北杜夫のレビュー一覧
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ネタバレ【Impression】
「マンボウ愛妻記から変更されました」がマジなのか皮肉っぽくしてるだけなのか分からんけど、こういうのおもろい。
この人が躁鬱とは知らんかったけど、まぁ航海記よりは薄い内容ではあるけど、皮肉感が好き
やっぱりこういう夫婦関係の方が上手くいくような気がするなー、まぁ身勝手な注文ではあるけど
【Synopsis】
●北杜生、ドイツで出会った妻に関してのエッセイ。妻が進化していく様子が描かれている
●躁鬱病を境に夫婦関係が変化していく。しかし夫婦関係は破綻せず、修正に修正を重ね執筆時の状態に落ち着いていく。
●著者晩年の様子が描かれている。皮肉満載で。 -
Posted by ブクログ
「どくとるマンボウ」シリーズ、第1作。
ひょんなきっかけと周囲の後押しにより、水産庁の漁業調査船に船医として乗り込んだ"どくとるマンボウ"こと「私」。その船上生活とそこから見える海の景色、次々と立ち寄る国々の様子や民族性を、彼視点で生き生きと表現された航海記。北杜夫さん自身の実体験をもとに書かれています。
大きな事件が起こるわけでもなく、「私」の見たまま感じたままの世界が素直に描かれています。従来の日本文学にないユーモアに富んだ文体でベストセラーとなった本作の初版は今から約50年前。当時の読者は本作を通して、活字の向こうの広い広い世界に想いを馳せたのかと思うと感慨深いものが。
薄い本ですが、その中身は広い世界への魅力で溢れていました。 -
Posted by ブクログ
北杜夫氏が亡くなって、それを機に(っていうのも失礼かもしれないけど)読んでおかねばと思いつつ、今になってしまったのだが。
まず、文章がなぜだかものすっごく読みやすくてびっくり。リズムがいいのか、けっこう文語調だったりするのに、あるいはそのせいなのか、するする読めて気持ちがいいくらい。
精神科の大病院を経営する一族が、関東大震災や太平洋戦争を経てだんだん没落していく大河ドラマのようなストーリーなのだけれど、登場人物が実に個性的というか変わった人びとばかり。考えてみると、みんな変な人っていうだけで家族仲も悪いし、いい人も魅力的な人な人もいないし、だれかに共感するとか応援するとかって気持ちにまーったくならない。だけど、なぜだか引き込まれてどんどんどんどん読んでしまう。なんでだろうーとなんだかずっと不思議だった。
第二部の戦争の話がこわかった。城木が海軍軍医として戦艦に乗って外洋での戦いを目のあたりにするところで、海上での戦争ってこういうことなんだー、とわかるような、すごく臨場感があって。それから、楡俊一が南洋の島に出征して餓死しそうになるところでは、食べものがないってこういうことなんだー、と実感するほどの感じ。これは本当にこわくて、今のこんなグルメブームの日本でもし食糧難とかなったらどうなるんだろう、だとか、食べものに執着するのは恐ろしいことかも、だとか、なんだかいろいろ考えてしまったくらい。
大病院を引き継いだけれどうまくいかず、孤独に研究に打ち込んで、ドイツで身を削って集めて持ち帰った膨大な文献は火災で焼失し、また研究成果をこれまた身を削ってまとめた原稿が紛失し、結局、虚しい思いばかりで死んでいく徹吉に、激しく同情するというか、心打たれた。なんということだ、と。これはやっぱり共感なのかも。人は愚かで、なにもなしえず、孤独で、ただ生まれて虚しく死んでいく、っていうような。
そして、辻邦夫の解説がすばらしかった。なぜこの小説に引き込まれてどんどん読んでしまうのかわかった。愚かで虚しい人間の姿を肯定してくれる小説なのだ。それが解説ではっきりわかって、いとおしくなったような感じ。
最後の、発奮する龍子の姿で、ああ続きが読みたいーと思った。龍子の話が読みたい。(ので、「猛女と呼ばれた淑女」を読もうかな)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前,長野県松本市の旧制高等学校記念館に行ったときに
卒業生の一人として,この北杜夫さんのプロフィールと「青春記」の紹介がされており興味を持っていたところ,2011年秋に訃報。
これは読まなくては・・・と思いやっと手にとることができました。
旧制高等学校のエピソードは,記念館で部屋の作りや事件,習慣などを見たあとだったのでとてもイメージできて楽しく読めました。
また,斉藤茂吉の息子であるというのも大変興味深くて,父親である茂吉像を垣間見ることが出来たり,親が有名であるということに対して息子がどう感じているかというのを感じることができました。
しかしホントに旧制高等学校は楽しそうだなーと。旧制高校は男子しか入学が許されないので,余計にそう思えるのかも。大学もいいなあ~
作中で,青春時代に書いた詩や日記を晒すページがあるんですが,ご本人はひどすぎる,恥ずかしいと評しているものの,私は単純にすごいなあと感心して読みました・・・w
「大学生にもなってこんな日記を」って,今の大学生だったらこんなの書けるかしら・・・?(学制が変わって,今の「大学生」は当時の「大学生」よりも年下だけど)
なかなか好感を持てる人物で,ユーモラスで楽しく読めたんですが,最後の方はちょっと…ちょっとだけ,飽きてしましました(^_^;)