荻原規子のレビュー一覧
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古典や神話において、重要な役割を担う空想上の生き物や言葉を話す動物たち。動物物語を通して、ファンタジーとは何かを考察しながら、読書案内としても楽しめるエッセイ。
著者は子供のころの自分は、想像力が豊かだったとは言えないと書いているが、私も意外と冷めていたように思う。実際物心ついたころから、テレビに映るアニメやヒーローが実際にいるとは思ったことが無いし、芸能人さえテレビの中の存在で実在しないと思っていたぐらいだし。でも想像力はないくせに空想するのは大好きだったので、よく本を読んではその世界に浸るのが好きだった。残念ながら読んでいたはずなのに、子供のころ好きだった本としての記憶はないけど。
考察としてファンタジーが古典や神話と結び付いているというのはよくわかる。その辺りから題材を取りやすいし、土壌がしっかりしていてすんなりと受け入れやすいからだろう。でも優れたファンタジーはそういうもので、シャボン玉じみた空想話との差がそこだというのは引っかかりを感じた。本は優劣じゃなく面白いかどうかだ。それも個人の好みによるところが大きいだろうし。
余談だけど、『ネズミ』の項で著者が上げたのが『アルジャーノン』だった。私は『ガンバ』だけど、何より『アルジャーノンに花束を』はSFだったのか!そう思って読んでなかったのでびっくり。 -
Posted by ブクログ
実質的には4.5巻?な外伝2冊目。
当初はこの本をもって完結予定だったようです。
今回は完全にアデイルのターン。
アデイルとヴィンセント以外は新キャラで、4巻のフィリエルの
ような珍道中(笑)のまさにアデイル編。
フィリエル以上にハラハラする展開に、田舎育ちでたくましい
フィリエルに比べ、未知の地では幼さ・弱さも見えるアデイルが
微笑ましいです。
勿論アデイルなので彼女らしい強さ・たくましさは
しっかりと見えます。
しかしどちらも運が強い!勿論どちらもが運を
「運んで」いると思いますけどね。
新しい土地でも絆を育むことが出来るという、
大切なものをどちらもが旅の中で得ていますね。
しかもその絆があまりに大きな鍵であるところまで一緒。
そんな彼女達のその後が次の真の完結巻では見れるようで。
やっとこさのレアンドラのターンもあるようです。 -
Posted by ブクログ
(No.14-8) 荻原規子さんの源氏物語。一~三をまとめて書きます。
源氏物語が長すぎるので、読みかけて途中脱落する人が多い。だからともかく全部読んでもらうために、荻原さんは枝葉を取っ払って幹だけにしたこの本を書いたとのことです。
長くて読みきれない人が多いらしいとは聞いていたけど、私にはそれほど長いとは思えないの。
何十年か前なら確かに長い小説と言えたかもしれないけど、今は何巻にもなる小説が当たり前にあるもの。特にファンタジー小説は長いのが多い。
私も、原作はとても全部は読めてないけど、翻訳したのなら何種類も何度も読んでいて、これが何で長いんだ?と不思議な気がしてます。
まあこの短いバージョンの源氏物語ならとりあえず頑張れば読めると思うので、ともかく源氏物語を読んでみたいという人にはトライする価値はあるでしょう。
ただかなり薄味になっちゃってますが・・・・。
私は恋愛小説が苦手。ミステリやファンタジーに恋愛が入ったものならまあ読めるんだけど、そういう要素がなくて、恋愛でくだくだ悩んでいるだけの小説はうんざりしてダメです。
その私が、源氏物語は抵抗なく読める。
荻原さんは源氏物語は長すぎるから挫折する人がいる、と考えたようですが私はちょっと違うと思う。源氏物語は恋愛小説じゃないのにそれを分かっていない人が多いから、というのが私の考えです。
挫折する人は源氏物語を恋愛小説だと思って読み始め、なんか違う・・・と感じて読むのを止めてしまうのでは?
あとがきに当たる「おわりに」では荻原さんも源氏物語の本当の凄みは、鋭敏に人間を見つめている作者の目だと言っています。
源氏物語を読んだ人の感想に「光源氏が素晴らしい人だとは思えない」というのがよくあります。それ、正しい感想!
素晴らしい、素晴らしいと書いてあるけど、本当はちっとも素晴らしくないのが光源氏なの。表面的には素敵でも、実はダメ男。きちんと読めば、そういうことが分かる書き方がしてある。
紫式部がいた当時の宮中、だけでなく今の京都でも、ほめていてもほめてない表現方法は連綿と続いているのではないかな。(京都の方に偏見だと怒られちゃうかも・・・あくまでも私のイメージです。)
源氏物語は男を捨てることで、女が幸せ、又は心の平安を得る小説です。
捨てられる男代表が光源氏。
女の手段はほとんどが「出家」。あるいは「母」に徹すること。
そしてどの手段をとることも出来ず、心の中でだけ光源氏を捨て緩やかな自殺をしたのが紫の上。だから私には紫の上は特別に思えるのです。
本の感想というより、「私の源氏物語」という感じの文になっちゃいました。 -
Posted by ブクログ
作者が意図しただけあって、
展開に流れがあって、物語に惹き込まれ易い。
大胆な巻の省略が上手く機能している。
絵合わせ、香比べ、書比べと、
優美で典雅な世界に魅了されつつ、
そこに潜む人間批評のスリルにドキドキする。
しかし、自分の愛しい人が他の女の話をする。
それってどんな気持ちだろうか。
今とは持っている感覚が、常識が違うとは言え、
人が抱く想いにそう違いがあるとは思えない。
平安時代ですら、古の方が良いものがあるという考えがあったことに驚いた。
永遠に人が持ちうる感覚なのかなあ。
言葉の少ない原文に近いこの文章は、
想像する余白が多い。
文章に、物語に集中しないと読み進めない。
でも、これこそが本来の「物語」なんじゃないかと思う。
表現が豊かになった分、失うものもあるということか。
1より2が良くなってる。最終巻に期待。 -
Posted by ブクログ
荻原規子の源氏、ちょっと期待しすぎたか。
意外なほどに、古文に忠実なのではないだろうか。
読みやすいとは思うけれど、彼女らしい物語性は感じられなかった。
淡々と綴られていく物語は、多くを説明せず、語らない。
そこは読者側の読解力、想像力にかかっている。
試されている気がして、ちょっと息苦しい。
まさに古典の世界。
真摯に向き合うのも悪くはない。続きも読もうと思う。
しかし、女性が作り出した人物なのに、
光源氏の心理、行動は不可解だ。
式部は理解していたのだろうか。
なんで紫の上を思いながら、明石の君に会いに行けるのか。
そして、様々な女性にかけ続ける情け。
それは、優しさなんかじゃなく未練だ。
一度に多くを愛せる男と一人しか愛せない女。
全てはそこに起因するのではないだろうか。
理解は出来ても、永遠に納得は出来ない気がする。