あらすじ
宿題をなまけて本を読み始めたタローは奇妙なメマイとともに、物語の世界に陥ち込んだ。執筆途中で姿をくらましたキタ・モリオ氏のために大海原を漂うはめになった主人公クプクプに変身したのだ。物語の結末を求めて無責任作者を追うクプクプとその仲間の前に、つぎつぎと現われるメチャメチャの世界。読む人を思わず青い海へ、空想のたのしみへとひきこむユニークなメルヘン。
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Posted by ブクログ
最も敬愛する作家である北杜夫さん。
久しぶりに再読。
北さんのユーモアが詰まった童話。
軽妙な内容で軽く読み進められるが、最後は作者の思想を突きつけられて、爽快。
クプクプ改めタローがどうなるか分からないままに終わるのも、単に行って帰る物語でない面白さがある。
キタ•モリオなる人物も登場するが、自分自身をここまで面白く、嫌味なく、笑いに出来る北さんの魅力溢れる作品。
Posted by ブクログ
中学1年の時、私を本の世界に導いてくれた一冊。北杜夫とは思えない馬鹿馬鹿しい内容で、本を読む楽しさだけでなく、書く楽しさまでもが読んでいて伝わってくる。小中学生に読んで欲しい
Posted by ブクログ
著者の北杜夫さんが作中にキタ・モリオ氏として出てくる面白さもあるけれど、それだけではなく、人生の教訓や社会のルールなどが話に織り込まれており、子供の時にも一度読んでおきたかった、将来子供をもったら読ませたい、と思える作品。でも、大人になってから読んでもワクワクできると同時に、大切なことを再確認できるので、読んで良かったと思う。
Posted by ブクログ
読み手と作者と登場人物とその中をいったりきたり
ファンタジーとユーモア、文明人の土人からがとてもすきです
クプクプはこれから帰れないのか、これからまたこの感じがエンドレスなのかとか
Posted by ブクログ
近頃、ヴァーチャルとリアルの違いとか関わりとかを
ふと考えちゃうことがあって…たとえば、巷のSNSなどは、
どこまでがリアルでどこからがヴァーチャルなんだろなんてこと…
FBがリアルでMixiがヴァーチャルとは一概に言えないだろうし…
で、この本、そうした気持ちで読んでたからかもしれないけど、
そうしたヴァーチャルとリアルは密接にしらんぷりをし、
関係なさそうで、しっかりと絡んでいるのだと、感じたんです。
なにしろ、作品世界に作者が登場しちゃうんだもの…
作者の実存はリアルで、作品世界はヴァーチャルってこと?
ま、そんなことを思いながらも、しっかりと冒険譚
楽しめました…つまり、ヴァーチャルだろうがリアルだろうが
冒険はわくわくどきどきの世界なんです…そして未来を見てる!
ラストシーンは感涙ものですョ!
―海、海、海、どこまでもつづく広い海。
やさしくそしてあらあらしい海。
ぼくはおまえが好きだ。
ほんとうに好きだ。
ぼくはもっとおまえのなかへはいっていこう!
Posted by ブクログ
私の中の北杜夫ベストワンです。
子供の頃に読んで、それは面白かったと記憶しています。今、私がもし、この本の中に入って冒険してきてってって言われたら喜んでダイブしちゃいますね(笑)
享年84才。惜しい方が亡くなりました。ご冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
おれを本好きにしたのは北杜夫さんだと思います。大人の童話ってゆうか、そんな感じで。ある少年がいつの間にか本の世界に入っちゃって大活躍って感じなんですけどなかなかにおもろいっす。
Posted by ブクログ
遅筆の三文作家「キタ・モリオ」の中途半端な小説を世界で唯一買ってしまった主人公タローはこの小説の世界に「クプクプ」として迷い込む。物語から抜け出すために逃げ出したキタ・モリオを追う冒険小説である。北杜夫氏自身が船医だったこともあって、航海の様子は巧み描かれている。時にパロディ的な皮肉あり、時に少年少女への教えがありと飽きさせない小説である。小学校高学年くらいから読める小説だが、内容が幼いわけではない。
Posted by ブクログ
まぁ確かに子供向けの本ですよね、そういう意味では良い本なんだと思います。がすれてしまった今となっては、ダークな部分が足りないなと思ってみたり。
駄目ですなぁ、当方。こういう本は無心で読んでクスっと笑わないといけないものなのに。
Posted by ブクログ
冒険ものなのに,とってもゆるーい.
どんどんページが残り少なくなっていくのに,
話は全然終わりそうな雰囲気じゃない.
なんだかぽやんとした物語でふふふって笑いたくなる感じ.
長新太のカバーと挿絵も良い.