の中の感情渦巻く和歌への切り込みが痛快ですっきりする。登場人物のそれぞれになりきって数々の歌を詠む紫式部もすごい。氷砂糖をなめるように和歌を味わいたい。

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2016年06月21日

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ネタバレ

和歌を一つ一つ取り上げて、詳しく、しかも、俵万智さん流に解説がなされていく本。さらに、一帖一帖取り上げるのではなく、何かのテーマを絞っての解説、横断的に解説をしていくのが面白かった。

ただ、源氏物語をちょっと読んだだけでこれを読むことは難しかった。全部を読み終わってから読むと「なるほど」・「おお、面白い解説・新説だ」と思う。

光源氏の女ったらしぷりを万智さんは楽しんで読んでいるような気はした。薫の優柔不断っぷりには、御怒りというか、あきれているような気がした。

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2012年12月30日

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源氏に登場する和歌を万智訳として紹介している。どれもこれも今の言葉に置き換えたり言葉を足したりしながら、それでいて元の和歌のよさも残している素晴らしい万智訳です。一番好きなのは女三宮の歌「立ちそひて消えやしなましうきことを思ひみだるる煙くらべに」ですがこれは万智訳だと少し軽くなりすぎた感が。万智訳で一番素晴らしいと思ったのは桐壺更衣の「限りある命だけれどどうしても今は生きたいあなたのために」です。

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2011年04月19日

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歌にこめられた登場人物や作者紫式部の思いを紐解こうとするもの。
同じ女性の立場から見て書いているので分かりやすくてお勧めです♪

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2009年10月04日

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昔読んだ漫画「あさきゆめみし」で、なんとなく登場人物を知ってるかな、と思って手に取る。

源氏物語の和歌が、俵万智の解説付きで載ってる。
和歌って難しいとばかり思ってたけど、俵万智風の和歌が添えてあり、分かりやすい解説もあって、面白い。

それにしても光源氏ってスゴイ。会ったこともない人に恋したり、何マタしてんだか数え切れないけど、ちゃんと連絡したり通ったり面倒みたり、マメだなぁーって感心する。紫式部がスゴイのかな。

いつかまた、読み直したい。

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2017年10月14日

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私はまだ源氏物語をしかっり読んだことがないけれど、物語の中で出てくる短歌の奥深さがわかる素敵な一冊でした。

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2013年05月14日

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源氏物語の本文をきちんと読んでいない私でも楽しめた。どちらかというと女性目線で解釈が進む(筆者の恋愛観など)ので、それが嫌な人にはお勧めできないが、読み物として面白い。原書を読みたくなった。

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2012年06月18日

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歌より何より、源氏を始め夕霧、薫、匂宮の全員にいらいらしっぱなし!
女の人の心の動きが描かれた部分が繊細な物語で、そこが醍醐味だと思われるのだけど、ほとんどが可哀想なので女性としては辛い。宇治十帖は特に暗いし…
伊勢物語のライトな感じの方が、いまの私には好みです

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2011年10月11日

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よかたです。
拙者は万智ちゃんファンなのだが。

きっと「恋愛」を通して、人間の、
理性の手綱じゃ馴らせないじゃじゃ馬な欲望とか、かと思へば、
狂おしい欲望に強引にストップ命令をかけてしまう
お利口サンな理性とか…を己で嫌という程、
味わっているひとなんだろうといふのが
言葉ひとつひとつから伝わってくるからなんだろう。

万智ちゃんの着眼点や描写がとても好きなのだが、
とくに「女性」の心理描写は、いい。

なまなましくて、りあるで、好きだ。

「源氏物語」は今までにも現代語訳や漫画で見てきたが、
この和歌で読む源氏物語は実に奥ゆかしい。

「心の結晶である和歌を、小石のように飛び越えてしまうのではなく、
 氷砂糖をなめるように味わったならば、
 源氏物語の世界はさらに豊かな表情を見せてくれるだろう。」

という言葉、そのもの。

三十一文字が、せつない、苦しい、いとおしい、あいたい…
人間のこころの中でうごめく大胆で繊細な思いを響かせる。

ときにそれが、
人間関係(とくに恋愛関係)のかけひきとなり、かけはしとなり、

陳腐な愛の羅列や野蛮な体の交わりをも上回る、
愛情表現となりかわって恋愛を大いに盛り上げるのだ。


作品の中に登場する様々な身分・身なり・性格の女性たちの
心中が露になった和歌は、どれもそのひとの分身のようでおもしろい。

叫び、尽くし、心を殺し、憎み、嫉妬し、愛する女の顔が浮かぶよう。
背景にある心理や表現技巧なども楽しめる作品だと思ふ。

制服JCをつまさきから頭のてっぺんまでを
じっくり嘗めるかのやうに 読みすすめていきやした。

いやはや、いつの時代も恋愛は自分磨きの一番のツールですな。


どぅーでもいーんだが、
何度、どの作品で読んでも末摘花を広瀬○美ちゃんと重ねてしまう。
いんや、決して○美ちゃんがぶさいくといっているわけじゃあないんだがね。

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2011年08月03日

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源氏物語に出てくる和歌を軸としながらも、この物語のエッセンスを上手く説明している。
特に「万智訳」で登場する和歌を詠み直しているところが心憎い。
理系だったボブには、高校生時分にこんな調子の授業があったら…と思ってしまう。
「あさきゆめみし」も読まず、果敢に原文にぶつかっていたなぁ。
万智的解釈が随所に出てきますので、これも参考になります。

なかなか手に入れることができなかった1冊。

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2009年10月04日

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歌だからこそ、大胆な本音や心の奥の想いを雅な言葉や曖昧な表現に包んで詠むことができる、という見解に感銘を受けた。日本語の表現が持つ不確かさゆえの美しさを改めて知った。
また、当時の歌のやり取りと現代のメールのやり取りを重ね合わせている部分で、日本人の心性の不変性を読み取っているようで面白いと思った。
ただ、俵万智の解釈は痛快で面白い反面、その俗っぽさや本人の独自の価値観が濃く出すぎていると思うようなところもあった。そこが面白いところでもあるのだが、「ボキャ貧」という表現や「BC」の話など、やや品性にかけるように私には思えた。もう少しだけ、源氏物語のオブラートに包まれたような優美さや色っぽさを失わないでいて欲しい。

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2009年10月04日

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今までで一番、源氏物語のすごさを感じた。話が面白いのはもう、分かってる。そこに和歌というエッセンスをプラスするか、しないか。これは断言できるでしょう。しなきゃもったいない。

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2009年10月04日

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源氏物語に出てくる和歌を現代の口語の和歌に読み直した,という試みが良かった.ちょっと口語すぎてつまらないところもあるけど.あと,解説とかつっこみとかもすごく楽しい,というか,そうそう!という感じだった.

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2009年10月07日

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5/6 和歌から読む源氏物語。しかも俵万智調の現代訳。おもしろかった。作者が薫嫌いなのが超伝わってきたのと末摘花の話が個人的には受けた。

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2009年10月04日

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歌人である俵万智さんならではの解釈や考察もあり、現代誤訳の源氏物語としても読みやすく、登場人物の心象を分かりやすく表現されていていた。
紫式部時点での考察も随所に書かれているので、源氏物語の考察を深める点でも読んで良かったと感じた。
瀬戸内寂聴さんとの対談のエピソードもあり、登場人物で誰が1番好きかの話題が面白かった。

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2023年12月10日

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話の流れだけでも掴もうと必死になって読んだ『あさきゆめみし』。和歌なんか読んでも意味不明やったからすっとばしてたけど、こんなにもおもしろいものだったとは・・!一生の不覚。
全部の和歌の説明があるわけではないけど、すごくわかりやすい説明がされてるし、表現がおもしろくって笑ってしまう。(特に末摘花の君、おもしろ!) 古典の授業でも、和歌の内容って難しくって理解できなかったけど、単なるプレイボーイ物語だとおもってたけど(実際そうだけど)愛着がわくというか、もっかい古典をじっくり読んでみたくなった 
あぁ、からころ!

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2009年10月04日

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