北杜夫のレビュー一覧

  • 楡家の人びと 第一部

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    父の本棚から抜き取って読み始めたのは中学生の頃か高校生になってからのことか定かではありませんが、その頃読んだ本は立派なケース入りの分厚い単行本でした。つい最近逝去された北杜夫さんのマンボウシリーズも楽しく読みましたが、この「楡家の人びと」に代表される純文学といわれる数々の作品も愛読していました。本屋さんの店頭には”追悼北杜夫”の帯がついた文庫本が並んだので早速買い求め懐かしく読みました。
    この小説は、大正末期から昭和にかけて東京の青山にあった楡病院(精神病院)を舞台にした物語です。院長の楡基一郎が一代にして築き上げたその病院には楡家の家族はもとより、従業員から患者さんまで大勢が混然一体となって

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    2011年11月16日
  • どくとるマンボウ青春記

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    中学か高校の時に読んで、こういう生活をおくりたくて、大学では寮に入りました。つうか、狙いの寮に入るために大学を決めたようなもの(^^;)。

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    2011年10月26日
  • 母の影

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    北杜夫の著作に久しぶりにめぐり合った。平明簡易な文章に改めて感動を覚える。
    東京亀有の古本屋にふらっと立ち寄り、この本を見つけ、即座に買うことを決めた。
    私は時折、文章を書くが、北杜夫のような、平明簡易で、かつ、読む側の心に素直に染み入るような文章が書けるようになれればいいなと、常々思う。
    作中の「あほんだら!」という妻をしかりつける言葉、深夜に読んでいて、思わず、頬が緩んでしまった。
    お元気に過ごして欲しい

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    2011年09月08日
  • どくとるマンボウ青春記

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    ユーモアだけでなく、その時代の空気、町の雰囲気、鬱屈した学生独特の感情まで語られていて、まさに青春記であった。一気に読んでしまった。

    松本にいるうちに読めてよかった。

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    2011年07月22日
  • 幽霊―或る幼年と青春の物語―

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    辻邦生が、その柔らかい瑞々しい文体、文章に嫉妬した様に、やはり静かなその世界は彼(北杜夫)の最高傑作かもしれない。

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    2011年02月01日
  • 船乗りクプクプの冒険

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    家で宿題をやっていたタロー。遊びに行きたいけど、お母さんが
    見張っているので仕方なく本を読んでたらいつの間にか見知らぬ所へ、ここからクプクプの冒険が始まります。
    最後までとても面白い作品です。

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    2010年11月14日
  • さびしい王様

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    ながいながーい「まえがき」から始まる王さまの成長物語。 北杜夫のことばのセンスがだいすき。 また読みたいな。

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    2010年11月13日
  • どくとるマンボウ昆虫記

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    やっぱり面白い。
    昔、それこそ中学生ぐらいの頃に読んで面白いなあ~と思った記憶があるのですがやっぱり面白かったです。
    とりあえず覚えていたエピソードはハナアブだかコガネムシだかを集めている趣味の2人のエピソードぐらいでしたが。

    確かに人間の移動に伴い、今までその地域には生息したことのなかった動植物が繁栄してしまい、その結果その地古来より生息していたモノが被害をこうむる。その対策としてさらにお国はその動物の天敵を輸入する。そんなんで本当に大丈夫なのか?大丈夫じゃなかった例はアマミノクロウサギとか色々ありますよね。

    それにしても私は昔ホームセンターで外国産のクワガタやカブト虫をつがいで

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    2010年06月09日
  • 船乗りクプクプの冒険

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    高校時代の夏休み読書感想文に読んだことがありました。
    いやー、オモチロイ!
    是非ワンピース好きな少年に読んでいただきたい。

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    2010年01月11日
  • どくとるマンボウ航海記

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    小学生の頃、マンボウのことが書いてある、と早とちりして買った本。
    (確かにマンボウのことも書いてあった)
    小学生に北杜夫のエッセイの面白さがわかるか!と怒られそうですが、
    冒頭部分や、サメにコーヒーのあたりは普通に面白かった。
    とはいえ、基本おとな向けですな。。。
    ちょっとひねくれてるところも含めて面白い。北氏はエッセイだと生き生きする。何度も読んだので、同じ本を2冊買いました(笑)

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    2017年07月09日
  • さびしい王様

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    王様に生まれついたストンコロリーン28世。悪総理大臣の傀儡としてバカに育てられるがやがて国内に革命が起き出奔、そして…。

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    2009年10月07日
  • 怪盗ジバコ

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    中学1年コースの書評を見て購入。北杜夫はナチス・ドイツの「夜と霧作戦」をモチーフにした『夜と霧の隅で』で、1960年に第43回芥川龍之介賞を受賞。小説では『夜と霧の隅で』『楡家の人びと』などの純文学とされるもののほか、『怪盗ジバコ』『父っちゃんは大変人』などのファンタジーと考えられるもの、『船乗りクプクプの冒険』のような中高生向けや童話もあり、多様な作品を執筆し、ほかにエッセー『(どくとる)マンボウ』シリーズ、父茂吉の評伝4部作など著書多数。

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    2009年10月04日
  • どくとるマンボウ昆虫記

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    自分で採集することはないけれど、やはり昆虫の話にはときめいてしまう。語りも魅力的で、体験談を含め、いいなあ、素敵だなあと思いながら読みました。

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    2009年10月04日
  • 幽霊―或る幼年と青春の物語―

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    美しい文体で、美しいモチーフを用いて、記憶をめぐる物語を描き出す。紡ぎ出された物語もまた美しいのは必然とも言える。
    昭和初期、幼い少年の記憶で幕を開け、敗戦前後の高校生の追憶を中心にこの物語は語られる。
    非個性的な彼の感覚を通して淡々と描かれる現実と非現実の世界は幻想的でもある。

    他人の心を理解することが不可能である以上、「難解である」という感想はとても生まれやすい小説だと思います。山場もありません。それでも、その世界の美しさに、心を動かされます。きれいな文章です。
    耽美よりの方、和風好きでかつ洋物に心惹かれるという方なんかにおすすめです。(H19.04.30)

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    2009年10月04日
  • さびしい王様

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    「純粋」というモノが目に見えるのならぱ、この王様のようではないだろうか…。読後感は爽やかなのに何処か孤独な悲しさに満ちた物語。私はこのシリーズを読んで北杜夫さんの大ファンになりました。「さびしい姫君」「さびしい乞食」と併せて三部作になっています。

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    2009年10月04日
  • 幽霊―或る幼年と青春の物語―

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    実は北杜夫はこれと「怪盗ジバコ」しか読んだことがない(苦笑)もともと家にあった本だから、たぶん叔母か母が買ったものだと思うんだけど。中学生のとき読んでガツンと頭をぶったたかれたような気がしたのを覚えてます。

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    2009年10月04日
  • 楡家の人びと 第三部

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    ネタバレ

    10章のうち8章までが戦争中を描き、残りの2章も終戦直後の物語である。
    戦争に翻弄される楡家とその周辺の人々の群像劇が描かれていく。
    第一部からここまでかなり長かったが、読み終わってみると多くの人々の人生を実際に体験したような感覚が残っている。その「長さ」そのものに意味と重みが宿っている、そんな小説だったように思う。
    桃子と藍子の人生は幼少期と成長してからの落差があまり大きくなんともやりきれない。
    龍子は強い。常に我道を行き、負けない。基一郎の血の濃さが感じられる。

    中でも周二の戦時中と敗戦後の黙示録的・虚無的な考え方は非常に印象的であり、もし自分が同じ時代に生きていたなら、似たような考えに

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    2025年12月05日
  • 楡家の人びと 第二部

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    ネタバレ

    基一郎没後の楡家と楡病院、そしてそれを取り巻く社会情勢が描かれる。
    第一部ではどこかでたらめな人物に見えた基一郎だが、いなくなってみると、あれほどのカリスマ性と頼りがいを持つ存在はもう現れそうにない。作中では、なんとなく神格化されつつあるようにも感じた。

    登場人物は多いものの、物語の軸は婿養子の徹吉に置かれているように思える。読み進めてようやく腑に落ちたが、徹吉は斎藤茂吉であり、その次男にあたる周二が北杜夫なんですよね。
    徹吉・周二は楡家の内部にいながらも本来は外から入ってきた存在で、その“内からの視点”と“外からの視点”をあわせ持つ立ち位置が、この作品の独特の冷静に全体を見渡す視点を生み出

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    2025年11月13日
  • 夜と霧の隅で

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    ネタバレ

    第二次大戦末期、ナチスは不治の精神病者に安死術を施すことを決定した。その決定に抗う、とある精神病院の医師たちの話。満足な医療体制もない中で、一見無謀とも思われる治療に没頭していく医師たちの信念と狂気が描かれる。

    全くもって救いのない結末ではあるが、人間の本質とは何ぞやというものを考えさせられる。第43回芥川賞受賞作。

    同時収録の他4編の短編、中編小説も面白かった。

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    2025年10月17日
  • どくとるマンボウ航海記

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    中学時代に北杜夫氏の本と出会い、高校時代に筒井康隆氏の本と出会ってしまった。
    荒唐無稽でナンセンスなお二人の本に青春の苦悩がバカバカしく思えるゆとりをいただいた。お二人には感謝しかない。

    久しぶりの航海記。
    精神科医の北杜夫氏が漁業調査船に船医として乗り込んで、5ヶ月の回遊する。不純な?動機で。
    読んでみると、いまでは考えられないほどぶっ飛んでいる。今書いたら、大炎上のことだらけ。このユーモアが許された時代にはその時代なりのよさがあった。
    「アフリカ沖にマグロを追う」では、うんざりするほでトロを食べ、
    「ドイツでは神妙に」トーマス・マンを味わいにいく。
    あとがきにあった。
    「私はこの本の中で

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    2025年08月15日