雫井脩介のレビュー一覧
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ネタバレ自分の息子が行方不明になったら、殺人事件の加害者としてか、被害者としてかどちらが良いのかという答えの出ない問いを題材にした一冊。殺人を犯していたとしても息子の無事を願う母貴代美と死んでいたとしても息子の無実を願う父一登の二つの視点で描かれるのだが、私は論理的で人に迷惑をかけてはいけないという考えの一登に感情移入しながら読んだ。対して、貴代美はというと息子の友達が、規子はそんなことしない、犯人扱いされているのが許せないと話しているのを、真っ直ぐ信じる気持ちを押し付けないでと反論していて、理解に苦しんだ。
この物語の印象に残ったシーンは、一登が罪を犯していても生きていてほしいと考えを改めたと -
Posted by ブクログ
とても面白かったです。
確かにこのお母さん野々花はちょっと変わった感じで、疑ってしまったところもあったのだけど、そういった感情が冤罪の引金になりうるのではないか、と自戒。
それにしても、検察の「冤罪が生まれたとしても自分のせいとは思わない」という言葉は、耳を疑いました。これはフィクションなんですよね…
冤罪によって苦しんでいる人が現実にもいる。それは、検察の人達も目を背けられる話ではないでしょう。
一方で、弁護人の立場でも、真実をねじ曲げようとする…いかに事情があるにしても、法を司るものとしてあり得ない…そこも小説の上の話でしょうけど…
救いは、二人の姉妹の純粋さでした。
これから少しでも良い -
Posted by ブクログ
ネタバレ後半にぐいぐい評価が上がった一冊。
中堅飲料メーカーの御曹司『成功』の不可解な別荘でも監禁事件から始まるストーリー。成功不在の半年の間、異母兄の『実行』にポストを奪われており…。
新製品開発が進むと同時に、ライバルの大手『東京ラクト』との市場争い、2人の恋愛の行方が進展していきますが、それにともなって監禁事件を含む一連の流れの真実が明らかになって行きます。
当初、浮気により『ラクト』を追われた存在だったと思われていた2人の父でありシガビオの社長『英雄』は、その実『ラクト』の社長の座を狙う『忠徳』の浅ましい陰謀により嵌められた二中だということが明らかになります。
『英雄』は最終的に『成功 -
Posted by ブクログ
飲料メーカーを舞台とした親子、兄弟の物語。
書き下ろし。
乳酸菌飲料などを販売する中堅メーカー「シガビオ」に勤め、御曹司である志賀成功は、何者かによって監禁され、半年後、解放された時には会社での役を失っていた。
成功がいない間に異動してきた腹違いの兄・実行は、会社での地位を高め、成功は焦る。
ライバル会社の「東京ラクト」と熾烈な新商品開発競争に突入していく志賀兄弟、度重なる東京ラクトからの妨害、スパイ疑惑、恋の火花、兄弟の父であり社長の思惑など、目まぐるし展開。
いろんな要素が上手くまとめられていて、読みやすいし、感情移入しやすい。
連ドラにこのまましてもいいかな -
Posted by ブクログ
自分が周りに支えられる意味を深掘りできる小説。
ミステリー小説だと思っていたが、いい意味で期待を裏切る人間味溢れる小説でした。
二人の主役の個性差もこの作品の魅力だと思います。
ただし、成功(まさとし)、実行(さねゆき)と読みにくいのとよく使われる言葉で混乱はしました。
成功が自分の立場を取り戻すために周りに助けられ、そして、新製品の開発に至るまでの歓喜や問題を乗り越える姿にグッときました。
ページを捲るのが止まらないほどに、この世界にハマってしまいました。
読み終わるのが惜しかったほどです。
ひと言言えるのは、読む価値のある小説でした。