北杜夫のレビュー一覧

  • 楡家の人びと 第三部

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    ある精神科をめぐる人間関係を関東大震災前から太平洋戦争終結まで追った小説。それぞれの人物の生き様が著されており、非常に面白い。
    特に戦争末期の記述が臨場感があって印象深かった。

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    2012年10月05日
  • どくとるマンボウ青春記

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    読みやすくおもしろかった。ときどき笑いだしそうになったし、現代のへたな「笑える」エッセイよりおもしろいかもと思ったり。文章がすごく好き。軽妙で、ときにスマートに自虐的だけど、芯に熱く真剣なものがあるような。
    松本の旧制高校での生活。松本に行ってアルプスの山々を見てみたくなった。
    先生とのあれこれや、試験の話とかが特に好きだった。
    「航海記」も読みたくなりました。とまらないー。

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    2012年09月27日
  • 楡家の人びと 第三部

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    北杜夫氏が亡くなって、それを機に(っていうのも失礼かもしれないけど)読んでおかねばと思いつつ、今になってしまったのだが。

    まず、文章がなぜだかものすっごく読みやすくてびっくり。リズムがいいのか、けっこう文語調だったりするのに、あるいはそのせいなのか、するする読めて気持ちがいいくらい。
    精神科の大病院を経営する一族が、関東大震災や太平洋戦争を経てだんだん没落していく大河ドラマのようなストーリーなのだけれど、登場人物が実に個性的というか変わった人びとばかり。考えてみると、みんな変な人っていうだけで家族仲も悪いし、いい人も魅力的な人な人もいないし、だれかに共感するとか応援するとかって気持ちにまーっ

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    2012年09月23日
  • どくとるマンボウ青春記

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    作者がこれを書いたのが40歳の頃だと知って、40歳の目前にトライした。
    なかなか爽快でメチャクチャ。
    解説も作者の良い理解者、俵万智さんによるものでとても良い。
    解説にもあるように、今の日本に足りない若者のエネルギー、エネルギーを爆発させようとする若者をどっしり構えて見守る大人がいない社会が浮き彫りにされている。
    他の作品もぜひ読んでみたい。

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    2012年08月28日
  • 船乗りクプクプの冒険

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    子供向けの奇想天外な冒険物語の最後に「ドキリ」とさせられる警告があり驚いた。(何にドキリとしたかは「引用」を参照されたし)

    この物語は1962年刊行とのこと。私の生まれるより前だ。
    いくつもの子供向けの物語の中に「本当に大切なものは何か」、「文化の盲目的な発展の先にあるものは」と問いかける言葉は多々あった。私自身それらを読んで、うなづきながら育ってきたはずなのに、だからといって何かしてきただろうか・・・。
    いつの間にか大きなうねりの中に巻き込まれてここまで来てしまったような気がする。

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    2012年07月31日
  • マンボウ家族航海記

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    「マンボウ酔族館」,「マンボウ夢草紙」,「マンボウ夢のまた夢」を底本とした,マンボウ家エピソード集。

    若い頃から晩年まで著者の視点から語られた家族の姿。だいたい時系列になっているのでマンボウ氏が家族とどう関わってきたのかが読み取りやすい。

    マンボウ氏の文庫を買い求め,もっとも影響を受けた高校生の時に,あたりまえだけど存命していて,お孫さんと交流していたのかと思うと不思議な感じがした。

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    2012年07月11日
  • どくとるマンボウ青春記

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    著者自身の、主に学生時代について語った、青春期。
    時代が出てて新鮮だっだし、語り口調が面白い。
    著者の当時の心情(すごい詳しく書いてある)に、共感したり、反発したりしながら読んだ。当時は青春という言葉を使う気がしなく、痛切な追憶のぎっしりつまった何ものか、という感じであった―という一文が印象的。自分は将来、今をどう思い返すんだろうなあとか思ったり。

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    2012年06月02日
  • 楡家の人びと 第一部

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    大病院の院長とその一族や患者の話。科が「精神科」なのでそこに惹かれて読んでみました。最初はなかなか面白かったのですが、後半からはあまり読み進む気になれなかったです。

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    2012年05月16日
  • どくとるマンボウ昆虫記

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    同感→「捕らえた虫は、羽をむしってもいいし、油でいためてもいいし、籠にいれてじっと眺めてもいい。それは子供たちの自由で…好奇心、これが人類をあやつってきた最初の力である。」

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    2012年04月21日
  • マンボウ 恐妻記

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    ネタバレ

    奥様との馴れ初めからのストーリーをご自身の作家人生、躁鬱人生と重ね合わせながら書いている。自分をネタにできる関西的な人だなぁ・・・それにしても躁状態時の株騒動の顛末は壮絶!でも長女由香さんのあとがきにちょっとジーンと来た。

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    2012年04月14日
  • どくとるマンボウ青春記

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    ネタバレ

    以前,長野県松本市の旧制高等学校記念館に行ったときに
    卒業生の一人として,この北杜夫さんのプロフィールと「青春記」の紹介がされており興味を持っていたところ,2011年秋に訃報。

    これは読まなくては・・・と思いやっと手にとることができました。

    旧制高等学校のエピソードは,記念館で部屋の作りや事件,習慣などを見たあとだったのでとてもイメージできて楽しく読めました。

    また,斉藤茂吉の息子であるというのも大変興味深くて,父親である茂吉像を垣間見ることが出来たり,親が有名であるということに対して息子がどう感じているかというのを感じることができました。

    しかしホントに旧制高等学校は楽しそうだなーと

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    2012年01月22日
  • さびしい王様

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    北杜夫再読。まえがきが6章もある!このゆるいかんじが好き。
    恋も政治も知らない王様ストンコロリーン28世。革命のさなか彼は…なんて、あらすじも無意味な小説です。

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    2012年01月18日
  • どくとるマンボウ昆虫記

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    昆虫バカ一代としても有名な北杜夫による昆虫エッセイ。氏のエッセイは躁鬱の度合いの影響なのか、たまに話題が飛躍しまくって半ば意味不明の様相を呈することもあるのだが、本作はちょうど良い案配で収まっている。語り口の端々から昆虫への愛があふれ出ているのがほほえましい。それでいて、たまにハッとするような端正な文章を書くのが、氏の不思議なところだと思う。

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    2011年12月30日
  • 楡家の人びと 第一部

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    どくとるまんぼう以来、二作品目。

    舞台は第一次大戦後の日本。

    風変わりな楡病院の人々。

    楡基一郎が死ぬところまでが第一部でした。

    まず、凄く表現が細かい!

    登場人物みな個性的なキャラクターなのですが、とても繊細に表現されていて、まるで知古の友人のように感じます。

    感情移入はしにくいけれど。

    続きが楽しみです。

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    2011年12月16日
  • 船乗りクプクプの冒険

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    記憶が正しければ、私が、初めて読書感想文で褒められた作品だと思う。

    宿題やだーと思っていた少年が、勉強をするフリのために開いた本に入っちゃった!
    海賊と一緒に海に飛び出す。
    その名もクプクプ!
    本の主人公として活躍することに。
    作者のキタ・モリオを探し出して、元の世界に戻れるのか・・・

    子どもの頃、この作者が作中に登場する、という設定がとても面白くて、
    しかもけっこう自虐的な描き方、ユーモアあふれるセリフ回しなど、
    とても好きだった作品だが、不思議と他の作品を読む機会がなかった。

    どんなに高い文明を持っていても、裸にヤリで生活する、
    土人たちのセリフが、大人となった今ぐっとくる。

    姿を

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    2011年12月10日
  • 船乗りクプクプの冒険

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    ネタバレ

    近頃、ヴァーチャルとリアルの違いとか関わりとかを
    ふと考えちゃうことがあって…たとえば、巷のSNSなどは、
    どこまでがリアルでどこからがヴァーチャルなんだろなんてこと…
    FBがリアルでMixiがヴァーチャルとは一概に言えないだろうし…

    で、この本、そうした気持ちで読んでたからかもしれないけど、
    そうしたヴァーチャルとリアルは密接にしらんぷりをし、
    関係なさそうで、しっかりと絡んでいるのだと、感じたんです。
    なにしろ、作品世界に作者が登場しちゃうんだもの…

    作者の実存はリアルで、作品世界はヴァーチャルってこと?
    ま、そんなことを思いながらも、しっかりと冒険譚
    楽しめました…つまり、ヴァーチャ

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    2011年12月07日
  • 楡家の人びと 第二部

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    第2部は楡家の二代めに当たる人々やその子供たちが主役です。
    初代の楡基一郎が強烈なキャラクターを発揮していたことからその後に続く人たちはどんな人でも苦労する宿命を負います。
    それぞれが持って生まれたその気質のまんま、第二次世界大戦開始までの不穏な時代に沿うように、みんな穏やかざる人生を歩む様子が書かれています。
    叙情的な部分とユーモラスな部分が織り交ざった、ドクトルマンボウと純文学を書き分けた北さんならではの小説です。

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    2011年11月26日
  • マンボウ 最後の大バクチ

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    北杜夫が亡くなったので、追悼の意を込めてエッセイを手に取った。北杜夫という人は、完全なる純文学から、どうしようもないくらいバカバカしいエッセイまで、非常に振れ幅の広い人であるが、本著はバカバカしい方のスタイルで書かれている。この人のエッセイを何冊か読めば、躁鬱というものの在り様が非常によくわかる。思いもよらず訪れた最後の躁を、どうにかして活用してやろうという本人と周囲のヘンな行動が、バカバカしくも興味深くもある。

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    2011年12月20日
  • どくとるマンボウ青春記

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    木原敏江さんの作品「麻利と新吾」が誕生するきっかけとして、この作品を挙げられていて、いつか読みたいと思っていました。
    バッキャローの応酬。青春だなあ…。忍者の人が特に面白かった。

    ご冥福をお祈りいたします。

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    2011年11月06日
  • 船乗りクプクプの冒険

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    おもしろかった。
    作者が物語に登場するシーンが特に!
    これからも、読みつがれていく本なのだと思う。

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    2011年10月30日