今野敏のレビュー一覧

  • ヘッドライン(スクープシリーズ)

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    テレビ局の遊軍記者である布施は、けっして仕事熱心な記者ではない。
    けれども何度もスクープをものにして実績をあげてきた。
    上司である鳩村も、刑事である黒田も、布施に一晩張り付いてまわり、驚くべき人脈を目の当たりにする。
    常に自然体で周囲に接している布施だったが、それが計算されたものなのか天性のものなのかは、結局ふたりにはわからない。
    知り合った人たちをいつの間にか安心させ、布施が張りめぐらした網の中へと取り込んでしまう。
    そして築かれたとんでもなく豊富な人脈。
    それこそが布施のスクープを生み出している。
    一年前に起きた猟奇殺人事件に目をつけた布施。
    独自に取材を始めるが、未解決のままになっていたその事件の担当刑事が黒田だった。
    以前から布施に一目置いていた黒田は、布施に協力をあおぎ事件解決へと乗り出す。
    実際には刑事と記者が共に聞き込みに回るようなことはないだろうが、設定としては面白かった。

    「俺は俺の仕事をした。黒田さんは黒田さんの仕事をした。それだけでしょう?」

    言い切ってしまう布施は変わってはいるけれどかっこいい。
    第1弾の「スクープ」よりもミステリー色が濃くなっていたし、黒田から見た布施像も描かれていてより面白く読むことができた。

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    2017年03月07日
  • 残照

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    刺殺現場での目撃証言から「黒い亡霊」と呼ばれている風間が容疑者として浮上する。
    しかし、風間をよく知る速水は風間の犯行を否定する。
    本庁から送り込まれた刑事たちと、ベイエリア分署の捜査方針の違い。
    プライドなのか、自分たちの捜査に絶対の自信を持っているのか。
    安曇たちの意見に耳を貸そうとはしない。
    風間のキャラクターが印象的だった。
    終盤で明かされる風間の環境や心境。
    捉えどころのない人間だと感じていたのに、彼なりの理由がそこにはちゃんとある。
    「いつの世でも、子供は大人に何かを求めている。反抗するのは、甘えなのだ。
    大人は、手取り足取り教える必要はない。何かを子供に示せばいいのだ。
    生きる姿勢を見せてやるだけでいい」
    妙に印象に残った作品の中のこの一節。
    たしかに、親にはむかったりするのは甘えもあるな・・・とあらためて気づいた。
    常に上から物を言われているような感じにムカついたりはするけれど、甘えてるだけ・・・なのかもしれない。
    今回は速水が大活躍をしている。
    ドラマだったらW主演といった感じだ。
    今野さんの物語に登場する人物たちは、どれも個性豊かで活き活きと物語の中で動きまわっている。
    今野さんの作品が好きな理由は、そんなところにもあるのかもしれない。

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    2017年02月28日
  • エチュード 警視庁捜査一課・碓氷弘一4

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    勇気ある一般市民の協力によって逮捕されたかにみえた通り魔殺人の犯人。
    現行犯逮捕という現実の前に、消えた協力者へ注意を払う人間はほとんどいなかった。
    しかし、犯人として逮捕された男は拘束直後から「自分はやっていない」と否定をし続ける。
    相棒として心理捜査官・紗英とともに捜査を続ける碓氷に、紗英は意外な事件の真相を告げる・・・。
    人物の記号化という考え方がとても面白かった。
    人は興味があるものは記憶に残りやすく、逆に自分にとって関心のないものは記憶に残りにくい。
    より強烈な印象を残すものは、他のものよりも強く記憶されやすい傾向がある。
    後半、「強固な象徴性」という言葉が出た時点で、犯人の次の手口がわかってしまったのは残念だった。
    捜査方針を決定しなければならない場面だっただけに、必要な不可欠な展開だったとはわかるのだけれど・・・。
    事件は人が集まる駅前広場で起きている。
    犯人が下見をした可能性が指摘されてから、周辺の防犯カメラがチェックされる。
    事件当日の防犯カメラに犯行の様子は映っていなかったのか。
    用意周到な犯人のことだから、カメラの死角を狙っての犯行だったのかもしれないが。
    しかし、群集がパニックになっている中でひとりだけ違う行動をしている者がいたら目立つと思うのだけれど。
    プロファイリングの正確さについても、あまりにも100%の的中率だったことがかえって「えっ?」と感じてしまった。
    それでもやっぱり今野さんの作品は面白い。
    見かけるとつい手に取ってしまう魅力がある作家だと思う。

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    2017年02月27日
  • 白夜街道【新カバー版】

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    第1弾に引き続き登場するヴィクトル。
    そして今回も脇ながらいい味をだしている大木天声。
    ラストの息詰まる銃撃戦は、プロの諜報員の姿がはっきりと伝わってきて面白かった。
    ターゲット以外はたとえそれが要注意人物であったとしてもかかわらない。
    そして、狙ったターゲットに対しては確実に目的を遂げる。
    今野さんのシリーズはどれも面白くて、気づくといつも手にとってしまう気がする。

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    2017年02月20日
  • 曙光の街【新カバー版】

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    三人が係わりあったことによって生まれた科学変化が面白い。
    ヤクザや兵頭とのやりとりの中で、プロとしての本能に次第に立ち戻っていくヴィクトル。
    ヴィクトルを追いかける過程で徐々に自分の仕事を理解していく倉島。
    義理に縛られていた兵頭は、ヴィクトルとの闘いの中で男ととしてのけじめをつけようとする。
    大木天声をはじめとする登場人物もひと癖もふた癖もある連中だ。
    何が真実なのか?そもそも真実とは何なのか?
    倉島が最後に決断した行動が、読後感をすっきりしたものにしてくれた。
    三人三様の未来、変化を遂げた男たちの再出発が心地いい。

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    2017年02月20日
  • 凍土の密約【新カバー版】

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    警察を舞台にしたドラマは多い。
    そのためか、何となく縁はなくとも警察の捜査など知っているような錯覚に陥ってしまう。
    けれど、公安となると話は別だ。錯覚する余地などないくらい、その内実は知られていない。
    もしかしたら、同じ警察官であっても公安について正確に知っている人は一握りかもしれない。
    刑事が犯人を逮捕するには証拠が必要だ。
    物的証拠がない、もしくは乏しいときは、犯人しか知りえない秘密の暴露といった意味で自白が重要な位置をしめる。
    一方公安は証拠にこだわらない。事実だと納得できる情報があればそれがすべてだからだ。
    表舞台に出ることのない公安という組織。
    私たち国民の知らないところで、国家的危機から国を守るために公安は動いているのだろうか。
    それにしても第1弾に登場したヴィクトルといい、シロコフといい、人間凶器とも言えるようなプロがいるということが恐ろしい。
    平和ボケと言われる日本だが、同時にスパイ天国とも言われている。
    出来ればこんな恐ろしい攻防は小説の中だけに留めておいてほしいものだ。

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    2017年02月20日
  • ビート―警視庁強行犯係・樋口顕―

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    ネタバレ

    ・面白かった。エチュードより全然よかった

    ・操作情報をもらした刑事、息子2人

    ・心は普通の人なのに、周りからは鉄面皮みたいに
     思われている樋口刑事

    ・事件自体よりは、心理描写が面白かった

    ・グレてた息子は応援したくなり、おやじ刑事は
     不器用で頭悪いけど憎めない

     登場人物がよかった

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    2017年02月19日
  • ST 警視庁科学特捜班 為朝伝説殺人ファイル

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    面白かった!けど、今回は珍しく予想通りの展開で物足りない感……STもっとゴリゴリ活躍していい!!!!「呪いは本当にある」辺りのくだり超好きでした♡

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    2017年02月12日
  • リオ―警視庁強行犯係・樋口顕―

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    ネタバレ

    犯人が教師とはありがちなのにずっと飽きない。
    一目気にしてしまうことに悩む樋口の設定がいい。
    氏家とのコンビのラストが心地いい余韻。

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    2017年02月03日
  • 硝子の殺人者 東京ベイエリア分署

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    2作目の前に3作目を読んでしまった。まあ、どうでもいい事だけどね。今は、携帯電話・スマホが当たり前の世の中だけど、たった20年前には警察の方達も連絡を取り合うのが大変だったろうななどと考えてしまった。

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    2018年02月17日
  • 蓬莱 新装版

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    ゲームがキーとなるって書いてあったのが購入のきっかけ。
    作者の人は名前見たことあったけど、小説読むのは初めてだったー。
    読みやすい文章ですらすらいけた

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    2016年12月18日
  • ST 警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル

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    ST山吹の真意とは――
    心の闇、心の扉
    新興宗教の若者4人は集団自殺をしたのか

    密室状態のマンションの一室で、若者4人の死体が発見される。彼らは皆新興宗教団体の信者たちだった――。集団自殺と片付けられかけたが、STは他殺の可能性を追う。入り組んだ宗教団体内の人間関係と、揺れ動く人間心理。僧籍を持つST山吹が、事件だけでなく人の心の裏側を解く、「色シリーズ」第3弾。

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    2016年12月11日
  • ST 警視庁科学特捜班 黒の調査ファイル

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    ST黒崎が沈黙を破るとき――男は、語らず、動く。
    歌舞伎町の連続発火事件と中国マフィア抗争の裏

    携帯のワンクリック詐欺に遭った役者志望の男が、チャイニーズマフィアの名を騙り、悪徳業者に逆襲を謀る。そのマフィアのボスは、歌舞伎町の覇権を巡り別組織と暗闘を繰り広げていた。そして歌舞伎町での連続放火事件に出動したST――絡まる謎に“沈黙の男”黒崎が動く!「色シリーズ」、堂々のラスト。

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    2016年12月11日
  • ST 警視庁科学特捜班 緑の調査ファイル

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    ST翠の孤独と苦悩――
    美しき捜査の旋律!
    1億円バイオリン盗難と密室殺人の二重の壁

    1億円の名器ストラディバリウスが盗難。人気バイオリニストがコンサートのリハーサルの際にすり替えられたのだ。出動したST翠の異常な聴覚に、オーケストラの指揮者・辛島は興味を示す。捜査が難航するなか、コンサートマスターが密室殺人の被害者となる……。翠の苦悩が胸を打つ「色」シリーズ第4弾!

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    2016年12月11日
  • ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人<新装版>

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    連続変死事件発生!最強チーム警察小説、第2弾。
    美貌の女子アナ。隠された戦慄の謎。ST5人は不可能捜査に挑む。待望の新装版。

    連続して発見された2つの変死体から検出されたのは共通する毒物だった。存続の危機に瀕していたSTが動き出す。事件の周辺からは新興宗教にも似た奇怪な自己啓発セミナー、そして有名女子アナの存在が浮かぶ。土壇場で意外な展開をみせる究極のサスペンス!最強チーム警察小説シリーズ第2作、新カバー版。

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    2016年12月11日
  • 逆風の街 横浜みなとみらい署暴力犯係

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    暴力団担当の刑事と、暴力団との戦いの話。被害者の殺され方の描写が怖くて、イラストなんかないのに目をつぶりたくなった。マル暴刑事は大変だ・・・。でもここでもやはりチームワークというか信頼関係の元解決したという、今野敏作品のいい終わり方だった。

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    2016年11月30日
  • バトル・ダーク ボディーガード工藤兵悟3

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    日本の警察とのある意味戦いのような本作。
    状況が、文章の描写から頭に描けて
    まさにダークの中のバトルが激しく描かれていた。

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    2016年11月19日
  • 警視庁FC

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    楠木の考え方が考えさせられる。これほどまでじゃなくても、冷めた考えの人はたくさんいるはず。仕事に情熱を持たないことは悪ではなく、特徴。つまり、情熱がないイコール無能なわけではない。そして組織で必要なのは、そんな目に見えない特徴を把握し、適所に配置すること。今までの作品とは視点が違うので少し戸惑ったけど、読んで良かった。
    ただ序盤からヒントを出し過ぎかなw

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    2016年11月13日
  • 廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕

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    樋口顕シリーズ。警察小説だけど家族の物語でもある。樋口さんは、いつも自分が警察官に向かないと思っているけど周りはそう思わない。この次は管理官になっているかな?

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    2016年10月08日
  • 残照

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    面白かった!
    安積さんの一人称で語られるので、案外ヘタレな心の内なんかも覗けてしまう。
    とにかく速水さんが大活躍で、カーチェイスの場面は本当に手に汗握るっ!
    しっかり生きるのは歳をとってもなかなかに難しいけど…頑張る。

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    2016年09月26日