俵万智のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ俵万智さんの言葉についてのエッセイ。子育ての話、演劇やヒップホップ、SNSやネットスラング、AI、歌会……などなど話題は多岐にわたる。この話題の豊富さを支えているのが俵万智さんの好奇心の強さと行動力の高さだと思う。読んでいてわくわくやなぜ?なぜ?という気持ちが伝わってきて、門外漢の分野の話でも興味深く読めてしまうのだ。文章も地に足の着いた感じでしっかりしていて非常に読みやすく、面白かった。
息子さんの話が多いのだけど、息子さんの言葉が独特の視点を持って飄々とした感じで良い。特に、入院した祖父の本を勝手に捨てる祖母についてのコメント(ばあばはじいじに関わることをしたり、考えたりしたかったんじゃ -
Posted by ブクログ
誰でも発信できる時代だけど、やっぱり言葉のプロが書いたものは抜群に面白い。
息子さんの成長を見ながら言葉の獲得を観察してる場面『毎朝聞いている「パン」という音は、毎朝食べているこのモニャッとした美味しいモノのことなのだ、と。』
私だって日々こういうことに出会ってきたはずだけど、もう忘れてしまっているような場面を思い出させてくれて、そしてほかの章でも笑って涙ぐんだり。
私も言葉が好きなんだなと思った。
軽く読めるのに、俵万智さんの文や短歌の一つ一つが心に響く。
河野裕子、ホスト万葉集、萩原慎一郎、谷川俊太郎、改めてまたははじめましてで作品に触れてみたい。 -
Posted by ブクログ
文章そのものについては読み進む所と詰まりやすい部分が自分の中ではっきりしていた。日常生活において自分の身に置き換えても想像しやすい箇所はどんどん進んだし、芸能人の話などあまり現実味を感じない箇所はかなりゆっくり読み進めることになった。その箇所がダメという訳ではなく自分が関わることの無い世界線だからこそじっくり読むことができた。
読んでいく中で自分自身も言葉を贅沢に使っていると思うことが多々ある。ほんのちょっとのことを伝えるのにあの手この手で変な言い回しをしようとしたり、誤魔化そうとしたりする。短歌そのものには触れ合った経験があまりないが五七五七七の中でこれを収めきることの大変さは想像にかたくな -
Posted by ブクログ
有名なサラダ記念日を読みたくて読み始めましたが、他にも幸せそうな初々しい恋人の句が沢山あります。例えば『江ノ島に遊ぶ一日それぞれの未来があれば写真は撮らず』『まちちゃんと我を呼ぶとき青年のその一瞬のためらいが好き』等が特にお気に入りです。
ですが決して、幸せな気持ちだけのものではなく『一プラス一を二として生きてゆく淋しさ我に降る十二月』等の秀逸なものがあります。
恋の歌が多い印象ですが、橋本高校の章では生徒達との交流の句もあり心が温まります。故郷や季節の移り変わりを感じる歌等も素敵です。
故郷の歌では『なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き』が共感するところがありまし -
Posted by ブクログ
俵万智さんのように日常的に短歌に触れていらっしゃる方ならさぞかし言葉、特に日本語のひびきや意味合いには敏感になるだろうなぁと思うが、言葉が本当にお好きな方なのだなぁというのが全編を通して伝わってきた。私も言葉が好きなので、共感できる箇所が多かった。
話の途中で「……と思っていて」という言い回しが気になると書かれていたところでは思わず「そうですよね!」と叫びそうになった。常々そう思っていても周りの人にあまり共感してもらえない点だったので、なんと俵万智さんは同じように感じてくださっていると嬉しくなった。また、ひところ話題になった、マルハラやSNS上での言葉のやり取りにもご自身の見解を書いていらっ -
Posted by ブクログ
よかった。短歌を読みたくなった。
さすが「言葉」に向き合い続ける歌人だ、と思うくらい、「言葉」のことならいくらでも話せそうな感じだった。
俵さんは、いろんな方面から「言葉」と向き合う。
最初は、母として子育て、子供の成長というほんわかした面から始まり、続いてインターネットでの「言葉」や、学校教育における「言葉」、ラップや短歌における「言葉」、さらには自身の炎上経験も踏まえての「言葉」へと展開していく。
こういった言説は、母として、歌人として、学校教師として、今を生きるメディア人として生き、その都度「言葉」と向き合ってきたからこそ話せることだと思った。
最後の方では、芸術分野で特に議論の余