雫井脩介のレビュー一覧

  • 望み
    雫井脩介さんの「望み」、初読みの作家さん。非常に重厚で難解なテーマの作品だった。

    自分の高校生の息子が失踪し、高校生同士の殺人事件に関与している事が発覚する。
    息子は被害者なのか?加害者なのか?
    親はその重い心情を胸中に抱えながら事件の進展と同時に希望を張り巡らす。

    この作品の核なのがこの「希望...続きを読む
  • 望み
    凄い作品に出会った。親の心をこれでもかと揺さぶってくる。ミステリーで泣いたのは宮部みゆきさん以来かもしれない。改めて表紙に目をやると、恐ろしいほど内容を描き切っている。それを見て、また泣けた。

    切り取り報道やめてとか、ネット中傷で暇つぶししないでとか、事件を眺めるような感想はいくつかある。少年犯罪...続きを読む
  • 犯人に告ぐ2 (下) 闇の蜃気楼
    前作も良かったけれど今回もすごく好きな展開だったなー。読み終わりたくなかったけど結末が気になって読んでしまったよ……。

    前半で犯人に感情移入しちゃったけど、後半になると巻島さんの強い思いも出てきて、やっぱり犯人は捕まえないとな!っていう気分になる。

    読んでいて感情が翻弄されるこの感じがたまらなく...続きを読む
  • 互換性の王子
    順風雨満帆だった企業の御曹司が突如幽閉され、その間に現れた不遇の異母兄とが競い合うことに。ライバル企業との確執や競合の中で互いの理解が深まるが...。ミステリーかと思ったが経済小説、この作者さんにしてはひねりや深さはないが軽い恋愛青春お仕事小説として楽しく読破。
  • 互換性の王子
    面白い。
    意に反して半年間地下室に閉じ込められるミステリーかと思えば、真正面からのサラリーマン小説だった。
    憎らしい敵役、異母兄弟との軋轢と恋の話の行方、製品開発と他社との競合、精神的に成長してゆく主人公など、読みどころ盛り沢山の面白い小説だった。
    ただ本の装丁のコアラは意味不明。
  • 互換性の王子
    主人公の成功が会社内の役員への昇進を目の前に半年間監禁されます。その後、異母兄弟である実行が成功の立場になり、成功は会社を辞めた扱いを受けます。

    私の仕事や生活上の立場というのは互換性があるものなのか考えさせられる作品でした。

    今まで組織の中で様々な立場、役割を経験してきたわけですが、互換性があ...続きを読む
  • 互換性の王子
    準大手飲料メーカー・シガビオの御曹司、志賀成功が何者かにより別荘に監禁されたところから物語は始まる。
    この監禁に何を意味するのか予想もつかずにどうなるんだろうと読み始めたのだが、食料の限界が感じられた半年後にふっと解放され、会社に行くと彼のポストに異母兄の実行が就いていた。

    異母兄弟がビジネスと恋...続きを読む
  • 犯人に告ぐ 下
    劇場型捜査の後半。こちらも一気読み。ちょっとした綻びから犯人の性格を読み切って大胆な捜査を行う。そして伏線も見事に回収できている。面白かった。
  • 犯人に告ぐ 上
    警察モノといえば犯人とのやりとりにハラハラさせられるものだけど、事件とは直接関係ない場面でこんなにハラハラさせられるなんて!

    マスコミや視聴者って勝手だな〜って読んでいてもどかしく思ったけれど、現実に起きていることと何も違わないんだろうなあ。
    一市民としては大きな事件が起きたときマスコミが警察を批...続きを読む
  • 犯人に告ぐ 下
    上下とも一気に読み進めてしまった!警察vs犯人なんて簡単なモノじゃなく、対立がたくさんあって、巻島さん負けないでー!って応援したくなる。
    どの登場人物もきれいすぎず悪すぎず、その塩梅が現実味を帯びていて、小説だけどドキュメンタリーのようなやるせないさ不鮮明さがほどよくあって、すごく好みの展開だった。
  • 火の粉
    途中までは読み進めるのが辛いほど、人の嫌らしさや介護、保育の大変さが生々しく描写されている。。

    そして、最初は少し人との距離感が近いとは思うも、親切な隣人…

    少しずつ弱みにつけ込み、異常さが垣間見えてからは一気読みでした。
    個人的にはラストも良かったです。
  • 火の粉
    時間を忘れて読んでしまった。

    物語全体から感じる薄気味悪さが、癖になるような感覚で次々ページをめくってしまった。
    異常なほど優しい人はこわい。
  • 犯人に告ぐ 下
    後半は一気読み……臨場感の有るストーリー展開にページを捲る手が止まらなかった。並行する過去の事件が要所要所で出てきたり、おぼっちゃま刑事を炙り出す辺りはハラハラの展開。さすがに上手くまとまる作家さんだなぁ……拍手!
    ただ……もう少し犯人にも人物の厚みが欲しかったかな……劇場型犯罪?……でしたっけ?そ...続きを読む
  • クローズド・ノート
    恋愛ものの小説であり、この著者にとっては新ジャンルだな~と読み進めていましたが、最初の方でなんとなく今後の展開が読めてしまいます。

    でも、そんなことは関係なく、ストーリーにぐいぐい引き込まれていきます。
    小学校の女性教師である伊吹先生・・・
    伊吹先生が、本当にそばにいるかのように錯覚してしまうのは...続きを読む
  • 引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険
    「引き抜き屋」 雫井脩介 ★★★★★

    抜群に面白いです。・お仕事小説ですが、「ヘッドハンター」という見たことのない題材
    ・キャラクターが非常に立っている。
    ・1話完結方式で書かれているが、全体を通して1本のストーリーになっている。

    以上の理由で、日テレの水10枠の担当者は今すぐドラマ化権の交渉に...続きを読む
  • 霧をはらう
    泣けた。とても良かった。伊豆原弁護士の温かさが心に沁みた。途中、イライラするところもあったけれど、伊豆原弁護士の大らかさに諭されるような気持ちで、最後はすっきり。
    さすが雫井さん。

    映画化されるといいなぁー。
  • つばさものがたり
    よかった。電車の中で涙を耐えた。このようなネタも雫井さんが描くとすっきりとした感動の話になるのがすごい。適度な甘みに苦味もある繊細な味わい、後味が爽やか。胃もたれはない。そんなケーキなんだろうな。
  • 引き抜き屋 1 鹿子小穂の冒険
       社長の娘として次期社長を約束されていた世間知らずの千穂、ヘッドハントされてきた常務と対立して30歳で会社を追われ、ヘッドハンターになる。必要とする人材を探し出してマッチングするヘッドハンターという仕事の面白さ。

        マイブーム雫井脩介さんは、「犯人に告ぐ」「霧をはらう」「クロコダイルディ...続きを読む
  • 検察側の罪人(上)
    警察組織が、裏で画策する話は今まで沢山読みましたが、検察は初めてでしたので新鮮でした。
    検察の仕事をよく知らなかったのでとても興味深かったです。自白ではなく状況証拠を積み上げてなんとか立件しようとする執念、冤罪を作り上げることができる権力がとても恐ろしかったです。
  • つばさものがたり

    すごく好きな話。
    読後感は爽やかで、優しく、勇気を与えられる。

    登場人物全員が小麦にとってなくてはならない存在。
    一人一人の縁を大切にしたい。
    そして、自分の人生を全力で生きたいと思った。
    命あるかぎり、何度も挑戦したい。
    失敗しても、やり直せば良い。

    落ち込んだときに読むと、頑張る力が湧きそ...続きを読む