俵万智のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学のゼミで扱われる関係で読むことになった積読本の一つ。八年くらい前に買って家の本棚に眠ったままにされていたのを引っ張り出して読むことになるとは思っていなかった。
率直な感想として、とにもかくにも読み方が分からないということである。文庫本の1ページに三首ずつ短歌が載せられている。一首一首をどう読むかもそうだけれども、この並びを小説を読んでいくように物語として読んでいいものなのか。読んでいいものなのだろうけれども、そうすると意味を追ってしまって、短歌としての一首ごとの表現である意味がなくなるような。
物語として読むのか、短歌としてその短い定型に収められたことのすごさを楽しむのかで迷った感じがある -
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月一で開いた「出勤前歌会」から、コロナ禍の最中のZoom歌会まで。
歌舞伎町のホストたちが2年間で作った短歌900首から、300首を厳選。
歌舞伎町のホストさんたちが作った短歌を集めた歌集です。
300首も収録された歌集というと、さまざまな雰囲気の歌があるのを想像しますが、収録されている歌のほとんどのテーマが酒、女、金、夢や序列などで、退廃的な「繁華街の夜」のイメージが強いのが印象的です。
それでも、みなそれぞれ個性があって面白い。ホストクラブには行ったことはないですが、よまれた歌から、ああ、きっとこの人は売れてるんだろうなとか、まだ新人とかなのかなとか想像するのも面白いですし、最後にホス -
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Posted by ブクログ
単行本は1987年に発売され280万部の大ベストセラーとなった。
その時は、読んでいない。
「この味が良いね、と君が言ったから
7月6日はサラダ記念日」
この歌から題名が採られていることは誰もが知っている。
ベストセラーの二年後、文庫になった本書を購入して一読感嘆した。
古びて過去の遺物と思っていた短歌が現代に息吹き返したことを知ったのだ。
いや短歌はずっと生きていたのだ。
それに、少数者しか気がついていなかっただけなのだ。
短歌復権を告げる名著。
日本人は七五調のリズムが好きだ。
だから、短歌(らしきもの)は誰でもすぐに作ることが出来る。
そして、「短歌を作るぞ」と決めると、世界の見 -
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ネタバレ■以下よかった短歌
泣くのなら 笑顔にさせよう ホストギス
パーリナイ 現実忘れて お酒飲む 今月お金 またたーりない
小鳥とも 鈴とも違う 私たち 飛べず鳴らぬが 言葉選べる
後悔は 先に立たずと 言うけれど 後からならもう 来なくていいよ
コロナ禍で 取り沙汰される 歌舞伎町 普通に生きれるのなら 喜んでそうしますけど?
人は言う しょせん夜の身 でも気付く 夜を学んだ 人の深みを
コロナかも だから合わない 好きだから コロナ時代の 愛なんてクソ
歩くのが 前より遅くなったのは 君の歩幅が 染みついたから
台風と かけて歌舞伎の 街と解く。 円の動きに目を離せない