あらすじ
鬱病で寝込むこと十年、ようやく元気になったのはよかったが、いきおいあまって、人生最後の躁病を発症してしまったマンボウ氏。老いてなお盛んな躁病に、ギャンブル三昧の旅が始まった。「猛獣使い」の女性編集者、スーパー元気な娘を相棒に、上山競馬場、大井競馬場、平和島競艇とバクチ熱は急上昇、果ては韓国のカジノまで遠征することに。狂乱バブルのギャンブル紀行エッセイ。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
北杜夫が亡くなったので、追悼の意を込めてエッセイを手に取った。北杜夫という人は、完全なる純文学から、どうしようもないくらいバカバカしいエッセイまで、非常に振れ幅の広い人であるが、本著はバカバカしい方のスタイルで書かれている。この人のエッセイを何冊か読めば、躁鬱というものの在り様が非常によくわかる。思いもよらず訪れた最後の躁を、どうにかして活用してやろうという本人と周囲のヘンな行動が、バカバカしくも興味深くもある。
Posted by ブクログ
躁病万歳!
マンボウ氏の軽快なエッセイを読めたことが嬉しい。
遺言状,恐妻記は何となく支離滅裂だった記憶があるが,この作品はテンポ良く,伝わりやすい書き方がされている。天の邪鬼,躁病,ギャンブル,性の目覚め等々エピソードを面白く読めた。
旧知の人物に対する追想も楽しめた。
今は氏の健康状態はどうなのだろう。この作品は1999年のエピソードなので,今はもしかしたら躁の時代なのでは!と期待してしまう。
Posted by ブクログ
北杜夫のエッセイ、懐かしくて、ついつい買ってしまった。
80歳過ぎて、なお健在というところだ。
独特のユーモアがあって、心が和まされる。
何カ月か前にテレビの週刊ブックレビューに出ているのを見て、随分年をとったなあという印象だったが、文章になっているのを見ると、まだまだだなあと感じた。
100歳までも長生きして、エッセイでも短編でもいいので残してほしい。
Posted by ブクログ
家族と友の愛に囲まれて、といったところですか。
こういうの読まされてもなぁ、、、と思わなくもないけど、今だと非常識とか叩かれそうで、ある意味ノスタルジーな空気もまとっているのかも。
大笑いとはいきませんが、くすりとくるエッセイですか。
Posted by ブクログ
楡家の人々の背景を中心に、父茂吉への想いがつづられている。山形観光や競馬場、韓国カジノのあたりは、こちらまでギャンブルしたくなるような書きっぷり。躁鬱病って、周りが大変なんだろうなって。一読者としてはぜんぜん憎めない。
Posted by ブクログ
読み終わったところで訃報を聞いた。ほんとに”人生最後の躁”になっちゃったなあ。
佐野洋子といい、マンボウ先生といい、死期が近づくとやたら本がでるのはなぜでしょう。