橘玲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
金融資本の運用で失敗する最大の原因は騙されたりぼったくられたりすることだ。
業者にとっては投資家から受け取る手数料を最大化することが最も効果的
本書はこの金融資本の運用でやらかさないための金融リテラシーを上げる足がかりとなるような知識を多く提供してくれるものだった
金融、経済に関する通説やよく聞き覚えのある言葉について、かいつまんに説明しつつ実態を分かりやすく伝えてくれ、すごく勉強になる内容だった。
なんとなくわかった気でいたたくさんの用語や仕組みが少しは深く理解できるようになったと思う
以下、特に印象に残ったフレーズたちを記しておく
資本主義とは、複利とレバレッジによってバランスシートを拡大していく運動のこと
インデックスファンドによるドルコスト平均法では、株価の暴落こそが投資の最大のチャンスになる
資産運用において「よく知っている」ことはほとんど意味がない
「損したくない」というのは、人間の本性に根ざした根源的な感情
「直感的に正しそうなことこそがもっとも疑わしい」というのが資産運用の基本
投資のプロはサルに負ける
市場は因果律で動いているのではなく、未来は確率的にしか把握できない、株価の変動に理由はない
市場は複雑系であるから、予測不可能なことを前提に資産運用を考えるべき
株価や地価は将来の利益を現在価値に割り引いたもの
為替はモノの値段が同じになるように異なる通貨を調整すること
金融機関が熱心に勧誘するウマそうな話は無視
→歩合制で給料が決まる金融機関の営業マンが売りたいのは顧客に有利な商品でなく、自分が儲かる手数料の高い商品 -
Posted by ブクログ
ある日突然、自分の戸籍謄本に見知らぬ名が。
婚姻欄に妻と娘に並び、妻にロペスマリアなるフィリピン人の名前が。更に日が経つと息子にケンなる名前が。
いつの間に重婚?そもそも日本では重婚は禁止では?
そこには経済発展を遂げ、その中に置き忘れてきた新日系フィリピン人問題が絡んでいた。
JFC:Japanese-Filipino Children 新日系フィリピン人。第二次世界大戦でフィリピンに残された日系フィリピン人に対し、1980年代以降、興行ビザで日本にやってくるようになったフィリピン人女性(じゃぱゆきさん)と日本人男性との間に生まれた子供たち。
あくまでもフィクションではあるが、戸籍に関する記述は事実に基づいている。
橘氏の小説はどれもハズレがないな。ページを捲る手が止まらない。
現在では法強化が行われ、当時よりはフィリピン人は少なくなったものの、代わりにベトナム人が大量に日本へやってくるようになった。ぜひ、この辺りの一冊も期待したい。
結末は実に物悲しいが現実を如実に表している。 -
Posted by ブクログ
当時は活版から写植への切り替えの時期で 巷に溢れる自薦他薦のプロレス評論家ほど コロシウムの時代より連綿と受け継がれた格闘技の基本である 力道山の空手チョップによる反撃などは、この様式美のもっとも完成されたドラマであろう。人々はそこに、宗教的な解放すら感じたのである。 自己の存在を顕示していこうとするタイプ それでも国民の間に凄まじい力道山幻想を巻き起こした 技を日本語として表現するだけの思想がないのだ プロレスにカタルシスを求めている 宗教儀礼のクライマックスが教祖と信者の接触であることによって 堤清二率いるセゾングループの全盛期で 寡婦控除ならぬ寡夫控除 父子家庭 「共同体主義者(コミュニタリアン)」の人達とはまったく話が合わないだろう エビデンス(証拠)のある元気結果から目を背けるのではなく 「屠殺」と「屠る」の語用が多かった 凡ゆるタブーを俎上に載せて笑いのネタにしてしまおうというのだ 漂泊への抗い難い憧憬がある ファンダメンタリズム(原理主義)がテロの理論に変容する過程が分析される 世俗の暮らし 「私が愛した『爆弾娘』」 悔恨 カルト教団の引き起こした異常な事件と、「ウィンドウズ95」が予告する光り輝く未来との間には、気の遠くなるような距離があった きそん毀損 為替手数料を上乗せした価格で海外宝籤を販売するのだから レゾンデートル(存在理由) それは確かにある種の慧眼ではあった 社会の周縁でビジネスをしていると 外套がいとう 礎いしずえ さんぴん茶で郷土料理を食べていたのだ 豪奢ごうしゃ 知悉ちしつ 「差別表現」を巡って「糾弾」された一部始終を回顧する件 開陳かいちん 眺望ちょうぼう この時代を活写した回想記ならば 論客ろんかく それまでの近代の思想が奉っていた意識とか主体とかを疑い 雑駁ざつばく 意識や感情を脳内物質の作用であるとばっさりやって人気を博していた 凡ゆる綺麗事、理想、正義、道徳、価値が、偶々そういう事とされたお約束に過ぎぬと見定められた時、氏の言うように、「『自分こそが『真理』を独占している」という「ものすごく気分がいい」優越感に浸れる。そうして、「自分が何者でもない」惨めさを、一時であれ、忘れることができるのだ。では、そんなポストモダン思想によって、正義や理想を否定したとき、後に何が残るだろうか。それは、ポストモダンの大先達とされるニーチェがいう「力」とか「生」とか「無意識の衝動」、そのバージョンである「欲望」とか「快楽」とかだった。 矜情
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Posted by ブクログ
こんなビジネス書はゴミみたいだから読むなみたいな内容を想像していたけど全然違った。複雑性や進化論など一見すると小難しいことをざっくりと紹介する本。
この本が取り扱うテーマは進化論、複雑性、ゲーム理論、脳科学、功利主義。
なぜこのテーマなのかはこの本を最後まで読むとわかるこれら全てつながっている。
進化論や複雑性など自分が知っているつもりだったテーマが多いと思っていたが知っている事と人にわかりやすく説明できることを文章としてまとめられる事は全然違うことであると感じる。その、この本の著者はこれらのテーマのことをよく理解していると思う。
しかしなあ。自分が興味ある分野がこれだけ一個人に網羅され解説本も出されてるとなると自分が貪るように本を読んでいるのは何なんだろうという気持ちになるな。自己満足のために読んでるはずなのに。
......
行くのはマンデルブロ単純な規則が複雑なものを乱すフラクタルと言う概念を見いだす。それを駆使し金融市場で成功したナシームニコラスタレブも登場
象の時間ネズミの時間 生物の個体の寿命は体重の4分の1乗に比例する。体が大きいほど動物の寿命が長い
ポリコレ、メリークリスマスはキリスト教特別扱いしているとしてクリスマスから新年にかけての挨拶はハッピーホリデイズに変わった
ゲーム理論。自分がだす情報は最小限に相手から引き出す情報は最大限に
プロスペクト理論は進化により説明ができる。得をするすなわち職業を得る事はリスクを取った大きなリターンよりも少ないリスクを取る確実なリターンが重要で奪われることつまり死に直結する事はリスクを取ってでもゼロにしたいと言う選好があった
統計は理論がなくても答えが導き出せる手法。経験的
記憶や感情意識意思といったものは脳の神経細胞の集まりとそれらの活動に過ぎないと言う論文が1994年に出版されている。意外と最近
近代科学の最大の武器は還元主義
フルーツが赤やオレンジなのは緑の反対色で動物に見つけてもらいやすかったから
ニューロンの仕組みはほぼ解明されておりそれが電気信号と化学反応による情報伝達やエントロピー増大の法則などの物理法則に従うのは当然のことであるがここから意識と言う奇妙なものの発生は説明ができないこれが心脳問題における最高度の難問
進化心理学における心とはシミュレーションマシン
脳科学における正義は娯楽(エンターテイメント)である
リベラルはデモクラット(平等主義者)と言う意味で使われている古典的自由主義はリバタリアン -
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ネタバレ3
小説と同著者で06著なので情報が古いと思われるが当時の合法的な節税・脱税の話。現実に起きたマネロンの事件を挙げ解説している。カシオから120億円の資金が流出した国際金融詐欺事件、クレディ・スイスやプライベートバンクの話、マネロンの歴史から金融のグローバル化と大衆化がもたらす未来の話。小説のもとのような話もありなかなか面白い。
金融市場の最大のプレイヤーは年金基金や生命保険会社などの機関投資家であり、数億円程度の個人投資家は影響力がない。プライベートバンクの存在意義は、富裕な個人投資家に新興市場も含め多様な商品にアクセスできるようにする事、法人や信託など様々な取引主体が利用でき匿名性を上げられる。 -
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正社員とはサラリーマンであり、即ち社畜のことだろう。驚くべきことにこの国では、いつの間にか社畜=奴隷こそか理想の人生になってしまったのだ。 慨嘆する 世に蔓延する「社畜礼賛」が薄気味悪いだけだ 「自由」は空疎なお題目ではなく、「人生を選択できる経済的な土台(インフラストラクチャー)」のことだ。 玉石混淆の自己啓発本が溢れていて 羅針盤も海図もなく徒手空拳で市場の荒波に乗り出していく 刻苦勉励こつくべんれい 日比谷公園の野外音楽堂が薄暮に沈む頃には 戦犯を見つけて批判する勧善懲悪の単純な手法は 巷間流布している「格差社会」の処方箋は殆ど役に立たない 七〇年代のハーレムやブロンクスが一般人の近づかない犯罪地域になったことからもわかるように 大リーグに移籍した日本人は、日本ではなくアメリカに納税している。 郊外の瀟洒な住宅地 安価な輸入品 中内㓛いさお 一代の梟雄は無一物に近い姿で世を去った 中内ダイエーの産業再生機構入りは、「中内が握って離さないものを、国家が腕ごと切り落とした凄まじい瞬間」だった チッソは水俣病の原因企業として四〇年近くにわたって被害者への賠償を続けている 西原理恵子「脱税できるかな」(『できるかなV3』〈扶桑社ふそうしゃ〉所収) ランボルギーニは経費になるか 説明できる(アカウンタブルな)ものはすべて経費として損金計上する。 伊丹十三の『マルサの女』で知られる国税局査察部は、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及する為の組織で、強制力(令状)を持った税務調査を行う。それ以外にも年数回、有名人の脱税がマスコミを賑わす。 国税庁は話題になりそうな事件を選んでメディアにリークし、「税務署はこわい」というイメージを維持しようとしているのだ。 何故なら彼等は住所がないので、行政上に「弱者」になれないのだ。 厳しい解雇規制によって経営が破綻するまで彼等を若い労働力と交換することは許されない 近代社会は、「自由」に至高の価値を見出すことによって成立した。だが私達は、実は心の底で自由を憎んでいる。社畜礼賛の風潮を見れば明らかなように、人は元々自由になど行きたくないのだ。 この国を覆う閉塞状況を変えるものがあるとすれば、それは理想主義の空虚な掛け声ではなく、少しでも得をしたいという普通の人々の欲望である。