高殿円のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ男の城に、女が住む。
そんな現代において消えゆく価値観が主流であった中でひとりぼっちになってしまったルーが、ねえさんに出会えたこと。
ひとりぼっちで長屋に住んでいたねえさんの元に、金を貸してくれとも言わず妹のようにずっと一緒だったルーが転がり込んできたこと。
誰もが苦しい世の中で、お互いに帰り、甘えられる家があった。それがこの厳しい世の中を最後まで生きた2人の物語の持つ唯一の温かさだと思う。
こうして強かに、身を寄せ合いながら生きた女性たちのおかげで現代を生きる自分たち女性が自由に生活出来ていることを身に染みて感じると共に、現代にもまだ残る男尊女卑がいつか必ず古いものとして、それこそこの本の -
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Posted by ブクログ
「ほんまに、きみが愛おし!」時は明治の世。秀才ながらも、山口の家族を支えるため進学をあきらめ、単身神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。神戸の花隈での二人の出会いは、やがて日本の生活をも一変させる発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。そして、幼い日に誓い合った約束の行方は?
序盤から別れまではあっという間に読みました。どんどん会社が大きくなりどんどん利一が離れていってしまうように感じるハナ。普通の小説だったらここで二人がくっついてハッピーエンドなんでしょうが、そこは高殿さんの描く新時代の女性、アメリカへ旅立って力強く生きていきます。ちょっとここからが物足 -
Posted by ブクログ
心の中秘密を抱えた人たちの話。
すっきりエンタメというけれど、こういったお話ってモヤモヤがマイナスに振りきってからラストでフラットに戻るだけなので、個人的にはあまりスッキリしないんですよね。
最近よくある「スカッと○○」とか「ざまぁ系」とかもそうなんですけど。
でも、登場人物は皆いい方向へ向かったようで良かったです。
個々の話だと、唯一の男性視点の話、『骨が水になるとき』が良かったです。
骨って時間がたつと水になってしまうって本当なんでしょうか。人間水から生まれて水に還る運命なのか……。
高殿円さんの本は、学生時代に読んだライトノベル以来久しぶりでした。
秘密を打ち明ける話はこんなのも