雫井脩介のレビュー一覧

  • 火の粉

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    かつて裁判長だった梶間勲が、一家3人を惨殺した裁判を担当し、容疑者の武内を証拠不十分として無罪判決を下した。
    数年後、武内は梶間家の隣に引越して来て、恩人と仰ぐ梶間の家庭の介護や育児・家事を手伝う。
    しかし、その頃から梶間家には何故か不穏な出来事が相次ぐ。 
    その出来事の正体は何なのか。そして過去の裁判の真相はどうなのか。
    物語の終盤になると展開が加速し、真相が明らかになるが、それまでモヤモヤした。
    好意ある相手への異常な尽くし方と執着、その思いに対して、少しでも相手と温度差があると、狂気への変化など、人間の心理の恐ろしさを感じ、身の毛がよだつ作品だった。

    ドラマは小説とストーリーが異なる

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    2025年05月30日
  • 火の粉

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    ネタバレ

    単刀直入に、とても面白い本でした。
    中盤から後半にかけてはずっとドキドキ、ハラハラしっぱなしで手に汗を握るストーリーでした。

    ただ、それだけではなく武内に一切の不信感を抱かずに雪見を変人扱いする俊郎にイライラしたり、武内の思惑通りに梶間家から追い出されてしまった雪見のやるせなさなど様々な感情が次々に湧き出てくる一冊でした。

    最後、勲は雪見に対して逞しいという感情を漏らしていて確かに逞しい女性ではあるけれど、個人的には杏子が誰よりも強く逞しいなと感じました。
    雪見に裏切られかけたにも関わらず、杏子は変わらずに雪見に感謝の気持ちを持ち続けており、自身の旦那さんが行方不明になり最悪の事態も想像出

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    2025年05月10日
  • 望み

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    とある殺人事件に関わっているとされる行方不明になった息子。息子は加害者なのか被害者なのか。加害者であっても命は助かってほしいと願う母親と、被害者であっても息子が人を殺すはずがないと信じたい父親。劇的な展開はないけどストーリーに没入させられる。

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    2025年04月29日
  • 霧をはらう(下)

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    Audibleにて耳読しました。兎に角安達祐実さんの凄さが伝わる!こんなに色んな方の声をそれっぽく使い分けられるものなのかと。
    さなの手紙には泣かされました。これは、Audibleがおすすめ!

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    2025年04月22日
  • 望み

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    揺さぶられたなー最後までドキドキでどんどん読み進めた。設定が面白すぎる!
    悲しい最後しかないのにこんなにも面白いのか。

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    2025年04月21日
  • 犯人に告ぐ 下

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    「面白いけど後味が悪いので、読むのにMPが必要」という印象が強かった雫井脩介さんですが、これは重厚な警察サスペンス物として一気に読み切ることができました。
    所々胸が苦しくようなシーンがあり、なにより台詞の言葉選びや描写が本当に丁寧なので、みるみる世界観に染まっていきました。
    読み終わった時、「読み終わった」ではなく「事件が解決した」という感覚になったくらい没入していました。
    前情報として入っていたクライマックスシーンよりも、エピローグのところが自分はグッときてしまいました。なんならちょっと泣きました。何に心を動かされたのか上手く言葉にはできないけれど。

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    2025年04月04日
  • 望み

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    ネタバレ

    ラストは予想していませんでした。
    子を持つ親として、胸が締め付けられる思いです。
    事件関係者としての葛藤や、周囲からのバッシング。
    自分の子供を信じたくとも、そうさせてくれない環境が本当にリアル。
    終盤からは夢中で一気に読みました。

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    2025年04月03日
  • 霧をはらう(下)

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    ネタバレ

    病院で点滴への薬物混入が起こり、2人の命が失われた。逮捕されたのは当時入院していた少女の母親。彼女は悪い人じゃないけど、お節介で距離感がバグってるような人。こんな人いるなーと思いながら読んだ。長女の由惟が会社で理不尽に辛い目に会うのが本当に可哀想で、彼女のために母親が無罪で良かったと思った。人は追い詰められると、やってないことでも自分がやったと言ってしまう、このことを由惟が会社での出来事を通して理解し、母親の側に寄り添うことができるようになるまでの描写が見事。母親の無罪確定後はすんなり終わるのかと思いきや、大物弁護士のまさかの一面も暴露される結果となり、最後まで気の抜けない作品だった。

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    2025年03月15日
  • 互換性の王子

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    終わり方が出来すぎの感はあるが、面白かった。それにしても作者は仕事の事や、ましてや乳酸飲料のこと、その営業面のことなどなどをよく勉強されているなあと感心した次第です。

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    2025年02月14日
  • 望み

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    ネタバレ

    加害者、被害者どちらになっても残酷な結果が待ってる。私だったらどっちがマシなのだろう。考えさせられる作品だった。ただ息子を信じてるだけなのに、ただ未来を望んでるだけなのに悲しい現実だ。

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    2025年01月30日
  • 犯人に告ぐ : 3 紅の影 下

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    前作で取り逃がした「リップマン」
    主犯格を捕まえなければ事件は終わらない
    巻島捜査官とリップマンの頭脳戦はどちらに軍配があがるのか
    警察内のSも発覚し、思惑が錯綜し事態を混乱させる
    お互いの"読み合い"と"駆け引き"で面白さを引き出す作品でした

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    2025年01月25日
  • 犯人に告ぐ : 3 紅の影 上

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    犯人に告ぐ2からの続編で人間像が色々と見えてく作品でした。 現在、4が新連載となっているので、早く後編を読み進めて、4につなげたい。 この作品はとても知的な行動がなるほどといえる展開で楽しい!

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    2025年01月13日
  • 犯人に告ぐ2 (下) 闇の蜃気楼

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    前作から数年ぶりに読んだので前作の内容はスッカリ忘れていたがメッチャ楽しめた
    振り込め詐欺の指南役が描いた身代金誘拐はこれまでのそれとは違う騙し合い
    既に不可能と言われれて久しい身代金受渡しで繰り広げられるのはまさに詐欺の手口
    犯人はまんまと逃げきれるのか
    ハードボイルド要素もあって大好物でした

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    2025年01月09日
  • 望み

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    物語の展開に、胸が締め付けられるような思いが何度もありながら、でも先を読まずにはいられない物語でした。望みとはいったい何だろう、結末を迎えても考えさせられました。息子と対面する両親の姿、妹の姿に涙がこぼれました。読みごたえのある作品です。

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    2025年01月08日
  • 望み

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    ネタバレ

    自分の息子が行方不明になったら、殺人事件の加害者としてか、被害者としてかどちらが良いのかという答えの出ない問いを題材にした一冊。殺人を犯していたとしても息子の無事を願う母貴代美と死んでいたとしても息子の無実を願う父一登の二つの視点で描かれるのだが、私は論理的で人に迷惑をかけてはいけないという考えの一登に感情移入しながら読んだ。対して、貴代美はというと息子の友達が、規子はそんなことしない、犯人扱いされているのが許せないと話しているのを、真っ直ぐ信じる気持ちを押し付けないでと反論していて、理解に苦しんだ。  
     この物語の印象に残ったシーンは、一登が罪を犯していても生きていてほしいと考えを改めたと

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    2025年01月06日
  • 望み

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    2024に読んだ本の中で、1番インパクトがあった本。
    父親の心情も、母親の心情も、苦しいくらいに分かり、読み進むのが辛く、息をするのもしんどいくらいだった。
    展開が遅々として進まず、蛇の生殺しだったのが、中盤から激流のように流れ出し、クライマックスに。
    自分の身に起こったら、と考えて、どちらを選ぶかや、親子間でのコミュニケーションや子供の守り方や教育、様々なことを考えさせられた。

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    2024年12月30日
  • 引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険

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    厳しいビジネス社会、創業家の親族だろうが、関係者に認められなければそこでの未来は無い。
    今後の小穂がどうなって行くのか、興味深い。

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    2024年11月29日
  • 霧をはらう(下)

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    上下とも一気読みでした。
    次女のお手紙素敵だった。
    ラストの展開も予想できず、最高に面白かった&読み応えあった!他の作品も読んでみたい。

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    2024年11月21日
  • 霧をはらう(下)

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    ネタバレ

    弁護士・伊豆原が素晴らしい!
    「やってない」ことを証明するのは難しい。でもほんの少しの証言の差で犯行の可不可が変わってくる。それを問い詰めた事件だった。

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    2024年11月20日
  • 霧をはらう(下)

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    とても面白かったです。
    確かにこのお母さん野々花はちょっと変わった感じで、疑ってしまったところもあったのだけど、そういった感情が冤罪の引金になりうるのではないか、と自戒。
    それにしても、検察の「冤罪が生まれたとしても自分のせいとは思わない」という言葉は、耳を疑いました。これはフィクションなんですよね…
    冤罪によって苦しんでいる人が現実にもいる。それは、検察の人達も目を背けられる話ではないでしょう。
    一方で、弁護人の立場でも、真実をねじ曲げようとする…いかに事情があるにしても、法を司るものとしてあり得ない…そこも小説の上の話でしょうけど…
    救いは、二人の姉妹の純粋さでした。
    これから少しでも良い

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    2024年11月10日