あらすじ
7月の人事異動を経て、新メンバーも加わった京橋中央税務署を揺るがす大事件が発生した。あの――悪質な滞納者から隠し財産を差し押さえまくり、顔がハスキー犬のように怖くて、“京橋中央署の死に神”と恐れられる、特別国税徴収官(略してトッカン)――鏡が、担当の滞納者を恫喝して自殺に追い込んだとして、遺族に訴えられるかもしれないのだ。しかも原告の背後には、税務署の天敵・勤労商工会がついているという。勤商の弁護士・吹雪敦は、正義の名のもと、ぐー子たちをあからさまに挑発。鬼上司のピンチにぐー子(トッカン付き徴収官)は真相究明に立ち上がる。しかし当の鏡は何もするなといつになく消極的。ぐー子自身も計画倒産に関する別の案件でにわかに忙しくなり、八方ふさがりのところへ、思わぬ助っ人――鏡の過去を知る人物が現われた……!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
続編ともいうべき本作は新しいキャラクターが登場しつつ、更にパワーアップした税務署エンタメ作品でした。悪質な滞納者の裏側にも様々な人生模様があったり、彼らを利用しようとする勤労商工会の弁護士がいたり、はたまたメンタルが破壊されている同僚がいて、その同僚の夫が職場に訪ねてきて鏡特官を刺してしまうという衝撃的な展開、そして、税務署を舞台にしつつ、ぐー子とその周り先輩や同僚、友人の相沢芽夢とのやり取りが散りばめられて、ぐー子の生き方も丁寧に描かれています。何より感動したのはぐー子と父がぐー子の母の墓で久しぶりの再会を果たした場面です。やっぱり親子の絆は固いし、打ち解けられてよかったと思いました。
本作のテーマは物語の至るところで語られる「体裁」だと思いました。
みんなそれぞれの体裁があり、身に纏って必死に生きている、共感せずにはいられませんでした。
Posted by ブクログ
お仕事小説。高殿さんのこのタイプの本はどれを手にとっても惹きつけられる。普通の庶民の目の届かない場所にまで。
今回、たまたま裁判所、司法など目にすることが多いのでこの本に描かれているそういった場所も知った気になってしまっている。
堅い職場なのでしょうが分かりやすくて、シリーズ続きが気になる。
Posted by ブクログ
トッカンvs勤労商工会 2013/3/29
稼ぎのない男なんて精子以下よ。消えちまえ!
2014年2月5日記述
高殿円さんによる小説。
トッカンとしては2冊目の作品にあたる。
今作では主人公鈴宮深樹がずうずうしいまでに活躍する。
(上司である鏡が訴訟騒ぎになりかけたためでもある)
ホツマへの破産申立の不服のあたりは爽快だった。
署長に付いて来てもらう等カウンターパートとして
上手く動いたと思う。そうでないと裁判官は出てこなかったろうし。
本書は400ページをこえている。
しかし巻末にある
井上真央さんと高殿円さんの対話にもあったように
すっと物語の世界に入っていける。
小説を読んでいるけど良い意味で小説っぽくないのだ。
そのままドラマに出来そう。
(実際にドラマ化された)
本作においては鏡が栃木県出身であること。
鏡の高校時代の友人本屋敷と里見の援護。
栃木県は東北ではなく北関東だと言いはる鏡に
ちょっと笑いそうになる。
ネット上で時々見かけるグンマーへの反発と似ているのだろう。
墓に隠し財産を持っていた滞納者。
この時は前作同様に鏡らしい雰囲気だった。
同僚(錨喜理子)が徐々に精神を病んでいたこと。
その原因は体裁。
本作では体裁を取り繕ったが故に仮面の自分に
引っ張られ実態の自分と異なってしまった人物が描かれる。
どれも現実に起こりそうなことであるしリアリティがあった。
とは言え体裁なり仮面なりなんでもかんでも本音、本能ばかり言いたい放題では社会は回らないのも事実である。
「稼ぎのない男なんて精子以下よ。消えちまえ!」(錨喜理子)
なんて言われた日には・・・暴れだすのも無理はない。
トンデモ暴言ではあるけど印象に残った言葉。
思っていることを登場人物に代弁させれる作家は直接
世の中に発信するわけではないから安全。ある意味羨ましい。
やるな高殿円。
Posted by ブクログ
トッカン、本作では勤労商工会を題材にした。(踏み込んだ…!)
税の世界はシビア。過去、仕事で徴収官と接する機会もあったが実際には対峙するだけで鼻の奥がツンと金属臭を感じるような、緊張感があった。本作はエンタメ要素をかなり盛っているので最後まで楽しく読めるのだが、これをシリアスタッチで映像化したら、辛くて最後まで観れないのではないか。
これを読んだ人が税務署の徴収業務を誤解しませんよう…
Posted by ブクログ
トッカンのシリーズの中で一番面白かった。
特に最後。職場のすきま。すごくわかる。胸が苦しくなりながら、貪り読んだ。鏡の「お前は焦らなくていい」に、若手の頃の自分を思い、心熱くなった。
Posted by ブクログ
結構、緊張感があって、面白かった。
税務署の特別徴収官カガミの恫喝で、それを苦にして
食堂の主人が首吊り自殺をした。
それで、カガミを訴えると 国家賠償請求となる。
カガミは、出張ばかりして、よくわからない。
カガミの高校の友人 イタリア人のような弁護士。熊のような里見。
カガミをボランティアで助けようとするのだ。
カガミの部下である ぐー子は、なんとかカガミを助けようとするのだが。
自殺した主人は、勤労商工会の顧問弁護士 チワワ。
チワワは、鋭く追及する。勤労商工会は、その問題を追及する。
ぐー子は、少しづつ、自立するのである。
計画倒産の会社の粉飾を暴くのだ。
隙間を見つけることが、必要なのだ。
ぐー子は、そのポジショニングを見つけようとする。
人は、体裁を作る。そのことが、ぐー子には、分かるようになるのだった。
それにしても、カガミは、主人の自殺の原因ではなかった。
自殺の原因だとすると、結構面白い展開になったのに。
Posted by ブクログ
国税徴収官を主人公とする「トッカン」シリーズの第2弾。今回は鏡特官が訴えられるかもしれない危機に陥り、鈴宮深樹が、新キャラとも絡みながら、その危機に立ち向かうというストーリー。
主人公の鈴宮深樹のもがき苦しむ等身大感は今回も健在で、なかなかよい。
「すき間」「体裁」という本書のテーマともいうべきものについて、考えさせられた。
Posted by ブクログ
トッカンシリーズ第2弾。
税金とは、仕事とは、自分の職場の立ち位置とは、そして体裁とは。
考えさせられることもありつつ、全体的に読みやすいこういう本って好きだ。
ぐー子が葛藤しながらも少しづつ成長していた。
体裁にしばられずに生きるって簡単ではないけど、しんどくなった時に体裁にしばられていないかと自分を見つめ直すことで楽になれることもある気がした。
Posted by ブクログ
シリーズ第2弾。今回は鏡特官が訴えられるという非常事態。グー子(深樹)は鏡の無実を証明するために奔走する話のあらすじ。グー子がもがきながらも自分の「場所(この場合職場や生き方、仕事の方法色々な意味が含まれると思う)」を見つけていく姿がいい。今後どのように成長していくのか続きを読むのが楽しみだ。感想はこんなところです。
Posted by ブクログ
面白かった。
体裁の恐ろしさ、なんか結構わかるな。取り繕いがいつかとれなくなって自分もそれを信じてだんだん方向間違えるのって。
錨さんのは、なんだか考えさせられるエピソードだった。私は女でバリバリ働きたいけど、やっぱ子供を産むとなったときにどうしても働けなくて、その後もいろいろ制限があるのってなんだかなぁ、って思うけど、働けなくなった奥さんをささえるダンナさんもいろいろ逃げ場がなくてなんだかなぁ、なんだろうなぁ、と。
彼女のダンナはまじクズだなぁ、と思うけど、逆の女性も世の中にはいるはずで、その人たちは何も言われないんだろうな、と思って少し考えさせられた。
続きもよまなきゃ!
Posted by ブクログ
トッカンシリーズ第2作。
ぐー子の気持ちが痛いほどわかる。女性の仕事での立場はすき間。。確かに。偉くなろうとも思ってないけど、でも仕事は頑張りたいし褒められたい。でもそれに気付けたのはぐー子が成長したからなんだろうな。
鏡特官とのやり取りはラノベっぽくていらないところもあるけど、でも続編も読むぞ。
余談だけど。。国民が素直に税金を払えばぐー子の部署は不要なんだろうな。払わないことで逆に税金の無駄遣いとも言えるのか。税金は払おう。
Posted by ブクログ
トッカン第2弾。
ぐー子の上司である鏡が訴えられる可能性が出てきたとある自殺。
だんまりを決め込む鏡、一方で放っておけないぐー子は単独で動く。
生きることと切っても切れない税金、
また親子関係・夫婦関係を根底に置きながら、
相変わらず面白く、色々考えさせられる小説だった。
徐々に成長しているぐー子の姿を見る楽しみも増え、
今後も本シリーズが続くことを期待したい。
Posted by ブクログ
鏡特監がなかなか登場しなくてやきもき。笑
署長のドラえもんキャラがよかった。
登場人物を増やしたわりに使いきれていない感をなんとなく感じました。
後半は怒涛の展開でおもしろかったです。
Posted by ブクログ
現実世界では物語のように一つずつ事件が起きるなんてことはありえない。同じ組織の中でも全員がまったく同じ方向を向いていることもない。ただ、物語の中でそれをきちんと描こうとするのは難しい。
しかし本作では複数の案件が同時進行で描かれているし、同じ陣営でもそれぞれの思惑があるのがリアルでいい。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目はライバル登場。主人公チームにも助っ人が参戦で場外乱闘の盛り上がりを見せる。ややエンタメ盛りすぎでないかと距離をおいて読んだ。
ニュースで増税メガネとか揶揄されてるけど、税金といえばみんなの敵!みたいな論調にはふと頷きたい時もある。センセたちが正しく再分配できていないことの裏返しだ。ただ標的となってしまうのがドサ回りの役人なのは、NHK集金と同じで非生産的だよな、と金集めの仕事の大変さを思い知った。
そんな中、1作目でも感じたオトナの女子力、いや社会人女性そのものへのこだわりに自然と目がいく。
── 女子ならば誰もが意識しているスキマ産業。私たちがスキマ探しに奔走するのは仕方がない。だって、この社会はもともと男が作ったものだ。私たちはスキマから入っていくしかない。私も欲しい、欲しいよ私だけのオンリースキーマ!
うん?スキマ産業をググってみた。大してヒットしない。色々リサーチ中にそれっぽい電子書籍を危うくポチりそうになる。ひとまずこういう表現があるのは分かった。そうね、社会のスキマ、フィットできる場所。そういうところ私も欲しいよ。私はオンリーでなくて良いけど。
あ、だからここはオンリーかどうかが大切なのか?
さすがスキマの小さい男は気づくのも遅い。
やたら美男美女が出てくるのも、なぜか卑屈なスタンスで読むことにつながっている。
ぐぐぐ、がんばれグー子。(主人公)
私もやっぱりオンリースキーマが欲しいよ!!(えっ
Posted by ブクログ
税務署の国税徴収官が主役のお仕事系小説第二弾。勤労商工会の弁護士と対決するから、このタイトルなのかと思ったら、終盤に同僚と勤労商工会との関係が発覚。盛ってますねー。やや話が長い感があり、第一弾よりは低評価になりました。
Posted by ブクログ
鏡の出番は少ないなか、ぐー子が奔走する。躓くことはあるけど、ずうずうしく粘り強く対処できるようになった。勤労の弁護士は不気味で偏った思想だなぁと思った。
Posted by ブクログ
トッカン久しぶりに目にしました。前作は大変面白く早く次回作を読みたいと思ってましたが、少々ガッカリです。前作の時はぐー子の困った時が面白く感じましたが、今作では逆に苛々感じました。理由は多分前作から時間が開いたせいでしょう。勢いで次の作品も買ってしまったので読むつもりですが、果たしてどうか?
Posted by ブクログ
まぁ相変わらず面白いけど、一巻目のときのような高揚はないかな。王道のニヤニヤ安心ポイントが減ったのはよかったのかどうか。
でもホント、徴収やるのは...偉いよね...。
どう考えても、精神的に大変。
Posted by ブクログ
面白い作品で、なかなか触れる事の無い税務署の仕事が垣間見え、お仕事小説、成長物語として楽しく読みました。
少し前の作品なので時代が違うからなのか、そういう世界なのか、女性性に着いての書き方が気になるのと、主役にどうしても肩入れしたくなり、税務署頑張れ!とも思う部分もありつつ、やはり今の税金の使い方を見ると何だかなあ、と複雑な気分になりました。
Posted by ブクログ
京橋中央税務署を揺るがす大事件が発生した。あの、悪質な滞納者から隠し財産を差し押さえまくり“京橋中央署の死に神”と恐れられる、特別国税徴収官(略してトッカン)の鏡が訴えられるかもしれない。しかも背後には、税務署の天敵・勤労商工会のお抱え弁護士がついていた。鬼上司のピンチにぐー子(トッカン付き徴収官)が立ち上がる!
Posted by ブクログ
滞納者が自殺し、その原因が税務署にあるとし訴えられそうになる鏡特官。
鏡と主人公のドタバタを楽しみにしていたので、鏡不在が少し手持ち無沙汰。
新しい登場人物がどんどん出てきてなんともめまぐるしい。
つい税務署の立場で読んでしまうので、
勤労商工会が嫌いになりそう。笑
徴収する側の意識と、滞納する側の姿勢、
どちらが欠けても良い結果にはならないなと実感。
人間関係も同じかも。
Posted by ブクログ
今回は特別国税徴収官に勤労商工会のお抱え弁護士が相手。
今回は法律関係の云々はあまりなく、人情模様が多い。
体裁、意識してか無意識か、誰しもがいつの間にやら身についた体裁。
そんな体裁を持つ人々を通して、着実に成長する主人公ぐー子。
今回はちょいと物足りなかったかな。
Posted by ブクログ
上司の鏡の担当していた滞納者が自殺した。その妻は鏡に脅されて夫が自殺したとが訴訟を起こすと言い、税務署は大騒ぎになる。
上司のために鏡の友人たちと真実を追うぐー子。
そして、職場の同僚の中でも事件が…
2016.7.24
Posted by ブクログ
面白かった、というより痛かったのはエンド間際の彼女の「理由」。知恵袋でも似たような文章を見たことがあるけど、世間じゃ意外とよくある話なのかもしれないけど、でも愛とプライドとお金が日々ガリガリ削られていくのは辛いよなぁと。ぐ~子のキャラには気持ちが動かなかったのに(2から読んだので最初から見守ってきた感が欠けてるからかも)、彼女の方には復職とか残りの人生とか大丈夫じゃろうかと超要らん心配をしてしまった。本編とは関係ない所で悲しくなってしまって変な感じ。1も読んだ方がいいのかなー。でもまた脇役でこんなんいたら勝手に落ち込んじゃうじゃないかいなー。