雫井脩介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
行方不明になっている息子が凶悪少年犯罪に"加害者側"か"被害者側"として関わっている事が判明し、父親、母親、娘(妹)の3人が事件の真相が明かされるまでの間、それぞれが「加害者だとしても生きていてほしい」「自分の息子がこんな凶悪な事件の犯人であるはずがない」と行方不明の息子にそれぞれの望みを抱き、苦しみ、悩み続けるお話し。
かなり重々しい雰囲気ではありながらも、続きがとても気になりスラスラと読めました。
私は子供がいないので親目線で読む事はできませんでしたが、自分の両親が、自分の兄弟がと、また違った目線で「自分ならどう望むだろう」と考えながら読ませていた -
Posted by ブクログ
ネタバレ後半にぐいぐい評価が上がった一冊。
中堅飲料メーカーの御曹司『成功』の不可解な別荘でも監禁事件から始まるストーリー。成功不在の半年の間、異母兄の『実行』にポストを奪われており…。
新製品開発が進むと同時に、ライバルの大手『東京ラクト』との市場争い、2人の恋愛の行方が進展していきますが、それにともなって監禁事件を含む一連の流れの真実が明らかになって行きます。
当初、浮気により『ラクト』を追われた存在だったと思われていた2人の父でありシガビオの社長『英雄』は、その実『ラクト』の社長の座を狙う『忠徳』の浅ましい陰謀により嵌められた二中だということが明らかになります。
『英雄』は最終的に『成功 -
Posted by ブクログ
飲料メーカーを舞台とした親子、兄弟の物語。
書き下ろし。
乳酸菌飲料などを販売する中堅メーカー「シガビオ」に勤め、御曹司である志賀成功は、何者かによって監禁され、半年後、解放された時には会社での役を失っていた。
成功がいない間に異動してきた腹違いの兄・実行は、会社での地位を高め、成功は焦る。
ライバル会社の「東京ラクト」と熾烈な新商品開発競争に突入していく志賀兄弟、度重なる東京ラクトからの妨害、スパイ疑惑、恋の火花、兄弟の父であり社長の思惑など、目まぐるし展開。
いろんな要素が上手くまとめられていて、読みやすいし、感情移入しやすい。
連ドラにこのまましてもいいかな -
Posted by ブクログ
自分が周りに支えられる意味を深掘りできる小説。
ミステリー小説だと思っていたが、いい意味で期待を裏切る人間味溢れる小説でした。
二人の主役の個性差もこの作品の魅力だと思います。
ただし、成功(まさとし)、実行(さねゆき)と読みにくいのとよく使われる言葉で混乱はしました。
成功が自分の立場を取り戻すために周りに助けられ、そして、新製品の開発に至るまでの歓喜や問題を乗り越える姿にグッときました。
ページを捲るのが止まらないほどに、この世界にハマってしまいました。
読み終わるのが惜しかったほどです。
ひと言言えるのは、読む価値のある小説でした。 -
Posted by ブクログ
後半は一気読み……臨場感の有るストーリー展開にページを捲る手が止まらなかった。並行する過去の事件が要所要所で出てきたり、おぼっちゃま刑事を炙り出す辺りはハラハラの展開。さすがに上手くまとまる作家さんだなぁ……拍手!
ただ……もう少し犯人にも人物の厚みが欲しかったかな……劇場型犯罪?……でしたっけ?それに対抗する劇場型捜査?……この劇に与えられた犯人役がなんだかぽっと出の三流俳優が割り当てられたようで、ちょい物足りないわ……犯人弱っっ!犯人薄っ!もっと欲しいわっ!……ってちょいそこだけが……ただ星減らす程では無かったので、素直に星5です!
面白かったなぁーー!!