あらすじ
ドラマ化大ヒット作、待望の書き下ろし続編。
神戸の老舗、富久丸百貨店芦屋川店で敏腕外商員として働く鮫島静緒。日本一の高級住宅地のセレブ相手に、きょうも奔走する。
美容整形に興味があり静緒に試させる女性投資家、息子の中学受験に静緒を巻き込む元CAセレブ主婦。「強い」宝石を集めるイラストレーターの訴訟事件……。そして、プライベートも落ち着かない日々の静緒にヘッドハンティングの話が。同居するゲイの同僚・桝家修平の反応は?
ドラマ化もされた話題作の続編を、「トッカン」「シャーリーホームズ」シリーズ、『政略結婚』など大ヒット作連発の著者が書き下ろしたハイクラスエンタメ!
解説は、読書家で書評エッセイの連載や、新聞の書評委員もつとめる、女優の南沢奈央!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
桝谷のキャラと世界観が大好き。小説だけど、漫画を読んでいるような、ドラマを観ているような感覚になりながら読んでる。
重たい小説は気分じゃない時やなんとなく疲れた時に気分転換に読みたくなる一冊。
Posted by ブクログ
人生の節目にどっぷり入り(入ることができ)、機転と企画力を遺憾無く発揮できるしずおがとにかくかっこいい。
時間以上働きすぎない、働くならしっかり対価をもらうべき、高く自分を売るべき、と現実的かつクールに考えられる舛屋の考え方もしずおとまた違った魅力があり、はっとさせられた。
私も40目前、仕事に没頭したくもあり、自分の時間との線引きもしたくもあり。それも自分。
Posted by ブクログ
オーディブルで。
続きものは途中で飽きるけど、これは一気に次が読みたい(聴きたい)!と今は4冊目
シズオの成長ぶりというか人柄人徳の賜物だろう
たくさんの味方がいる
友人や同僚や上司、何より母
シズオが思うよりとても親孝行な娘さんでしんみり
マスヤの懐き方がかわい過ぎておもしろい
Posted by ブクログ
百貨店の外商という、友だち伝いにちょこっと覗いたことのある異世界。そしてまさに私が求めてた関係性の物語! 桝家くん、良い。本の装丁が可愛いのもポイント♡
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シリーズ3作目にして、最高傑作。
「それが、私」と自身を確立させ、
ファジイに生きることに決めた静緒。
一方で、桝屋の生きづらさ。
本当に清々しく、心地よい一冊。
悩み多きアラフォーには、ピッタリでした。
Posted by ブクログ
2025/2/19
他人が本の中で爆買いしててもなんかスッキリするのおもしろいな。
まず買う人のことを私がある程度好きであるという条件はあるやろうけど。
家具屋の爆買い気持ちよかった。
毒親から逃げる話だったから余計に。
めっちゃ好きやな、このシリーズ。
Posted by ブクログ
まだ4を読んでないけど、シリーズで一番好きかも!
年齢も肩書きも全部人それぞれで決められないのは当たり前で、カテゴライズするとラクだからみんなそうしてるだけ、それはただの防衛本能っていう考え方が、ずっと自分の中にあったけどここまできれいに言語化できてなくて、読んでいて少しずつ脳内がクリアになっていく感じが気持ちよかった!
Posted by ブクログ
このシリーズほんとうにおもしろい。外商担当ではないけど百貨店勤務があるから、わかる~ってなることもあったし何より外商担当って大変だなって思う。自分の人生はもちろん他人の人生の一部を担うこともあるわけで、「静緒ってかっこいいな」って毎回この感想に着地する!
Posted by ブクログ
本は自分にないものを追体験させてくれる。
自分にまったく関わりのない外商という仕事はただモノを売るだけでなく、お客様の人生に関わって手助けをしていものなんだなと分かった。主人公シズオの仕事に対するバイタリティを是非見習いたいと思った。そして、シズオとマスオの今後も気になる。印象的な言葉である「〜のような関係」も良いが、進展欲しい気持ちあり、ヤキモキしてしまう笑。
Posted by ブクログ
百貨店の外商部で働く日々を描いたシリーズ三作目です。
主人公は、相変わらず高級マンションを同僚とフラットシェアしながら日々忙しく走り回っている。けれど、四十を目前にしてキャリアアップをあちこちから勧められて、転職してキャリアアップしていくことを目指すのか、このまま今の仕事を続けていくのかで揺れている。一人で暮らしている母親のことも心配で、いっそ母親と一緒に住むための家を買おうとするが、そのためには今住んでいるこの部屋は出ることになる。
様々な葛藤と、変化と、人間として成長することを感じさせる三作目の行き着く先に、本当に大切にしたいことが見えるような一冊でした。
静緒が今まで関わってきた人との関係にも少しずつ変化があったり、大きな『イベント』が起きたり、新たなお客さまとの大変な商売があったり。静緒の日々を追いかけているように一冊の中も盛沢山の内容で、忙しく充実した生活を一緒に体験しているようでした。
充実しているのだけれど、そこに満足していいのか。
四十を目前にした独女の自分は、これからどうしていくのがいいのか。
どうしたら、もっと生きやすくいられるのか。
自分にも他人事ではない状況に、改めて今の世の中の仕組みを感じずにはいられません。
このシリーズは、なかなかに好きな登場人物が多いお話なのですが、前作・前々作以上にシェアメイトの枡家が可愛いです。こんな可愛げと愛嬌のあるイケメンに甲斐甲斐しくされたら、ほだされてしまいそうなものですが、そこでブレないのが静緒のいいところだと思います。
関係性に名前を付けることができないからこそ、唯一無二の存在になることができない。そう言って嘆く枡家はとても可愛く、そしてこれは現代の『結婚していない』男女や同性カップルも抱える問題なのだろうと思います。結婚したいわけではない、ただこの人と一緒にいたいと思った時に、法制度上つけられる名前がない。同性カップルも認められるようには少しずつなってきましたが、カップルというわけではなくても、もしもの時に保険が下りたり、何かの時に病室に入ることができる権利というのは、なかなか簡単に認めてもらえるものではないので。
私自身、この先どこでどうなっていくのがいいのだろう、と思わされる部分もありました。自分の中での答えはまだ出ませんが、これからもきちんと考えていきたいところです。
今作もとても面白かったので、次作も読むのが楽しみです。
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静緒が狙っていた家をよりによってお客様に買われてしまうとは・・・。豪快に買い物をして素敵に飾り立てられた様を見てしまったら諦めというか納得感。桝家と静緒の関係て羨ましい。家に誰かがいる安心感、本音で話ができてお互いの悩みに親身になって、でも一定の距離をちゃんと保って相手を気遣える、お互い同居生活を続けたい気持ちわかる。ここで偽装結婚だと興醒めだけど養子縁組と桝家が言い出したのには思わず噴き出してしまいました。
Posted by ブクログ
加速度的に面白さを増していく上流シリーズ3作目。
トッカン!から読み始めて、高殿さんの濃ゆすぎるキャラ作りにうさんくさい目を向けたのも今や昔。脳内を所狭しと駆け巡る「好き」がもう止められなくなっている。
営業成績を追う日々のかたわらで、離婚、終活、ジェンダーレス、LGBTQなどベンチスタートのライフイベントがわさわさと主人公を取り巻く。濃厚なキャラと相まって、なぜか雑味のない最高級ボロネーゼが完成して出てくる仕上がり。なぜか全部おいしい話に見えるのは私だけか。
これまでジェンダー問題では、アレルギー全開の人(田嶋陽子さんのイメージ)に対するアナフィラキシーが私の中にあり、そこにスッとフレーズが落ちてきた。
──何事も特権的であってはならない
このたったの一文。もしかするとこれかもしれないと足を止めて考える。単にニュアンスだけど、女性蔑視ではなく男性優位社会。社会的に抹殺してきた負の側面も認識した上で、自分のベクトルをピタッと言い表した表現に見えた。おなじだろ!と言われれば仕方ないけど。この一言に逆差別的なマイノリティ疲れが癒えた思い。
紳士服屋ひとつとっても男は優遇されとったんやね。
さらにバブルの恩恵にギリ与れずに上の顔色を窺うようになった′70世代、という表現も過酷ながら妥当と思える。圧迫面接デフォルトの就職氷河期をくぐり抜けて、自分には特権なんて何一つないと思ってた。氷河期を逆手にとった子ども部屋おじさんも、様々な作品で問題化されていると思う。
そんなおじさん一名でも配慮すべき余地はまだあった。
お互いを認める社会。とは。
それはただ、「居ていい」という無自覚なのかな。
なにも押し付けられていない。その地点からヨーイドンできる社会実現が理想。
Posted by ブクログ
333ページ
720円
10月31日〜11月4日
富久丸百貨店の外商員として働く鮫島静緒。美容整形に興味があり静緒に試させる女性資産家、息子の中学受験に巻き込む元CA主婦、「強い」宝石を集めるイラストレーターの訴訟事件。引っ越しを考える静緒に、ヘッドハンティングの話も。同居する桝家との関係も落ち着きを見せる。
外商員としてやり手になってきた静緒の成長がみられた。桝家との関係も落ち着いてきて、このまま同居を続ければいいのにと思ってしまう。訴訟事件の腹立たしいことや、中学受験の大変さなど、今回の話も楽しませてもらった。ドラマ化すればいいのにと思っていたら、どうやら竹内結子さん主演でされていたらしい。続きがあれば早く読んでみたい。
Posted by ブクログ
読んでいて元気をもらえる小説。
他人の問題なのに、それを仕事とはいえここまで親身になって考えてくれる静緒は本当に素敵だなぁ。
ルームメイトとの関係も、気の置けない友人のようでいいなと思う。
面白かったー。
けど、まだ色々なことが途中でこれから静緒はどうなっていくんだろう?って思った。
でも確実に人に寄り添った仕事を行い、人として成長している。
早く続きが読みたいよー。
違う本を執筆されていると思うので、次の本まで待ち遠しいです
Posted by ブクログ
弥生子奥様のエピソードには涙
縁のない世界ではあるけど、外商を通して人と人の繋がりを紡いでいくシズオには共感
ますやのペット感が可愛くて仕方ない
Posted by ブクログ
このシリーズの1、2巻で重要なキャラクターとして描かれる、同僚の外商部員、マスヤ。マイノリティとしてどう生きるか。離婚経験を持つ女主人公も、「このまま結婚しなければいろいろ周囲から言われる…ゲイと何が違う?」と考える。仕事では、富裕層の婚活イベントを実現し成功していく。
ノリがラノベなのだが、キャラ設計や人間関係の葛藤がしっかり描かれる。
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百貨店の外商を舞台に繰り広げられる、お仕事小説の傑作、『上流階級』シリーズ第3巻。
高殿 円の代表作は、てっきり『トッカン』だと決めつけていましたが、3作とも『トッカン』に負けず劣らずの作品でした❗
美容整形にお受験、誹謗中傷被害に終活と、プライベートもままならず奔走する主人公が見つけた、将来の続きがとても気になります。
続編がとても待ち遠しい作品です❗
Posted by ブクログ
シリーズ第三作。安定の面白さだが、メインエピソードの顧客のうち二人が成金というか、代々続く資産家ではなかったので上流階級感がいまいち薄く感じた。
大きなエピソードは主に4つ。トレーダーの美容整形、イラストレーターの誹謗中傷&著作権対策、顧客の息子の中学受験、清家様の終活&葬式。ここに主人公本人のキャリアアップや母との関係、家のエピソードが加わる。
正直、終盤に入るまでは退屈な展開である。それでも読ませる筆力の高さは流石であるが、主人公が外商として成長し業務をそつなくこなすことができるようになったため、大きな対立が起こらないのだ。
相方である枡家も前作で家族との確執を解消したせいか、すっかり牙を抜かれたチワワになってしまっている。それはそれで非常に可愛い生き物なのだが、物語の推進力にはなりえない。
終盤に入っての遺品オークション、お受験のドタバタ、購入を検討していたマンションを顧客に買われてしまうというエピソードは非常に面白い。特に先に目をつけて購入を進めていたマンションをキャッシュ一括の暴力でぶっ叩かれて掻っ攫われるパートはコメディ調で非常に面白く、それに付随する転職話(=外商を辞める)が軽い印象で有耶無耶にされるのは上手い。
何も知らない顧客の要望でマンションの家具一式を爆買いするシーンもいちいち笑える。
本来なら険悪になってしまいそうな部分も笑いにして処理してしまうあたり、つくづく作者のバランス感覚の良さを感じる。
個人的に残念に感じたのは、直接主人公が動くことよりも外部の専門家やサービスとの顔つなぎが多くなった都合でダイジェスト感が強くなってしまったこと。
イラストレーターの著作権問題などは面白い題材だっただけに、もう少し詳しく見たかった(それが外商の仕事かと言われればもちろん違うのだが)。
Posted by ブクログ
商鮫島のお仕事ストーリー。清家さんのエンディング、自身の老後、相変わらずお客様の都合中左右される人生。歳を考えると寄り道もできず、かといって正反対の箒は進めず、難しいなぁと思った。
(読書メーターからの転記)
Posted by ブクログ
40歳という人間として節目を迎える円熟期とでもいうのだろうか。主人公は39歳でその目前。仕事もプライベートももう少し高みを目指すか落ち着くか、選択を迫られる時期。そんな時にもう一度自分と向き合い、大切なもの、いま大事にしたいものを、人との関わり合いを通して見つけていく物語。
まだ、20代の自分にも刺さる部分がいくつもあった。私もこの歳になった時、「メリーゴーランドが好きだ」と屈託もなく言えるような、もしくはそれに乗れなかった自分を愛おしいと思えるような生き方をしていたい。
※以下、本文のセリフ抜粋
仕事を仕事としかとらえなければ、自分を消費するのみ。でも仕事をうまく使えば、人生も上積みできる。
子供の時に描いた大人像とのギャップや、到達できていないことへの敗北感が。
ですが、今はそんな自分が愛おしく、なさけなく、また愛おしい。ああもっとうまく生きられたらよかったのにと思わないこともないですが、これが私。
子供の頃はメリーゴーランドに乗りたい!と口にするのは簡単だった。夢を語るのと同じで、子供っぽい、子供にしか許されないことだと思い込んでいた。
今も好きだ。メリーゴーランドが。もう一度メリーゴーランドに乗りたいのだ。いま。
Posted by ブクログ
今回の本は、いつもよりギスギスしてなくて外商としてもキャリアが出てきたんだなぁと思う静緒の自分の葛藤や成長が書かれていて、共感の多い内容だった。
これを乗り越えた先の次の静緒が早く読みたい。
Posted by ブクログ
丁度転職前で悩んでいたので、参考になった。
お金をもっと稼いで本に載ってくるブランドを、購入出来るようになりたいな。
芦屋のお金持ちってすごい。ちょっとそういう世界も見てみたい。静緒さんの葉鳥さんへの思いは自由であり、理性で律すれば問題ないという考え方も素晴らしい。
既婚であっても素敵だなーと思う異性がいるのは否めない。それを行動するかしないかが大いなる違いなんだなぁと。
Posted by ブクログ
老舗百貨店の外商員・鮫島静緒の話、第三弾。今回も働きまくり。著作権がらみの問題で弁護士を探し、清家様の終活に関わり、突然の引越しを担当し、中学受験に関わる。自分の引越しは無くなり、転職話も進まず。お仕事系の小説だが、生き方について考えさせられる。
Posted by ブクログ
『上流階級』3巻目
1巻では新米だった静緒もすっかり外商員が板に付いて来た
桝家との関係もなかなか良い
が、ここにきて
転職、引っ越しを考える
いやー、このまま桝谷と結婚でもいいじゃない!と思ってしまう
ところで、
富裕層が外商を使う理由として
コスパよりもタイパ
というのは、
昨今、富裕層じゃなくても、世の中タイパタイパいうようになってきたよねーと思う
タイパで作り出した時間を有意義に使えているのならよいのだけど…
実家の束縛に耐えかねて家を飛び出した鞘師さんの言葉
私は私が選んだことのマイナスを受け止めて生きる
50代にして病に伏した弥栄子様がお友達や子どもたちへ残した言葉
人生はめまぐるしすぎて、母親にならねば。妻にならねば、ばかりで、私というものがなんなのかわからないまま、終わってしまう。
あなたはそうはならないでね
静緒
子供の頃に、将来の夢を何度も聞かれるじゃないですが。あれって、ちょっと残酷だなって思うんです。子供のころからまっすぐな夢があってその道を突き進んでいるならばいいけれど、いったん言語化してしまうと、『叶えられたか』『叶えられなかったか』が明確になるんですね。べつに、夢を持たずに生きていたっていいし、何かにならなくてもいい。”~のようなもの”で十分なんじゃないかって
ファジィに生きる
なにかもっともらしい理由付けがないと行動しづらいのは、長く生きてきた弊害のうちのひとつだ。大人はもっと、自由になっていい
心に残る良い言葉が多い巻でした。
ぜひ、続編を
百貨店外商部と言うご縁の無い世界に引き込まれてました。まだ男社会で風当たりが強くても、アイディアとお客様に寄り添い奮闘する姿は素敵です。今後の主人公が気になります。ぜひ、続編お願いします。
Posted by ブクログ
ますます仕事に奮起する主人公。
独身で40代に近づくにつれ、管理職を目指すべきか、一人で暮らす母親をどうするかなど年相応の問題に直面します。
顧客に至っては、中学受験に奮闘する家族など、多種多様に登場。社会が変わると共に、顧客の要望も変化していくものだとわかりますね。
上司への憧れの愛や、同居する後輩への愛情、それぞれの家族感やパートナーシップ事情などもあって、なるほどと納得。
社会の変化に対応するには自分自身の考えや行動を変えていかなければならないと、改めて考えさせられました。
どんな人生を送るにしても、どんな仕事内容でも、「仕事」とは稼ぐ以上に大切な事だと改めて実感。
Posted by ブクログ
外商さんの仕事って、美容整形に興味があるお客様のために自分が試して報告したり、中学受験のスケジューリングから当日の付き添いまで多岐に渡るんだ。
超高給ならまだしも、土日関係ないし、お金で買う関係のようだし、気の効かない私には無理な仕事だな。
利用できるような家に生まれてみたいけど、これまでもこれからも縁のない世界だ。
静緒がわりと庶民的で、庶民ならではの逞しさと知恵が魅力的だった。
ヘッドハンティングも、転職も、うまくいってほしかったな。
やっぱりイメージは竹内結子さんなので、巻頭のイラストはいらなかった。