俵万智のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分にとって初めての俵万智さんがこの歌集だったのは幸運だった。
息子さんが幼稚園児、小学生の頃の短歌を詰め込んだ歌集。特に幼稚園時代の歌は、4歳の子がいる自分に刺さりすぎて、一首ごとに涙ぐんでしまう。一気に読むのが勿体なくて、「年中さんの話は年中さんになってから…」とも思ったが、我慢できず毎晩寝る前に数ページずつ大事に大事に味わった。
表紙と見返しの色が気になって、どういう意味が込められているのかなと考えるのも楽しい。
短歌のみの歌集もいいけれど、エピソード付き、それも短歌に対する解説としての形ではないこの形が個人的にとても好きだと思った。 -
Posted by ブクログ
オムニバスの花と短歌のコラボですね。
短歌は俵万智さんが、四季と二十四節季に合わせて掲載されて、エッセイも書かれています。
花は、『花時間』1991年創刊の花の楽しみ方を提案する女性誌の三十年の歴史を駆使して、二十四節季に合わせたアレンジで紹介されています。
もちろん、二十四節季の意味や、風物詩も紹介されていて盛りだくさんの本です。
特に、花の種類が凄いですね。それぞれの名前から、飾る工夫やアレンジ方法なども記載されていて、一年中楽しめるすぐれものの本ですね。
読むと欲しくなります(=^ェ^=)
で、短歌です。
春
ふうわりと並んで歩く春の道
誰からも見られたいよう -
Posted by ブクログ
ネタバレ源氏物語を現代の女性の感覚で、身近に捉えることができた。末摘花の和歌の下手さや野暮ったさ、明石の君のおっと思わせる歌のセンス、なかなか古典常識とか古典の経験値がないとわからないことがたくさんあるけど、そこを解像度高く面白く語ってもらえてよい。源氏物語に795首も和歌があって、恋愛に限らずいろんな情をその人の言葉で伝え合う、その和歌の面白さも感じた。夕霧がずっと根に持っていた「もののはじめの六位宿世よ」を、ずっと後に乳母にちくりと言い返すとか。散文だとただ角が立つものを、和歌だと機智をもって角が立たずに、でもちゃんと伝えられる。そう言う言葉の技術って、日本人が昔から培ってきたんだなと思う。
か