俵万智のレビュー一覧
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俵万智さんの子育て歌集。
一つ一つの歌にその歌ができた背景がエッセイとして書かれています。
この歌集を読むと俵万智さんのとてもいいお母さんぶりがうかがえます。
その例として、歌はありませんが「あとがき」からお母さんぶりを引用します。
(前略)
「もしかしたら、幼稚園のお友だちとは、だんだん会わなくなるかもしれないけど、お友だちだったことは消えないんだよ。お別れするのが寂しいような、いいお友だちに会えて、よかったね。会えたことの積み重ねの上に、今の自分も、これからの自分もいるんだよ」
そんなことを、ゆっくり話してやると、息子は涙をぽろぽろこぼしていた。はじまったばかりの人生で、これが初めて -
Posted by ブクログ
前回読んだ『考える短歌』と同様、短歌を詠む上での注意点を知ることができて勉強になりました。
短歌の面白さが言語化されていて、より一層短歌というものを知ることができました。
・別々の歌の上の句、下の句を入れ替えてみる
・「あの」「この」「その」はわかりにくいので使わないようにする
・比喩を使うときは効果的に使う
・言い過ぎないようにする
・同じ言葉、同種の言い回しは避ける
・リフレーンを使ってみる
・題材は1つに絞る
・A+Bの効果を狙う
・倒置法を活用する
・理屈っぽくならないようにする
・意味の重なりに注意する
・名詞の連続(ものづくし)
・「ような」をとって暗喩で
・意外な動詞を使う
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購入済み
とても素敵
子供の感性って、凄い。表題になっている「オレがマリオ」も、そうだし、「じゃあ、有線で」というのも良い。また、そのキラキラ輝る子供の感性を、見事にすくい取っている母も凄い。「出来事に、プラスの面と、マイナスの面が、有ったら、プラスの方を受け止めていきたい」という考え方も、とても素敵だ。
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短歌の技術的な面が、かなり勉強になりました。
添削スタイルなのもわかりやすくて良かったです。
今すぐ真似できる技術ばかりなので、少しずつ意識して取り入れてみたいと思います。
短歌というのは、余分な部分を削って説明的にならないようにシンプルにして、感情の部分は読者に読み取ってもらうようにするんだなぁと思いました。
・必要以上に「も」を使わない
・句切れを入れてリズムをひきしめる
・構造を推敲する
・動詞は多くて3つまで
・体言止めは1つまで
・副詞に頼らない
・具体的な数字を使う
・比喩に統一感を持たせる
・現在形を使う
・正しい「の」の使い方をする
・初句を印象的にする
・色彩を取り入れる -
購入済み
何年経っても、凄い!
私は、世間に騒がれている本を読まない人である。何かの賞を取ったとか、著名人が誉めているとか勧めているとかそういう本は、えっ?本当かな?と疑う気持ちが先に来るのだ。けれど、この本は、単行本で出たばかりの時に購入して、衝撃を受けた!こんなに若い人が、こんなにみずみずしい若い人の感性で歌をうたっている!凄いなと思った。何年も経って読んでも、やっぱり凄い!その昔の感動が、甦った。
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天才歌人、俵万智さんの第二歌集。
24歳の早春から28歳の冬の終わりまでの四百七十余首だそうです。
その四年間は俵さんにとってかなり起伏の大きい四年間だったそうです。
まる四年間勤めた橋本高校を退職されたことはあとがき「心が鳴る」に書かれていますが、この歌集で気になるのは第一歌集『サラダ記念日』では、もう幸せいっぱいとしかいえなかった万智さんの恋の行方でした。
なんだか、淋しい方向に進んでいるみたいで胸が痛くなる歌が多かったです。
タイトルの『かぜのてのひら』は
○四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら
からとられています。
この歌集は、恋の歌以外も色々載っていますが、や -
Posted by ブクログ
「考える短歌」で私が試みてみたいのは、短歌を作るうえでの「言葉の技術」をどこまで伝えられるか、ということだ。そのためには抽象的な理屈を並べるのではなく、なるべく具体的な方法をとりたい。そこで「添削」ということを中心に据えることにした。ーはじめにより。
第一講
「も」があったら疑ってみる。
必然性のある「も」
必然性のある「も」の入った歌
○あなたからきたるはがきのかきだしの「雨ですね」さう、けふもさみだれ 松平修文
第二講
句切れを入れてみよう
思い切って構造改革をしよう
せっかく定型に納まったと思わずに
句切れなしの名歌
○ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲
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Posted by ブクログ
この本の紹介として「キケン!こんな落とし穴がありますよ」という落とし穴集、「便利!こんなレシピがありますよ」という一面と表現、読みやすく親しみが持てる内容。
投稿作品添削例を示しているのが具体的でがらりと生まれ変わるのが癖になる。
全く違う二首を入れ替えることで印象がかわり「小さな飛躍が、言葉に深みを与えてくれる」例、動詞の重なりの解消や変更、序詞の利用、状況説明の省略、倒置法、羅列の効果、「は」を「が」に変えたほうがいい場合が多い、助詞を入れたほうが名詞の首が座る、「できごと+思い」という構造の工夫、連作の並べ方など、実例を通して学ぶことができる。今後の推敲の参考にしたい。 -
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俵万智さんのこの有名な歌集を買ったのはおそらく3度目です。一度単行本で買い、なくしたので文庫本で2度買いました。
すごいですね!帯に285万部、35年間読まれ続ける永遠のベストセラーとあります。
私が今、手にしているのは2022年の61刷発行のものです。
読み直して思ったのは俵万智さんはやはり天才歌人だということ。
巧みすぎます。
しかも、この歌集、20歳の終わりから24歳までの歌をまとめたとあとがきにあります。
本当に、本当に天才です。
何気ない言葉がぴったり字余り、字足らずなしに五七五七七で詠まれています。
内容も今読んでも全然古くなく、今まで他の誰も詠んでいない新しい言葉で、本当に巧